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- ウイスキー基礎知識
ウイスキーのピート香は強いと表現されることがあり、スモーキーな香りと言われても飲んだことがない方は実感が湧きにくいかもしれません。
スモーキーな香りとは、言い換えれば燻製のようであると表現されることがあり、銘柄によってはヨード香といった薬品のような香りであるとも表現されることがあります。
ウイスキーのピートの強さは飲めば飲むほどヤミツキになることで知られており、スモーキーな香りの魅力に気づいた人の多くはより強いピートを求めるようになるのです。
この記事では、ピートが強いウイスキーの特徴と、ピートの香りがわかるウイスキーのおすすめ銘柄を紹介します。
この記事のポイント
そもそもピートとは泥炭のことであり、野草や水生植物が長い時間をかけて炭化した燃料のことを指します。
ピートはウイスキーの原料である大麦を乾燥させる際に使用されており、ウイスキーの製造が始まった時代背景から安く使用できるピートが使用されてきました。
現在では安く使用できる燃料ではなく、ピートを使用して乾燥させることで発生するピート香と呼ばれる独特な香りをウイスキーに付与するために利用されるようになりました。
ピートでよく乾燥されたウイスキーはスモーキーと表現されるピート香が強くなる傾向にあります。
ピート香は燻製のようなスモーキーな香り、正露丸を思わせるような薬品の香り、銘柄によっては海藻のような潮気が伴う場合があります。
このような香りを強く感じるウイスキーはピートが強いといわれ、クセの強さからウイスキーを飲み慣れていない人には必ずしも推奨できませんが、多くのウイスキー愛好家がヤミツキになっている香りです。
ピートについて詳しく知りたい方はこちらの記事もチェックしてください。
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ピートが強いウイスキーの特徴を3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
先ほども説明した通り、ピートが強いウイスキーには燻製を思わせるスモーキーな香りを強く感じられることが特徴です。
このスモーキーな香りは、強いウイスキーでは少し嗅ぐだけでもしっかりと感じられ、口に含めば鼻腔を通り過ぎていくような感覚が味わえます。
クセの強い香りであることから、好きな人が多くいる一方で、ピートの強いウイスキーに苦手意識を持つ人もいます。
そのため、ピートが強いウイスキーの代表とも呼ばれるラフロイグでは、この香りは「好きになるか嫌いになるか」の2択しかないと言われるキャッチコピーが使われるほどです。
自分が強いピート香が好きかどうかわからない人が気軽に試せるスモーキーで安いウイスキーはこちらの記事で紹介します。
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スモーキーな香りのウイスキーの代表的な製造地域はアイラ島ですが、アイラ島以外で製造されたピートの強いウイスキーはアイラウイスキーとは異なるスモーキーさを持つことがあります。
アイラ島のスモーキーな香りには、海藻を思わせるような潮気のある香りと風味が感じられることがありますが、他の地域ではスモーキーでありながらフローラルまたはフルーティーな甘い香りが感じられることがあります。
これは泥炭が採られた地域の環境や、炭化した植物が異なることから生まれる違いといえるでしょう。
ウイスキーの風味は地域によって異なるといわれますが、ピートの香りも地域によって異なります。
ピートの強さを計る基準として参考になる値にはフェノール値があります。
大麦をピートで乾燥させた際に発生するフェノール化合物の濃度を測定することで、ピート香の強さの目安を計ることが可能です。
フェノール値ごとの基準は以下の通りです。
フェノール値 | ピート香の強さ |
10ppm | 弱め |
25ppm | 中程度 |
40ppm | 強い |
40ppmを超える銘柄はピートが非常に強いといわれ、最強のスモーキーさと言われる銘柄の多くは40ppm以上の銘柄になります。
とにかくピートが強い銘柄を飲んでみたい場合は40ppm以上の銘柄、気軽に試す目的で飲みたい場合は25ppm程度、自信がない場合は10ppm程度のウイスキーを探してみると良いでしょう。
ピート香がわかるウイスキーのおすすめ銘柄を紹介します。
画像引用:https://www.ardbegjapan.com/products/
アードベッグは、ピートが強いウイスキーの中でも最強と呼ばれることがある銘柄であり、その個性の強さからアードベギャンと呼ばれる熱狂的なファンを生み出しています。
強烈なスモーキーさと、薬品のようなヨード香が特徴であり、しかし、その味わいの中に柑橘系の果実とチョコレートのような甘みを見つけられます。
ピートの強いウイスキーと聞いてトップクラスの銘柄に挑戦したい場合は、アードベッグを試してみましょう。
画像引用:https://whisk-e.co.jp/products/kilchomanmachirbay/
フェノール値が55ppmあるアードベッグに対して、50ppmのフェノール値を持つアードベッグに次ぐスモーキーさを持つ銘柄がキルホーマンです。
ピートの強さだけでない複雑な味わいが楽しめることが特徴であり、桃、りんご、ライムなどのフルーティーで柔らかな風味を持っています。
ピートが強いウイスキーでありながら、味わいの完成度の高い銘柄を求めている場合はキルホーマンを選んでみましょう。
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ロングロウは、スプリングバンク蒸溜所で製造されるヘビリーピーテッドのシングルモルトであり、強いピートを持ちながらアイラウイスキーとは異なるスモーキーさが感じられます。
スモーキーさはフローラルなアロマをまとっており、甘いスモークという印象を持つことでしょう。
ピートの強いウイスキーの多くはアイラウイスキーとなっていますが、アイラウイスキー以外でも強いピートスモークを持つ銘柄が存在します。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/3line/10003165/
バレッヒェンもエドラダワー蒸溜所で製造される蒸溜所と同名の銘柄とは別に発売されているヘビリーピートのシングルモルトです。
ピートの強さが感じられるスモークとフルーティーな風味が特徴であり、クリーミーな味わいとなっています。
ロングロウと同様にアイラウイスキーに該当しないピートの強い銘柄であり、アイラウイスキー以外で強いスモーキーさを味わいたい方に向いています。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/5010019640253/
ラフロイグは、ピートが強いウイスキーを代表する銘柄として知名度が非常に高く、初めてウイスキーのスモーキーさを味わう人にとって強烈な印象を残してくれます。
薬品を思わせるようなヨード香に潮気のあるドライな味わいとなっており、オイリーで濃厚な味わいです。
ラフロイグはアイラの王と言われるほど力強い味わいが特徴であり、好き嫌いが分かれますが多くの根強いファンに支えられています。
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タリスカーは、アイラ島で製造されたウイスキーではありませんが、ピートの香りがあり、アイラ島のウイスキーに近いスモーキーさを持っている銘柄です。
スモーキーであるだけでなく、黒コショウを思わせるようなスパイシーさが特徴であり、個性のある銘柄です。
ピート香だけでない独自の個性を両立した銘柄であり、アイラウイスキーではないものの、アイラの入門酒と言われるピートの強さを持ちます。
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画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/4901777287426/
アードモアは、ティーチャーズをはじめとするブレンデッドウイスキーにスモーキーな香りを付与するモルト原酒として使用されています。
スモーキーな香りとはちみつのような甘い香りがあり、スパイス感のある味わいが特徴的です。
ハイランドで製造されたピート香があるウイスキーであり、ピートが強い銘柄と比較すると控えめであることから、気軽にスモーキーさを味わいたい方に向いています。
画像引用:https://www.suntory.co.jp/whisky/bowmore/products/
ボウモアはアイラウイスキーの入門酒と言われるほどスモーキーさと味わいのバランスが良い銘柄です。
アイラウイスキーらしいスモーキーさだけでなく、柑橘系の果実の香りが感じられ、甘みとビターチョコレートのような苦みのある複雑な味わいが楽しめます。
ピートは強いとは言えませんが、風味の完成度が高いことから、スモーキーで味わい深いウイスキーを探している方におすすめです。
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画像引用:https://item.rakuten.co.jp/ledled/3-finlagan-or/
フィンラガンは、独立系ボトラーズが独自にボトル詰めした蒸溜所の名称を公開しないアイラウイスキーであり、ピートの強い銘柄となっています。
強烈なピート香とドライな味わいが特徴的ですが、口当たりは驚くほど滑らかで、フルーティーな風味も感じられます。
ピートの強い銘柄の多くは値段が高い傾向にあるため、少しでも安い銘柄を選びたい場合は、フィンラガンなど蒸溜所を公開していないアイラウイスキーも検討してみましょう。
画像引用:https://www.johnniewalker.com/ja-jp/our-whisky/core-range/johnnie-walker-red-label/
ジョニーウォーカーは、スモーク香があるブレンデッドウイスキーであり、けっして強くはありませんがピートの香りを知りたい人におすすめの銘柄です。
スモーキーで少し力強い印象から、青リンゴのようなフルーティーさとクリーミーな味わいから、優しい印象を持ちます。
低価格で購入できることから、ピートの香りを気軽に味わいたいウイスキー初心者の人におすすめです。
ピートの強いウイスキーの特徴と、ピートの香りがわかるウイスキーを紹介しましたが、ピートは強いほど好き嫌いがわかれます。
ただし、ピートの良さがわかるほど強い銘柄を求めるようになるため、ピート香のある銘柄にハマったなら強さを意識してみましょう。
フェノール値を基準にピートの香の強さをランキング形式で知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。