【イベント開催報告】第2回 英国クーパレッジ特別セミナー&熟成用空き樽即売会
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2024年10月3日(木)に「アイル オブ ラッセイ蒸溜所ナ・シア5年ローンチイベント」を、株式会社都光とDear WHISKYで共同開催しました!
本イベントでは、スコットランドのアイル オブ ラッセイ蒸溜所からゲストをお招きし、日本未入荷の新シリーズ「ナ・シア5年」の全6アイテムを紹介するテイスティングセミナーを実施!またアイル オブ ラッセイ蒸溜所のウイスキーやジンを使ったオリジナルカクテルも提供しました。どちらも好評で、大盛況のイベントとなりました!
この記事の後半にはゲストのルーシーさんのインタビューも記載しております。イベントに参加された方も、参加できなかった方も、記事を通して世界中が注目するクラフト蒸溜所「アイル オブ ラッセイ」の魅力をぜひご体感ください!
イベント名 | アイル オブ ラッセイ蒸溜所 ナ・シア5年ローンチイベント |
会場 | BAR FIVE Arrows (〒160-0023 東京都新宿区西新宿1丁目13-1 今佐ビル 6F) |
日時 | 2024年10月3日(木) ・18:30 開場 ・19:00-20:30 セミナー ・20:30-21:00 アフターパーティー ※21時以降は通常営業となり、参加者は引き続き滞在可能 |
参加費 / 特典 | Ⓐ 10,000円(セミナー+アフターパーティー+トートバッグ+ボトル1本) Ⓑ 5,000円 (セミナー+アフターパーティー+トートバッグ+Tシャツ) |
主催 | Dear WHISKY、株式会社都光 |
人数 | 30名 |
アイル オブ ラッセイ蒸溜所は、スコットランドの北西に位置する小さな島、ラッセイ島に建設された蒸溜所です。2017年に起業家のビル・ドビー氏と、ウイスキーブレンダー兼植物学者のアラスデア・デイ氏が共同で設立し、今年で操業7年目を迎えます。
そんな背景を持つこの蒸溜所は、ウイスキー愛に溢れた新進気鋭の蒸溜所創設者たちと、長年に渡り蓄積してきた島の文化が組み合わさり、唯一無二のウイスキーを生産しています。
そしてアイル オブ ラッセイ蒸溜所は、スコッティッシュウイスキーアワード2022で「スコティッシュ・ウイスキー・ ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー」と「ツーリズム・デスティネーション・オブ・ザ・イヤー」 を同時受賞し、現代最高の蒸溜所のひとつと言えるほどの評価を得ています!
ルーシー・ロス・スチュワート さん
スコットランドのエジンバラの出身で、イングランドの大学を卒業後、2022年にアイル オブ ラッセイ蒸溜所に入社。営業の事務の仕事などを経て、現在のインターナショナル・セールス・エグゼクティブ職に着任。 |
ルーシーさんによるセミナーでは、アイル オブ ラッセイ蒸溜所の特徴や、新シリーズ「ナ・シア5年」全6アイテムの解説、今後の展望などについてお話しいただきました!
参加者の皆様から大好評だったテイスティングセミナーの一部を以下でご紹介します!
蒸溜所の建設にあたり、創設者のビル氏とアラスデア氏は、太古の地層が露出した岩肌や火山、地下水などの自然に注目しました。さらにラッセイ島には、かつてウイスキーの密造が行われた跡があり、ウイスキーづくりに適した自然環境が備わっていることがわかります。
そこで、アイル オブ ラッセイ蒸溜所はこれらの島の自然環境を最大限活かすために、麦芽の粉砕、発酵から熟成、ボトリングまでを全て島内で行っています。
そして、島内でウイスキーをつくる取り組みは蒸溜所建設当時人口が161人だった島に活気を取り戻し、地元へ帰ってくる若者も増えたそうです。
アイル オブ ラッセイ蒸溜所が目指すものは、ただ美味しいウイスキーをつくることだけではありません。ラッセイ島と、そこに住む人々に寄り添い、島の発展をも目指す蒸溜所です。
アイル オブ ラッセイ蒸溜所はまだまだ若いクラフト蒸溜所であるため、新しい挑戦を大切にしています。
「ナ・シア」はゲール語で「6」の意味で、看板商品のヘブリディアン シングルモルトを構成する6タイプの原酒のことです。蒸溜所では、ピーテッドとアンピーテッドのニューメイク2種を、チンカピンオークカスク、ボルドー赤ワインカスク、ライウイスキーカスクの3種に分けて、熟成しています。このような原酒のつくり分けで、シングルモルトウイスキーをつくり上げていくのはスコッチの歴史上初の試みです。
他にも、厳しい気候のラッセイ島でようやく栽培に成功した大麦を使用し、原料からボトリングまで100%ラッセイ島のウイスキーの限定発売を計画しています。今後も様々な取り組みに目が離せません!
アイル オブ ラッセイ蒸溜所のボトルは「どこにいてもラッセイ島に触れることができるボトル」だと言えます。
ボトルは、表面がゴツゴツしていて貝のデザインが施されています。これはラッセイ島で露出している岩石や、蒸溜所建設時に掘り起こされた化石をモデルにしたものです。この化石は今も蒸溜所内に展示されています。
他にもラベルやボトルカバーには島の人口が記されており、アイル オブ ラッセイ蒸溜所とともにウイスキーをつくりあげた人々の想いを表しています。
セミナーではウイスキーのテイスティングも実施!
ナ・シア 5年の全6種、ニューメイク2種、ヘブリディアン・シングルモルトの計9種を、ルーシーさんのお話を伺いながら飲み比べしました。
今回のイベントでは、普段は飲むことのできないニューメイクを特別にご提供!
ダークフルーツを感じるソフトな味わいと上品な香りが特徴で、非常に飲みやすいニューメイクです。アイル オブ ラッセイのウイスキーの特徴の一つであるダークフルーツのような味わいは、発酵の長さを、一般的な蒸溜所では2日程度のところ、最大5日間まで長くしていることが影響しています。
また「ナ・シア」シリーズは使用している樽に特徴があるため、樽の影響を体感しやすくなるニューメイクのテイスティングは、参加者の皆様から大変好評でした!
チンカピンオークは、バーボン樽によく使われるアメリカンホワイトオークと同じ地域に生息する珍しいオークの一種です。アメリカンオーク樽よりも、滑らかでリッチな味わいを出すのが特徴です。
「ナ・シア チンカピンオークカスク 5年 ピーテッド」は、「スモークベーコンが乗ったパンケーキにメープルシロップをかけて食べているような味わい」と独特な例えで表現されていました!
フランスのボルドー地方左岸のシャトー(醸造所)の樽を使用しています。この樽はタンニンが多く、ダークフルーツのフレーバーを強めることができます。
「ナ・シア ボルドーレッドワインカスク 5年」は、シナモンのような香りが特徴で、チェリーや黒ぶどうの味わいを感じさせます。
ちなみに「ナ・シア ボルドーレッドワインカスク 5年 ピーテッド」は、イベント参加者の中で人気のウイスキーの1つで、ルーシーさんも特に好きだそうです!
ライウイスキーカスクは、バーボン樽のようなバニラの風味を出しつつ、ブラックペッパーを感じさせるスパイシーな香りを生み出すことができます。また、この後ご紹介する「ヘブリディアン シングルモルト」の60%を占めるウイスキーでもあります。
「ナ・シア ライカスク 5年」は、ブラックペッパーと甘いスパイスのような味わいが特徴で、「ナ・シア ライカスク 5年 ピーテッド」は参加者から大人気のボトルでした。
アイル オブ ラッセイ蒸溜所のシグネチャーボトルである「ヘブリディアン シングルモルト」は「ナ・シア」シリーズを原酒としたウイスキーです。
ライトピートでリッチなダークフルーツの風味が特徴で、6種の「ナ・シア」の原酒がバランスよく交わり、奥深い味わいを表現しています。まさに「これぞラッセイの真骨頂」と言えるウイスキーです。
今回新発売となった「ナ・シア5年」は、アイル オブ ラッセイ蒸溜所で初めてのエイジ表記のボトルになります。これは蒸溜所の原種が高いクオリティに到達したことの表れでもあるのです。
「ナ・シア5年」のラベル上には「5 YEARS YOUNG」とあり、力強い樽のフレーバーと溌剌とした原酒のエネルギーの調和が感じられます。彼らは今後、「7 YEARS EVOLVED」、「9 YEARS MATURED」、「11 YEARS OLD」というふうに「ナ・シア」シリーズを2年毎に熟成年数を更新しながら発表していく予定で、その一連のリリースを通じてアイル オブ ラッセイ蒸溜所の進化をボトルで表現していきます。
さらに、アイル オブ ラッセイ蒸溜所は、キャンベルタウンに近いキンタイア半島先端のマクリハニッシュに新しい”Farm to Bottle”の蒸溜所の設立を計画しています。”Farm to Bottle”とは原材料の生産からボトリングまでを全て一貫して行う製造方式のことで、キャンベルタウンでは180年ぶりの”Farm to Bottle”の蒸溜所になるそうです。2026年に生産開始予定で「マクリハニッシュ シングルモルト」の発売を目指して建設を進めています!
セミナーの後には、ルーシーさんや参加者の方々同士で交流を楽しめるパーティーを開催しました!そこではアイル オブ ラッセイのお酒を使った一夜限りのオリジナルカクテルを提供!会場となったBAR FIVE Arrowsのバーテンダーの方々による力作です!
以下ではオリジナルドリンクをご紹介します!
ラッセイ島の火山をイメージして、シングルモルトのスモーキーさをスパイシーな胡椒と糸唐辛子と掛け合わせたハイボールです。
シェリーカスク熟成に特徴のあるダンカナに日本の季節の柑橘を併せました。塩味と甘味のバランスが魅力のカクテルです。
ちなみに、「ダンカナ」はアイル オブ ラッセイ蒸溜所の限定生産品で、ロンドンスピリッツコンペティションでの高評価や経済誌『Forbes』への掲載、さらにはTWSC2024で最高金賞を受賞するなど、非常に高い評価を受けています。シェリーカスクでフィニッシュをかけたことによる豊かなドライフルーツの香りと、コショウのようなスパイスの味わいが特徴です。
ジンの味をシンプルに味わっていただけるジントニックです。アイル オブ ラッセイ蒸溜所一押しのオレンジピールを使用しました。
Dear WHISKYはイベントに際して、ゲストのルーシーさんにインタビューも行いました!
Dear WHISKY:
日本には初めて来られましたか?
ルーシーさん:
初めてです!気候も居心地もよくて、10日間しかいられないのが寂しいですね。
Dear WHISKY:
ルーシーさんがアイル オブ ラッセイ蒸溜所に入られた当初の役職は何でしたか?
ルーシーさん:
営業チームに加わり、事務の仕事から始めました。入社当初はブランドを根本から理解するために、ボトリングに2週間関わりました。
アイル オブ ラッセイ蒸溜所では営業チームの新入社員でも研修を兼ねて蒸溜所に行き、製造チームと一緒に倉庫で1~2週間ボトリングをしたり、島で生活したりして、ビジネスのさまざまな要素を1から学びます。
Dear WHISKY:
そのような期間を設ける理由は何でしょうか?
ルーシーさん:
アイル オブ ラッセイ蒸溜所が製造から瓶詰めまでの全てをラッセイ島で行っているからです。より自分たちの商品を知るために、島と現地チームの文化に触れることがとても重要だと考えています。
Dear WHISKY:
ラッセイ島はどんな島ですか?
ルーシーさん:
ラッセイ島は16km × 4.8km(山手線一周分ほど)のとても小さな島で、現在人口はわずか185人です。
Dear WHISKY:
とても少ないですね。その中でアイル オブ ラッセイ蒸溜所ではどんな方々が働かれていますか?
ルーシーさん:
ありがたいことに、若い人が多いです。ラッセイ島に蒸溜所という新たな仕事とコミュニティができたことで、島にルーツを持つ多くの人が故郷に戻ってくることができました。
Dear WHISKY:
蒸溜所ができるまでラッセイ島には若い方々が少なかったのですか?
ルーシーさん:
小さな島で職が限られていたので、若者は就職のために本土の都市部に移り住んでしまったそうです。そんな中、蒸溜所設立を通して若い世代を島に呼び戻せたのはとても嬉しいですね。
ラッセイ島の人口も、蒸溜所建設同時の161人から現在185人まで増えました。加えて、我々だけでなく他にもいくつかの企業やビジネスを呼び込むことができたので、島を訪れる観光客も増えてきていると思います。
Dear WHISKY:
ラッセイ島のような小さな島に新たなコミュニティを作ることについて、どのように考えられていますか?
ルーシーさん:
コミュニティは、蒸溜所を運営していく上で最も重要なもののひとつなんです。ラッセイ島や島に住む人々は常にインスピレーションの源で、ボトルのデザインからウイスキーやジンの製造方法まで恩恵を受けています。
そして人々や既存のコミュニティが、蒸溜所を受け入れてくれていることも大切でした。
Dear WHISKY:
蒸溜所の建設に対して、現地の人々の当初の反応はどのようなものでしたか?
ルーシーさん:
反応はかなりポジティブだったそうです。アイル オブ ラッセイ蒸溜所を受け入れてくれ、ともにラッセイ島を盛り上げている島民の皆さんにはとても感謝しています。
Dear WHISKY:
地域の人々やコミュニティと強い関係を築く秘訣はなんですか?
ルーシーさん:
地元の方々との関わりを大事にして、オープンで正直であることでしょうか。ラッセイ島には一年中営業しているパブがないんです。イギリス人にとってパブというのは、人々が集まってお酒を飲みながら関わり合う大切な場所なんです。
そこで私たちは、蒸溜所に10月から4月の冬の間も営業するパブを作りました。何事も協力して行うために、地元の方々を歓迎することが特に重要だと思っています。
Dear WHISKY:
そのような島との繋がりや絆はボトルのデザインや味に、どのように表現されていますか?
ルーシーさん:
まず、島の人々への敬意を示すため、ラベルと箱の両方に島の人口が書かれています。そしてボトルの表面は実際のラッセイの岩や化石を粘土で型取りしたものを使用しています。なので、世界中どこにいても、ラッセイのボトルを持つと島の一部に触れていることになります。
美しいボトルなので、中身を飲んでしまったら水筒にしたり、キャンドルを入れたりするのにおすすめです。
Dear WHISKY:
日本市場でおすすめしたいウイスキーはどれでしょうか?
ルーシーさん:
私たちの主力商品である「ヘブリディアン シングルモルト」と「ダンカナ」はいずれも世界中でとても人気ですが、京都のウイスキーメッセではダンカナのボトルが何本もあっという間に空きました。なので、日本だとダンカナが期待大ですね。
Dear WHISKY:
ダンカナは、最近ロンドンスピリッツコンペティションで表彰されたウイスキーでもありますね。
ルーシーさん:
はい。また、フォーブス誌に世界最高のシングルモルトとして紹介されました。彼らがそう言うなら、我々がそう名乗っても問題ないですね(笑)
Dear WHISKY:
アイル オブ ラッセイ蒸溜所は今後も「ナ・シア」のような独創的なウイスキーを発売していく予定ですか?
ルーシーさん:
そのつもりです。私たちは型にハマったつくりに縛られず、ウイスキーづくりへの新鮮なアプローチを模索しています。蒸溜所創設者のアラスデアは植物学者の博士号を持っているので、今後はオーク種別の樽による熟成への影響に着目したようなリリースも視野に入れています。
いつかはミズナラ樽熟成をつくるかもしれませんよ(笑)
Dear WHISKY:
日本の方々にラッセイウイスキーをどのように楽しんでもらいたいですか?
ルーシーさん:
決まった飲み方はないので、ストレートでもハイボールでも、お好きなように楽しんでいただきたいです!また、我々のウェブサイトではあらゆるウイスキーに合うカクテルのレシピもご紹介してますのでぜひご覧ください。
Dear WHISKY:
日本ではハイボールが人気なのですが、どのラッセイウイスキーが一番ハイボールに合うと思いますか?
ルーシーさん:
「ヘブリディアン シングルモルト」はライトピーテッドで、ピートが強すぎないのでハイボールにとてもおすすめですね。心地よいスモーク感が樽から得られるフレーバーをバランスよく引き立ててくれると思います。また、ノンピーテッド・ライのシングル・カスクもいいと思います。バーボンなどを飲みなれた日本の方々の舌にとても合うと思います。
Dear WHISKY:
アイル・オブ・ラッセイの次なる目標や未来について教えてください。
ルーシーさん:
アイル・オブ・ラッセイ蒸溜所は、今後10年間で、現代のスコッチ・シングルモルト蒸溜所を牽引する存在になりたいと思っています。まだまだ長く遠い道のりですが、ウイスキー市場に新しく革新的なウイスキーづくりを提案できるようになりたいです!
以上、株式会社都光とDear WHISKYが共同開催した「アイル オブ ラッセイ蒸溜所ナ・シア5年ローンチイベント」のイベントレポートでした。
現地の方による貴重なお話とともに、新商品や蒸溜所限定のウイスキーを楽しむことができ、大盛況の会となりました!
このイベントをきっかけに皆さんが新たなウイスキーとの出会い、アイル オブ ラッセイ、ひいてはウイスキーの生産者の方々に一層の興味を持っていただけることを願っています。
また、Dear WHISKYでは今後もこのようなイベントを開催していきますので、ぜひ会員登録をし、次回のイベントの開催をお待ちいただけますと幸いです!