【イベントレポート】長濱蒸溜所チーフブレンダー、屋久さんによるセミナーに参加してきました!
- イベント(国内)
- 飲み手
2024年6月11日にTOKYO Whisky LibraryでKOVAL(コーヴァル)来日セミナーが開催されました!
KOVALは2008年にシカゴに設立された蒸溜所です。現在のクラフト蒸溜所ブームの火付け役としても名高く、ウイスキー業界に多大な影響を与えています。
今回のセミナーではKOVALの設立者であるバーネカー夫妻が、KOVALのウイスキーづくりにおけるこだわりや、日本にルーツを持つ発酵方法などを説明して下さいました!
また、今回Dear WHISKYはセミナー後のバーネカー夫妻にインタビューをすることもできましたので、ぜひ最後までご覧ください!
KOVALの種類や詳しい飲み方についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ下記記事を併せてお楽しみください!
KOVALは、1993年の禁酒法撤廃以降初めてシカゴで設立された蒸溜所で、アメリカではクラフト蒸溜所ブームの火付け役とも呼ばれています。
通常、ウイスキーは熟年年数で判断されることが多いですが、KOVALはその常識を覆し、最高級のスピリッツは最高の原料からつくられるという理念を持っています。そのため、KOVALは全て契約農家で作られた遺伝子組み換えを一切行っていない穀物を原材料として使用し、糖化・発酵に用いる酵素と酵母、樽に至るまで、全てアメリカ合衆国認定のオーガニック規格を取得しています。また、オーガニック規格を満たしているだけではなく、世界で最も難しい食品規定の1つである「コーシャ」の認定も受けています。
ブランド名 | KOVAL |
創業 | 2008年 |
設立者 | ロバート・バーネカー、ソナト・バーネカー |
所在地 | 4241 North Ravenswood Ave Chicago, IL 60613 USA |
公式HP | HPはこちらから! |
設立者のロバート・バーネカー、ソナト・バーネカー夫妻は、ユニークな経歴をお持ちです。
ロバートさんはオーストリア出身で、米国のオーストリア大使館の副報道官として活躍していました。また、ソナトさんはオックスフォード大学で修士号を、ロンドン大学にて博士号の学位を取得し、ドイツやアメリカを中心に大学で 10年以上教鞭を取っていました。
順調にキャリアを歩まれていたお二人ですが、ロバートさんの実家が蒸溜所兼ワイナリーという幼少期の影響から、異業種であるアルコール産業へと舵を切り、2008年にソナトさんの生まれ故郷であるシカゴにてKOVALを設立しました。
現在、ソナトさんは製造だけでなく、商品の品質向上からマーケット戦略、プロモーションに至る多岐に渡る分野で、今まで培ってきたご経験を活かしています。また、ロバートさんは原材料の良さを最大限に引き出すハイブリッド・スチルの考案や、蒸溜所立ち上げを志す人々へ向けたワークショップの開催、250社以上もの蒸溜所への設置・指導を行うなど、アメリカ国内外のクラフト蒸溜所の振興へと貢献しています!
KOVAL設立者のロバートさん、ソナトさん夫妻がTOKYO Whisky Libraryにて、KOVALの選び抜かれた原材料と品質管理へのこだわり、製造工程における工夫など、KOVALの魅力をお伝えくださいました!
今回はセミナー中にテイスティングもご用意いただいておりましたので、そちらも併せてご紹介いたします!
セミナー名 | KOVAL来日セミナー |
開催場所 | TOKYO Whisky Library |
主催 | 株式会社都光 |
今回イベントの開催場所であるTOKYO Whisky Libraryは、表参道からすぐの立地に佇む圧巻のウイスキーコレクションを持つバーラウンジです。
TOKYO Whisky Libraryでは、5大ウイスキーをはじめとした世界中のウイスキーに加え、希少価値の高いオールドボトルなど、1,300種類を超えるウイスキーを取り揃えています。店内の壁一面には、ウイスキーがライブラリーのごとく陳列されています。ウイスキーはボトルリストに記載されているものだけでなく、実際に棚に並んでいるボトルから注文することも可能です!
また、カクテルメニューを監修したのは、世界一のバーテンダーの称号を獲得したこともある金子道人氏です。シグニチャーのウイスキーカクテルをはじめ、こだわりのラインナップからカクテルバーとしても楽しむことができます。
店名 | TOKYO Whisky Library |
住所 | 東京都港区南青山5-5-24 南青山サンタキアラ協会2階 |
アクセス | 東京メトロ 銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」 B3より徒歩1分 |
営業時間 | LUNCH:12:00〜15:00(L.O 14:00) DINNER:17:30〜23:00(L.O 22:30) |
公式HP | HPはこちらから |
ロバートさん:
KOVALは2008年に蒸留を開始しました。
ウイスキーとは全く縁のない仕事から蒸溜所を立ち上げようとした私たちが掲げた目標は、「今までに無いような個性ある商品をつくる」というものでした。
ソナトさん:
KOVALという名前は、私たちの目標を表現すると同時に、家族への敬意が込められています。「KOVAL」は東ヨーロッパの言葉で鍛冶屋という意味です。これはロバートの曽祖父がオーストリアからアメリカへ渡ってきた時につけられたニックネームであり、この言葉を選ぶことで家族への敬意を表しています。
また他の言語で「KOVAL」は「誰もやったことのない事を成し遂げる者」という意味があります。
そのため、大学教授やオーストリア大使館の副報道官というキャリアからウイスキーづくりを始めた私たちを表すのにぴったりだと考えました。
ロバートさん:
私たちはウイスキーづくりにおいてこだわっていることが3つあります。
1つ目は原材料へのこだわりです。KOVALの蒸溜所があるアメリカ中西部は穀物を育てるのに最適な環境で、アメリカ有数の穀物生産地となっています。
そのため、私たちは半径30マイル(50km)圏内からほぼ全ての穀物を調達することができています。また、原材料は全て契約農家から仕入れています。私たちの行っていることを理解してくれる農家から高品質の穀物を仕入れることができることは、KOVALの質の高いウイスキーづくりに繋がっています。
ロバートさん:
2つ目は品質管理の徹底です。私たちは蒸溜所設立当初から目標としていた、ウイスキーづくりの全工程をシカゴで行うということを達成しています。
ロバートさん:
3つ目は、オーガニック承認を受けた原材料のみを使用してウイスキーをつくっていることです。第三者に検証してもらうことで、高い品質を保証しています。
ロバートさん:
私たちがウイスキーづくりにおいて大切にしていることは、味の良いウイスキーをつくることだけではありません。
私たちは、環境への配慮や周囲のコミュニティーへの還元も大切にしています。
この取り組みがよく表れているのが、ミレットウイスキーです。ミレット(きび)は、収穫後に土へ栄養素を戻す環境に良い植物として知られています。このことから、農家の方はミレットの栽培後も健康な状態の土を使いつづけることができるのです。
ロバートさん:
KOVALでは原材料のマッシングから熟成までの工程を全て自社で行っています。粉砕工程では、水に溶けやすいようにとても細かいフラワーの比率を多めに、粉砕しています。
ロバートさん:
マッシングの工程では、粉砕した穀物を水と合わせて80度ほどまで一度加熱します。その後この液体を60度にまで温度を下げてから、糖化を初めていきます。60度を保って糖化を行うことで非常に甘い糖化液をつくることができます。
現在、KOVALには5,000Lのマッシュタン(糖化槽)が3つあり、1日に2回マッシングを行っています。
ロバートさん:
次に、発酵工程に移っていきます。KOVALでは発酵する際に、糖化液の温度を60度から30度に下げてから、4~5日間発酵させます。この発酵方法により、糖化液の香気成分を失うことなく、柔らかい味わいの原酒ができあがります。
ロバートさん:
蒸留工程では、発酵を終え、アルコール度数10%ほどになった、もろみを蒸留していきます。KOVALはドイツ製の5000Lの蒸溜器を3器使用しています。
この蒸溜器は、前面に見えているポットスチルと、奥にあるコラムスチルの2種類が繋がっていることから、ハイブリッド・スチルと呼ばれています。この2つを組み合わせることによって、私たちがつくりたい酒質を蒸留することができます。
次に、蒸留された液体をハートカット(ミドルカット)していきます。蒸留された液体がヘッド、ハート、テールに分けられますが、その中で最も味わいが安定したハートのみを使います。これが全体の70%ほどのため、残りの30%は使用していません。
ソナトさん:
最後に蒸留によってできたアルコール度数60度ほどのニューメイクを熟成していきます。KOVALでは30ガロン(140L)の樽を熟成に使用しています。
私たちは樽の貯蔵庫内の温度管理に最新の注意を払い熟成を進めています。
その理由は、シカゴが寒暖差の激しい地域であるためです。シカゴは冬は-20度になるほど寒く、夏も気温が高い地域です。寒暖差が大きすぎると、ウイスキーの熟成に悪影響をおよぼしてしまうため、熟成庫内の温度管理を徹底しています。それに加え、自分たちでもサンプリングを行うことで、ウイスキーの味を保っています。
ソナトさん:
実はKOVALでは、日本で昔から使われていた麹を用いた発酵技術を採用しています。
その発酵技術をアメリカのウイスキー業界へ伝えたのは、1890年にシカゴへ渡った高峯譲吉という人物です。
彼の発酵方法を使うと、穀物などに含まれるデンプンへ麹が働き糖を生成するため、モルトを使わずに、安く、かつ美味しいウイスキーを作ることができます。当時多くの蒸溜所はモルトをつかってウイスキーをつくっていましたが、すぐに彼の発酵方法はシカゴの多くの蒸溜所へと広まりました。しかし、高峯のもたらした新たな発酵方法は、モルトの売買から利益を得ていたマフィアによる反発に遭い、アメリカの蒸溜所では使われなくなってしまいました。
KOVALでは、過去の歴史を大切にしたいという想いと、今までにないウイスキーをつくるために、この高峯の発酵方法を採用しています。
今回のイベントでは、5種類のウイスキーをテイスティングすることができました。5種類それぞれの特徴と味わいをご紹介します!KOVALの洗練された原材料と徹底した品質管理を彷彿とさせる洗練されたボトルデザインにも注目です。
KOVALが販売しているライウイスキーはライ麦100%だけでつくられたウイスキーです。原材料のライ麦は、アメリカ中西部で収穫された風味をしっかりと感じられる最高品質のライ麦のみを使用しています。
このライ麦を高峯譲吉の考えた手法を用いて発酵させることによって、「コーヴァル ライ」ができあがります。
きりっとしたドライな味わいと、ライ麦のスパイシーさを楽しむことができます!
品名 | コーヴァル ライ |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 750ml |
100%オーガニックのコーンとミレット(きび)を使ってつくられた原酒を、ヘビーチャーしたミネソタ産の新樽で熟成してつくられます。
コーンときびを使ったバーボンは珍しく、アメリカでもKOVALでしか販売してません。
チャードバレルの特徴であるバニラ香とかすかなキャラル香と、コーンとミレットの特徴である甘い味わいが感じられるウイスキーとなっています!
品名 | コーヴァル バーボン |
アルコール度数 | 47度 |
容量 | 750ml |
ミレット(きび)のみを使用してつくられるウイスキーです。その香りはミレットの良さがふんだんに出ており、柔らかく甘い香りがします。
パッションフルーツ、イチゴ、バナナのような南国系の甘い香りと、キビの優しい甘さが口の中に広がり、まろやかな味わいからKOVALの中でも特に飲みやすいウイスキーです。
品名 | コーヴァル ミレット |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 750ml |
名前にあるとおり、大麦麦芽、小麦、オーツ、ライ麦の4種類の穀物を使用してつくられています。
大麦とオーツ由来のバナナや、ダークチョコレートの香り、ライ麦由来のスパイシーさ、そして良質なスモーキーさを感じられるウイスキーとなっています。
品名 | コーヴァル フォーグレーン |
アルコール度数 | 47度 |
容量 | 750ml |
1897年にアメリカで制定されたウイスキー法「ボトルド・イン・ボンド」をコンセプトにつくられたライウイスキーです。「ボトルド・イン・ボンド」は1987年に廃止されましたが、質の悪い密造酒が多く出回っていた時代に、品質のコントロールと租税のために、4年以上熟成しアルコール度数50%でボトリングされた商品を認定することを定めた法です。
この伝統的な製法をオマージュした「コーヴァル ライ ボトルド・イン・ボンド」は、長期熟成による深みとリッチな味わい、ライ麦100%によるスパイシーさが特徴です。
品名 | コーヴァル ライ ボトルド・イン・ボンド |
アルコール度数 | 40度 |
容量 | 750ml |
質問者:
KOVALでは様々なウイスキーを販売していますが、国ごとに人気商品に違いはありますか?
ロバートさん:
各国により人気商品は違いますね。例えば日本だと「きび団子」から日本人にとって「きび」が身近なので、ミレットウイスキーが人気があります。
このようにマーケットの文化は商品の人気にもちろん影響しますが、インポーターのようなボトルを輸入する人がどの商品をフォーカスしていくかによっても大きな違いがうまれます。
質問者:
数ある穀物からきびを選ばれたのには、どのような理由がありますか?
ロバートさん:
小麦やライ麦、スペルト小麦など、できる限り全ての原材料で試作しましたが、熟成前の原酒の段階でも、熟成後も、きびのウイスキーはとてもユニークで、自分たちの目指すウイスキーの味わいに一番近い味わいでした。
また先ほどお話ししたように、きびは再生可能な穀物ということもあり、環境にやさしいという側面にも惹かれて、きびのウイスキーを採用しました。
質問者:
シングルバレルでボトリングしていると思いますが、樽ごとに味わいを均一にするためにどのようなこだわりがありますか?
ソナトさん:
味わいをコントロールすることはとても難しいことなので、品質管理はもちろんのこと、自分達の舌で確かめることも大事にしています。
それでも樽の個体差が強く出てしまったものに関しては、年に1回ほどブレンデッドウイスキーという形で限定販売しています。
質問者:
お二人が休日にKOVALを飲むとなったらどのように飲みますか?
ロバートさん:
日本に来るまでは、「KOVALのバーボンをオールドファッションドで飲むこと」と迷わず答えていました。しかし、先日しそジュースとKOVALのクランベリー・ジンを飲んだところ非常に相性が良く、今はそれがお気に入りです。
ソナトさん:
オールドファッションドでバーボンを飲むことはもちろん好きですが、私はその時のテーマに合わせて飲むウイスキーを変えますね。例えば、仕事の成功を祝う時によく飲むのはコーヴァル ライで、友達と楽しい時間を過ごす時には、華やかな気持ちにさせてくれるコーヴァル バーボンを選びます。
Dear WHISKYは、セミナー後のロバートさん、ソナトへ独占インタビューを行いました!お二人のこれまでやウイスキーとの出会い、日本にルーツを持つ発酵方法を採用した背景などについてお伺いした貴重なインタビューですので、ぜひ最後までお読みください!
Dear WHISKY:
まず最初にお二人ご自身についてお聞かせください!お二人はどのようにしてウイスキー業界に来られたのですか?
ロバートさん:
シカゴに引っ越して一緒に働きたかったのですが、私たちの職種がシカゴにはなかったんです。家を買ってのんびり暮らすか、蒸溜器を買ってウイスキーをつくるか迷いましたが、ウイスキーをつくることにしました。
ソナトさん:
人生にはたくさんのチャプターがあり、時折キャリアと家族のバランスに悩み、行き詰まったように感じてしまうことがあります。
そんなとき私たちは、キャリアよりも大事なことがあると思い、生きたいように生きつつ、誇りに思えるものを造りたいと思い、蒸溜所建設に踏み切りました。
Dear WHISKY:
お二人はどのように出会ったのですか?
ソナトさん:
ワシントンD.C.で私が教授をしていたときに出会いました。ドイツ文学を教えていたのですが、学生のレポートがあまりにひどく、言語の壁を感じていました。そこでドイツ語を話せる人を探すために、オーストリア大使館に電話をかけたところロバートにつながりました。それが出会いです。
Dear WHISKY:
出会った当初からお二人でウイスキーを飲まれたりしてましたか?
ソナトさん:
最初は全く飲んでいませんでした。でもウイスキーは人々を繋げる飲み物だと思っているので、お祝い事のたびには一緒に飲んでいました。おかげで仲良しなのかもしれませんね。
Dear WHISKY:
お二人の仲の良さの秘訣は何ですか?
ソナトさん:
お互いを信頼し、尊敬していることです。別々の仕事をしていますが、お互いの考えを話し合うことを大事にしています。製造については口出しできませんが(笑)
ロバートさん:
そうですね。コミュニケーションを大事にしています。二人でビジネスという旅をしているので、毎日を楽しみ「いい日」増やしていきたいです。
Dear WHISKY:
セミナーでは日本にルーツを持つ発酵方法を用いているという話が印象的でしたが、なぜ麹を使った発酵方法を使おうと思ったのですか?
ロバートさん:
昔はアメリカで主流だったこの遺産とも言える製造方法に、もともと興味があったんですよ。ディスティラーだった私のおじいさんが使っていた方法という訳でもないので、1から自分で調べる必要がありましたが、調べれば調べるほど興味深く、その独自性に惹かれました。多くの蒸溜所に浸透しない理由の一つは、つくりを変えるとその土地に馴染みある味わいが変わってしまうからだと思います。
その点我々は新しい蒸溜所なので、まだ守る味もなく、自由にこの製法に乗り出すことができました。
Dear WHISKY:
日本とはいつ頃からビジネスをされてますか?
ロバートさん:
KOVALの設立が2008年で、日本の市場に参入したのは2014年ごろですね。すごく早い段階から日本とはご縁がありました。
Dear WHISKY:
日本のウイスキー市場についてどう思いますか?
ロバートさん:
すばらしいですね、特に東京と京都のウイスキー市場の大きさには初めて来た時に驚かされました。加えてTokyo International BarShowなどのイベントの盛り上がりは目をみはるものがありますね。
ソナトさん:
バー文化の多様さにも驚かされます。小ぢんまりとしていて、静かで落ち着いた親しみやすいバーは日本独特のもので、アメリカでは見たことがありません。反対に、このTOKYO Whisky Library のように高級感があふれていてで豪華なバーもあり、様々な楽しみ方ができるのが魅力ですね。それにカクテルが洗練されていて、とても美味しいです。
Dear WHISKY:
日本ではハイボール文化が根付いていますが、ハイボールに合うおすすめのKOVALウイスキーはありますか?
ソナトさん:
先日、ちょうど私たちのウイスキーはハイボールに合うだろうねと話していたところでした。どれが一番相性がいいのかと言われるとちょっと迷いますね。
ロバートさん:
私はバーボンをおすすめします。水と合わせるとフローラルな香りが引き立つライウイスキーもハイボールとの相性が良いですが、やはり一番はバーボンでしょう。ウイスキーを何かで割って飲む際には、ベースとなるウイスキーが上質でなければ美味しくなりません。
その点、KOVALのウイスキーはすべてシンプルで上質なので、水で割るだけでも甘さが際立ちます。
Dear WHISKY:
日本の蒸溜所ブームはご存知ですか?
ソナトさん:
もちろんです!実はロバートは八王子蒸溜所と吉田電材蒸留所の蒸溜器の設置を手伝っていたんですよ。
ロバートは、これまでに3,500人以上の造り手に蒸留技術の指導を行い、さらに世界中で約200箇所の蒸溜所の設立にも関わってきました。彼は世界中でウイスキーづくりに携わっているのですよ!
Dear WHISKY:
それらの豊富な知識はどこから得たのですか?
ロバートさん:
ディスティラーだった祖父からの学びがとても大きいです。発酵については、独学で学びながら実際に蒸留を繰り返すことで様々な知識を身につけていきました。勉強の過程であらゆるものを蒸留してきました。中国の白酒をつくって陶器の壺で熟成させたこともあります。楽しみながら様々なことを学んできましたね。
Dear WHISKY:
世界でも多くの蒸溜所が新たに設立されていますが、現在の蒸溜所ブームについてどのように思われてますか?
ソナトさん:
私たちがアメリカに進出した当時、全米の蒸溜所数は30社にも及びませんでした。今では、クラフト・ムーブメントにより4,000ほどの蒸溜所がありますが、オーストリアの20,000箇所に比べると少ないですね。でも少ないながらも、より広い地域に蒸溜所が広がったのは嬉しいです。
ロバートさん:
中でもアメリカ中西部は麦の産地として有名であり、水質もきれいです。日本の方々も水にこだわりを持たれていますよね。
いい水があると言うことは、いい原料が育つことに直結しています。それがいいウイスキーをつくることにつながります。
Dear WHISKY:
KOVALのウイスキーをどのようにして飲んで欲しいですか?
ロバートさん:
私たちは最高品質のウイスキーをつくっていると自信を持っています。そのため皆さんがどのように飲んでも私たちは嬉しいです。
ソナトさん:
飲み方にかかわらず、楽しんでいただけるのであれば嬉しいです。決まった飲み方を強要したりはしたくないですね。ウイスキーは楽しむためのものなのでどのように飲んでいただいても構いません、もちろん節度をもってですが(笑)
Dear WHISKY:
ロバートさんはKOVALのバーボンを使ったオールドファッションがお気に入りと言われていましたが、何か特別なレシピがあるのですか?
ロバートさん:
特にアレンジする必要はありません。クラシックなレシピでつくるオールドファッションドで十分に美味しいですね。KOVALのバーボンは、油分が少なく飲みやすいことが特徴のため、カクテルとも相性がいいウイスキーです!!
Dear WHISKY:
では何かおすすめの飲みやすくなるレシピはありますか?
ロバートさん:
オレンジの皮を添えてあげると、驚くほど飲みやすくなります!
2024年6月11日に開催されたKOVAL来日セミナーの様子をお届けしました!
KOVALでは今までにないものを作りたいという想いから、徹底した原材料選びと品質管理にこだわり、世界各国で愛されるウイスキーをつくっています。
きびを使った「コーヴァル ミレット」や4種類の穀物を使用した「コーヴァル フォーグレーン」など、KOVALの挑戦が体現されたウイスキーは日本でも楽しむことができます!ぜひ一度味わってみてください!!
Dear WHISKYではKOVALの詳しい飲み方や楽しみ方も紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください!!