山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
アルタベーンは、スペイサイド地域で製造されるシングルモルトウイスキーです。
原酒のほとんどがアジアマーケットで売り上げを大きく伸ばしているブレンデッドウイスキーである100パイパーズのブレンデッド用の原酒に使用されています。
スペイサイドでは珍しいピートスモークのある銘柄であり、フェノール値10~20ppmのライトなスモークが味わえることが特徴です。
この記事では、アルタベーンの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
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アルタベーンは、スコットランドのスペイサイド地域にあるアルタベーン蒸溜所で製造されるシングルモルトウイスキーです。
1975年とほかの蒸溜所と比較すると設立は新しいですが、パコダ屋根が設置された伝統的な蒸溜所のデザインを踏襲しています。
ノンピートで飲みやすい味わいが多いスペイサイドモルトのなかで、珍しいライトピートのシングルモルトウイスキーです。
アルタベーンの概要と製造方法を見ていきましょう。
1975年、カナダのシーグラム社によってアルタベーン蒸溜所は設立されました。
当時としては最先端の設備を誇る蒸溜所でありながら、外側のデザインは伝統的な蒸溜所を意識しており、パゴダ屋根が特徴的となっています。
設立当初からブレンデッドウイスキーの原酒の供給がメインであり、シーバスリーガルの原酒を製造していました。
2001年には、ペルノリカール社がアルタベーン蒸溜所を買収し、2003年に一度蒸溜所が閉鎖されていますが、2年後の2005年には再開しています。
現在も420万リットルある生産能力のほとんどをブレンデッドウイスキー用の原酒の製造に利用しています。
そのなかでも、アジア圏で人気を伸ばしているブレンデッドウイスキーである100パイパーズのモルト原酒の供給がメインです。
しかし、シングルモルトはスペイサイドモルトとしては珍しいピート麦芽を使った特徴的な味わいを持っているため、一定の人気を持つ銘柄でもあります。
シーバスリーガルの種類と味わいを詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アルタベーンがスペイサイドモルトであるにも関わらずピートを使用したウイスキーを製造する理由は、100パイパーズにピートスモークのあるモルト原酒が必要とされていたからです。
ブレンデッドウイスキーの製造の都合ではあるものの、アルタベーン蒸溜所はほかのスペイサイドの伝統的な蒸溜所のウイスキーの製造方法よりも、自分たちの感覚を信じて製造したいという意思を見せており、ピートを使用することに対してもこだわりを持っています。
そのため、アルタベーンのオフィシャルボトルのシングルモルトも同様にスモークを伴う銘柄となりました。
また、ブレンデッドウイスキーの原酒を製造する効率を重視するために、現在のアルタベーン蒸溜所の生産工程はほぼすべてが自動化されています。
アルタベーンは日本ではほとんど流通していないことから、飲む場合は蒸溜所からウイスキー樽を購入したボトラーズに頼るのも選択肢のひとつです。
アルタベーン蒸溜所のウイスキー樽はそのほとんどがブレンデッド用の原酒としてブレンドされますが、シングルモルトの生産とボトラーズなどへ販売されるものも存在します。
蒸溜所はウイスキー樽を販売することで資金調達を行っていますが、ウイスキーは熟成の長さから利益を得るのに時間がかかることから、一部の樽を売却した資金調達が必要です。
また、ボトラーズだけでなく、ウイスキー業界に関わっていない人でも日本からウイスキー樽を購入できるサービスがあります。
アルタベーン蒸溜所を含めたスコットランドの蒸溜所のウイスキー樽を購入できるサービスが「カスク・インベストメント」であり、「ボトリングサービス」を通じて、ボトルデザインも自由に選択できるオリジナルウイスキーを作ることも可能です。
アルタベーン蒸溜所の詳細は以下のページにまとめています。
アルタベーン蒸留所 - Allt a Bhainne DISTILLERY
アルタベーンの種類と味わいを紹介します。
画像引用:https://scotchwhisky.com/magazine/latest-news/20624/bold-allt-a-bhainne-to-shake-up-scotch/
アルタベーン シングルモルトは、アルタベーン蒸溜所からリリースされているオフィシャルボトルのシングルモルトです。
穏やかなピートスモークがあり、スペイサイドらしいりんごのようなフルーティーな香りも感じられます。
バナナとココナッツの味わいがあり、ナッティな風味とシナモンのスパイシー感が特徴的です。
はちみつのような甘みのあるフィニッシュですが、余韻は比較的短くなっています。
イギリスや一部の国で販売されていますが、日本ではほとんど流通していないため、オフィシャルボトルの入手難易度は高いです。
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アルタベーン 12年 ダグラスレイン オールド パティキュラー 2008は、代表的なボトラーズのダグラスレインがリリースするアルタベーンの12年物のボトルです。
バニラの甘い香りとショウガのスパイシーさが感じられ、口に含んだ後から穏やかなピートスモークが鼻腔をくすぐります。
アルタベーンはオフィシャルボトルの入手難易度が高いですが、ボトラーズのリリースはいくつも行われているため、飲むのであればボトラーズに頼るのもおすすめです。
画像引用:Amazon.co.jp
アルタベーン 23年 バッチ9 ブティックウイスキーは、ブティックウイスキーカンパニーがリリースするアルタベーンの長期熟成銘柄です。
バニラとアップルパイのような香ばしい香りと、柑橘系の果実の味わいとキャラメルのような味わいが特徴的です。
ボトラーズから購入するなら、熟成年数の長いアルタベーンを購入することも可能です。
アルタベーンのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アルタベーンが持つピートスモークや、スペイサイドモルトらしいフルーティーな味わいはストレートでそのまま味わうのがおすすめです。
ボトラーズで購入する場合は、アルコール度数の高いボトルもあるため、水や炭酸水などのチェイサーを挟みながらゆっくり飲むようにしましょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件はこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
アルタベーンが持つピートスモークとハイボールによる炭酸の爽快感は相性が良いです。
炭酸水で割ることでアルタベーンはウイスキーを飲みなれていない方でも飲みやすくなります。
シングルモルトをハイボールにするのはもったいないかどうかはこちらの記事で紹介しています。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいない? その理由とは
アルタベーンは、スペイサイドでは珍しいスモークを伴う銘柄であり、日本でのオフィシャルボトルの入手難易度が非常に高いです。
ブレンデッドウイスキーのリリースがメインであり、シングルモルトとして味わう機会は少ないかもしれませんが、スペイサイドモルトとしては非常に珍しい味わいをしているため、興味があるなら飲んでみましょう。
オフィシャルボトルの入手難易度が高いことから、ボトラーズからアルタベーンのボトルを探して飲むのもおすすめです。