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- ウイスキー基礎知識
アメリカンウイスキーには、バーボンウイスキーとライウイスキーの2種類のウイスキーがあり、味わいの傾向を含めて違いがあります。
同じ銘柄でもバーボンウイスキーとライウイスキーの2種類をラインナップとして販売していることもあるため、アメリカンウイスキーを飲むならその違いを理解しておきたいところです。
現在のアメリカンウイスキーはバーボンウイスキーが主流となっているため、ライウイスキーの数自体が少ないことから、まだ飲んだことがないならライウイスキーの特徴がわかりやすい銘柄を知っておきましょう。
この記事では、バーボンウイスキーとライウイスキーの違いを解説し、それぞれのおすすめ銘柄を紹介します。
この記事のポイント
アメリカで製造されるアメリカンウイスキーには、バーボンウイスキーとライウイスキーの2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
現在ではバーボンウイスキーがアメリカンウイスキーでは主流となっていますが、かつてはライウイスキーが主流の時代もありました。
バーボンウイスキー・ライウイスキーは共通して、トウモロコシ、ライ麦、小麦などの穀物が原料に使用されています。
それぞれがアメリカンウイスキーの規定を満たすことで、バーボンウイスキー・ライウイスキーを名乗ることが可能です。
ジャックダニエルなどのテネシーウイスキーは、基本的にはバーボンウイスキーと定義は同じであり、加えてテネシー州で造られたチャコールメローイング製法を用いたウイスキーのことを指します。
アメリカンウイスキーでは、その他にもスコッチウイスキーと同様に大麦を使用したモルトウイスキーや、小麦を使用したホイートウイスキー、トウモロコシの比率が80%以上もあるコーンウイスキーなど種類が豊富です。
アメリカンウイスキーの規定を満たしたウイスキーのみが、アメリカでバーボンウイスキー、ライウイスキーを名乗ることができます。
バーボンウイスキーとライウイスキーの具体的な違いを3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
バーボンウイスキーとライウイスキーは、同様にトウモロコシ、ライ麦、小麦の3つの穀物が使用されますが、その違いは使用する原料の比率です。
バーボンウイスキーであればトウモロコシを51%以上使用する必要があり、ライウイスキーはライ麦を51%以上使用する必要があります。
バーボンはトウモロコシの比率が大きいウイスキーであり、ライウイスキーはその名のとおり、ライ麦の比率が大きいウイスキーということです。
使用する原料の比率が異なればウイスキーの味わいの傾向も変わってきます。
バーボンウイスキーは、甘く力強い味わいが特徴的であり、トウモロコシの比率が大きいことから甘く滑らかな味わいになりやすいです。
ライウイスキーは、少し苦みの伴うスパイシーな味わいが特徴的であり、ライ麦が持つスパイシーさを味わえます。
このように同じアメリカンウイスキーでも原料の比率が異なることで、ウイスキーの味わいの傾向にも大きな影響をもたらしています。
バーボンウイスキーはケンタッキーを象徴するウイスキーでもあり、基本的にはケンタッキー州で造られたウイスキーのみがそう呼ばれています。
厳密にはアメリカで製造された条件を満たしたウイスキーはバーボンウイスキーを名乗ることはできるのですが、事例は非常に少なく、多くの人がバーボンウイスキー=ケンタッキー州で造られたウイスキーと認識している状態です。
実際にバーボンウイスキーの条件を満たしているテネシー州で造られた人気のウイスキーがテネシーウイスキーと呼ばれ、種類を分けられていることから、アメリカ国内でもその認識は非常に強いと考えられます。
また、バーボンウイスキーと呼ばれるようになった理由は、アメリカ合衆国の大統領であったトーマス・ジェファーソンがケンタッキー州の郡のひとつを「バーボン郡」と名づけたことに由来します。
ケンタッキー州で造られたウイスキーのみがバーボンウイスキーを名乗れるという言い分も、規定に則れば誤りですが、語源を考えればけっして間違いではありません。
しかし、ライウイスキーは名前からもライ麦を使用したウイスキー以外の条件がないため、ケンタッキー州以外で製造されても認められることから、一般的に認められるための条件に違いがあるといえるでしょう。
バーボンウイスキーのおすすめ銘柄を3つ紹介します。
画像引用:https://www.suntory.co.jp/whisky/products/0000000071/0000003190.html
ジムビームは、バーボンウイスキーを代表する銘柄であり、世界的にもトップクラスに売れているバーボンになります。
バーボンらしいバニラと果実のような甘い味わいに、パンチのある風味と辛口に感じる刺激が特徴的です。
アメリカンウイスキーに興味を持つなら、多くの人が飲んだことがあるバーボンであると思いますが、ジムビーム ライなどのライウイスキーのラインナップも販売されているため、同じ銘柄で違う種類のウイスキーを飲む比べられます。
画像引用:https://products.suntory.co.jp/d/085246500576/
メーカーズマークもバーボンを代表する銘柄のひとつであり、ジムビームと同様にコンビニ・スーパーマーケットでも販売されている入手難易度の低いウイスキーです。
バーボンウイスキーの特徴であるトウモロコシ由来の滑らかな味わいが特徴的であり、シルクと表現されるほど飲みやすく、バーボン初心者におすすめの銘柄になります。
バーボンウイスキーを飲みにくいと感じている方は、メーカーズマークを飲むと認識が変わりやすいです。
画像引用:https://www.wildturkey.jp/our-products/
ワイルドターキー 8年は、七面鳥のラベルデザインが特徴的な非常に知名度の高いバーボンウイスキーです。
パンチのある味わいと少し薬品のような刺激のあるバーボンの力強い味わいが堪能できます。
ワイルドターキーもジムビームと同様にワイルドターキー ライが販売されており、よりスパイシーで甘みの少ない味わいが楽しめます。
ライウイスキーのおすすめ銘柄を3つ紹介します。
画像引用:https://jp.whistlepigwhiskey.com/whiskeys/10-year/
ライウイスキーの多くはバーボンウイスキーの銘柄が別のラインナップとしてライウイスキーとして出すことが多く、ほぼ100%純粋にライ麦を使用したライウイスキーはほとんどありません。
ホイッスルピッグ 10年 スモールバッチ・ライは、原料の比率がほぼ100%ライ麦である、ライウイスキーをメインに展開している銘柄です。
ライウイスキー特有のスパイス感があり、オレンジピール、キャラメル、アニスなど非常に複雑で完成度の高い味わいをしていることが特徴になります。
ライウイスキーを飲んだことがある方でも100%ライ麦で造られたウイスキーは飲んだことがない方もいると思うため、ライウイスキーでもおすすめの銘柄となっています。
画像引用:https://item.rakuten.co.jp/yunyuusyu/71422/
ブレット ライは、スタンダードボトルのブレット バーボンでライ麦の比率が30%を超えており、こちらの銘柄ではライ麦の比率は95%を超える非常に比率の高いライウイスキーです。
さくらんぼやレモンなどのフルーティーさがありながら、タバコやライ麦特有のスパイシー感があるクセのある味わいが特徴になります。
ライ麦の比率が大きいバーボンウイスキーとライウイスキーの飲み比べができるライウイスキー好きには嬉しい銘柄です。
画像引用:https://ihq.fujitrading.co.jp/brand/liquor/
エズラブルックス ストレート ライウイスキーは、バーボンウイスキーはコーンウイスキーの条件を満たさない78%の比率、こちらのライウイスキーは95%の比率でライ麦を使用した銘柄です。
そのため、スタンダードボトルと比較すると味わいが大きく異なりますが、スパイシーで苦みがありながら、エズラブルックスの魅力である飲みやすさが失われていません。
それぞれのウイスキーにおける原料の違いを知るために同じ銘柄で飲み比べるなら、両極端にブレンドしているエズラブルックスを飲んでみましょう。
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バーボンウイスキーとライウイスキーの違いを紹介しましたが、原料の比率が異なることから味わいの方向性も異なるため、アメリカンウイスキー好きなら両方試したいところです。
バーボンウイスキーとは異なる甘く滑らかな味わいから、スパイシーでクセのある味わいがライウイスキーにはあるため、バーボンよりもライのほうが好きという方もたくさんいます。
アメリカンウイスキーを飲んだことがない方であれば代表的なバーボンウイスキーから、ライウイスキーを飲んだことがない方は普段飲んでいるバーボンの銘柄から出ているライウイスキーを飲むか、ライ麦の比率が大きいライウイスキーを飲んでみましょう。