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アーリータイムズの種類と味わい、おすすめの飲み方

2022.10.30 / 最終更新日:2022.10.30

アーリータイムズは、開拓時代という意味を持つ歴史あるアメリカンウイスキーです。

リンカーン大統領が就任した年に誕生し、南北戦争が勃発する前年の波乱に満ちた時代に誕生し、禁酒法の時代にアメリカのウイスキー業界を一時的に独占するほどシェアを伸ばした銘柄になります。

甘い香りにパンチの効いた後味は正統派のバーボンウイスキーといえますが、実はアメリカ本土ではバーボンウイスキーとして販売されていません。

この記事では、アーリータイムズの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。

この記事のポイント

  • アーリータイムズの種類と味わいについてご紹介
  • アーリータイムズのおすすめの飲み方を解説

アーリータイムズとは

画像引用:https://www.whisky.com/

アーリータイムズは、ケンタッキー州ルイビルまたはバーズタウンで製造されるアメリカンウイスキーです。

その味わいの特徴は多くのバーボンウイスキーと一致しますが、アメリカ本土ではバーボンウイスキーの基準を満たしていないことからケンタッキーストレートウイスキーとして販売されています。

しかし、日本への輸出用に作られるアーリータイムズはバーボンウイスキーの定義を満たすため、日本においてアーリータイムズはバーボンウイスキーとして販売されているのです

販売される国によってウイスキーの分類が異なるアーリータイムズの蒸留所と製法について詳しく見ていきましょう

波乱の時代に生まれたアーリータイムズ蒸留所

アーリータイムズ蒸留所が誕生した1860年は、アメリカにおける西部開拓時代の最中であり、その名の通り開拓時代に建てられた蒸留所でした。

西部開拓時代といえば、カウボーイがサルーン(酒場)でバーボンウイスキーを飲んでいるシーンを連想するのではないかと思いますが、1860年はまさにその時代です。

この年はリンカーン大統領が就任した年でもあり、翌年には南北戦争が勃発しているので波乱の時代に生まれたことが分かるでしょう。

そして、1920年以前に誕生した蒸留所が現在まで生き残るには避けて通れないのが禁酒法の施行です。

しかし、アーリータイムズ蒸留所は禁酒法というウイスキー製造における危機を覆し、ウイスキー市場を独占するほどの成果を収めることとなります

製造するウイスキーを医師が処方する薬用ウイスキーとして認可されたことで、政府の免罪符を受けたことでアーリータイムズは業界を独占し、巨額の資本を得ます。

アーリータイムズの天下はそれから30年以上も続き、現在でも知名度の高いアメリカンウイスキーとして世界中で広く販売されているのです。

現在は、名称をダウンタウン蒸留所に変更した上で、ブランフォーマン社が所有するウイスキーブランドとなりました。

日本ではアサヒビールが販売していましたが、現在は明治屋が販売元となっています。

バーボンウイスキーでない理由は製法にある

アーリータイムズは、原料の割合に関する条件も満たしており、ケンタッキー州の良質な仕込み水であるライムストーンウォーターを使用していることから、ほとんどの製法がバーボンウイスキーと一致します。

問題はウイスキー熟成させる樽にあり、バーボンウイスキーは「内側を焦がした新樽に入れて熟成させる」という条件があり、中古の樽で熟成させた原酒が20%を超えるとバーボンウイスキーとして販売できません。

アーリータイムズは、中古の樽で熟成させた原酒が20%を超えているため、アメリカ本土で販売される商品はケンタッキーストレートウイスキーとして販売しなくてはならないのです。

基準をあえて満たさない理由はアメリカ本土における飲み手の嗜好を分析した結果、使用する原酒の配分の最適解を求めるには、バーボンウイスキーの定義から外れるしかなかったといわれています。

厳格なルールに基づけば、アーリータイムズはバーボンウイスキーを名乗れなくなりましたが、元々の知名度が高いことからバーボンウイスキーとして販売するメリットよりも、飲み手の立場に立ってより洗練された味わいを求めるほうが基準を満たすよりも重要であると判断したと考えられます

ただし、輸出用のアーリータイムズは中古の樽で熟成させた原酒が20%を下回るので、日本で販売されている商品の種別はバーボンウイスキーです。

アーリータイムズの種類と味わい

アーリータイムズの種類と味わいを紹介していきます。

  • アーリータイムズ イエローラベル
  • アーリータイムズ ブラウンラベル
  • アーリータイムズ ホワイトラベル
  • アーリータイムズ  354
  • アーリータイムズ ボトルドインボンド

それぞれ詳しく見ていきましょう

アーリータイムズ イエローラベル

画像引用:Amazon.co.jp

アーリータイムズ イエローラベルは、アーリータイムズのスタンダードボトルとなる立ち位置です。

カラメルとバニラの香りにバナナの風味も感じられ、ビターチョコレートの味わいと少しスパイシーでキレのある後味が特徴になります。

一般的に販売されていた頃はコストパフォーマンスが高いといわれており、洗練された完成度を持ちます

アーリータイムズ ブラウンラベル

画像引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/bigbossshibazaki/81128007867.html

ブラウンラベルは、日本向けに作られた日本限定のアーリータイムズになります。

フルーティーな風味が強くなり、まろやかでコクのある味わいに仕上がっているのが特徴です。

日本人の口にも合いやすいので、ストレートも飲みやすいアメリカンウイスキーとなっています

アーリータイムズ ホワイト

画像引用:https://gourmet.watch.impress.co.jp/docs/news/1440080.html

アーリータイムズのホワイトラベルは、2020年にアーリータイムズのブランドを移行した関係で、新しい蒸留所のバートン1792蒸溜所で製造された原酒を使用して新たに誕生した銘柄です。

キャラメルの香りにはちみつのフレーバーがあることから、丸みのある口当たりなめらかで飲みやすい銘柄になります。

バーボンウイスキーというよりは飲みやすいブレンデッドウイスキーという印象が強いので、バーボンのような味わいを求めて飲むと求めていた味わいとは違うように感じるかもしれません

アーリータイムズ 354

画像引用:https://drizly.com/liquor/whiskey/bourbon/early-times-354-bourbon/p10313

アーリータイムズ 354は、蒸留所の連邦許可番号に由来する名を冠した銘柄です。

バナナの香りのなかにレモンのフレッシュで酸味のある風味が感じられ、フルーツケーキのような味わいが楽しめるため、華やかな印象を感じさせます。

甘い味わいのウイスキーが好きな人におすすめであり、アーリータイムズのなかでもフルーティーという表現が一番合います

アーリータイムズ ボトルドインボンド

画像引用:https://drizly.com/liquor/whiskey/bourbon/early-times-bottled-in-bond-bourbon/p85248

アーリータイムズのボトルドインボンドは、1860年に設立されたアーリータイムズ蒸留所で製造されたウイスキーの表現を再現したものです。

柑橘系の果物とハチミツの香りにキャラメルコーンのような甘い味わいとシナモンのスパイスが特徴になります。

バーボンウイスキーの原点となる味わいを楽しみたい方は、こちらの銘柄を探して飲んでみましょう

アーリータイムズのおすすめの飲み方

最後に、アーリータイムズのおすすめの飲み方を紹介します。

  • ロック
  • ハイボール

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ロック

アーリータイムズの香りと味わいをゆっくり味わうならロックがおすすめです。

アーリータイムズが持つバナナのようなフルーティーな風味が際立ち、深いコクと味わいを楽しむことができます

ロックは、アメリカでストレートに代わって広く飲まれるようになった飲み方です。

西部の開拓時代ではカウボーイ達がウイスキーのロックを飲んでいたこともあり、開拓時代の名を持つこちらのウイスキーにロックが合うのは必然といえるかもしれません。

ロックの作り方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーのロックのおすすめの飲み方は? おいしく飲むための作り方もご紹介

ハイボール

アーリータイムズは、主なバーボンウイスキーと同様にハイボールで飲むのも推奨されます。

炭酸で割ることで爽快感が生まれ、甘さや味のキレが際立つのでおすすめです

ウイスキー初心者の方も飲みやすいので、ストレートやロックを試した後にハイボールも試してみることをおすすめします。

まとめ

アーリータイムズは、国や銘柄によってはバーボンウイスキーに分類されないこともありますが、バーボンらしい味わいの特徴を持った銘柄です。

現在は、販売元がアサヒビールから明治屋になったことや、さまざまな事情からスタンダードボトルであるイエローラベルも日本国内で購入するのが難しくなっています。

しかし、味わいの完成度は高いのでバーボン好きの方でまだ飲んでいない方は一度飲んでみることをおすすめします。

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