山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ハイランドクイーンは、スコットランドで作られているブレンデッドウイスキーであり、スコッチを代表するブレンデッドの銘柄の1つでもあります。
銘柄名は、エリザベス1世によって投獄され、処刑されたスコットランドの悲劇の女王といわれるメアリー・スチュアートのことを指します。
ブレンデッドであるため値段の低さから購入しやすく、コストパフォーマンスの高いウイスキーとして知られており、ストレートでも飲みやすいほどクオリティが高いです。
この記事では、ハイランドクイーンの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
画像引用:https://www.highlandqueen.com/
ハイランドクイーンは、ピカール社から販売されているスコットランドのブレンデッドウイスキーです。
元々はマクドナルド&ミュア社が販売したメアリー・スチュアートを由来にしたウイスキーでしたが、ピカール社が権利を買い取ったことにより、構成する原酒が大きく変化し、時代によって味わいが異なる銘柄となっています。
年代によって味わいは異なりますが、ピカール社の現行品に関しては、バニラやカカオの甘い香りに、とろみのある香ばしい風味が特徴です。
ハイランドクイーンの歴史と製造方法について見ていきましょう。
マクドナルド&ミュア社は、1893年に創業したロデリック・マクドナルドとアレクサンダー・ミュアによって設立された企業です。
ハイランドクイーンは創業とともにリリースされたウイスキーであり、マクドナルド&ミュア社の発展を支えた銘柄になります。
銘柄の名前の由来は、スコットランドの悲劇の女王と呼ばれるメアリー・スチュアートであり、女王の座をはく奪され、エリザベス1世によって投獄された後に、処刑された女王です。
リースの街にあるマクドナルド&ミュア社は、メアリー女王がフランスから帰国した際に立ち寄った場所であるという記録が残っており、帰国した年である1561年と白馬に跨るメアリー女王がラベルに描かれるようになりました。
マクドナルド&ミュアは、グレンモーレンジィ蒸溜所とグレンマレイ蒸溜所を買収しており、1920年代以降はこちらの蒸留所で作られた原酒をメインにハイランドクイーンの構成原酒として採用されるようになります。
長い間、ハイランドクイーンはマクドナルド&ミュアによって、製造・ブレンド・販売が行われてきましたが、2008年にメゾン・ミッシェル・ピカール社がハイランドクイーンの権利を買収しました。
ピカール社によって買収された影響で、構成原酒が同社が所有するタリバーディン蒸留所がキーモルトになったと考えられており、味わいが変化しています。
現行で販売されているハイランドクイーンは、グレンモーレンジィとグレンマレイではなく、ピカール社によって販売されている新しいタリバーディンをメインとしたブレンデッドウイスキーとなったのです。
タリバーディンについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ハイランドクイーンは、お店によっては1,000円程度で購入できることも多いですが、この値段で購入できるウイスキーとしてはクオリティが釣り合っていないように感じられることもあるほど、完成度の高いウイスキーです。
クオリティが高いハイランドクイーンをなぜ安く販売できるのか、疑問に思う方もいることでしょう。
まず、ブレンデッドウイスキーは、シングルモルトと比較してさまざまなモルト原酒とグレーン原酒をブレンドして作るため、安価で大量に生産しやすい仕組みです。
安くて品質の悪いブレンデッドウイスキーもありますが、ブレンデッドウイスキーの魅力は、クセの強いモルト原酒と飲みやすいグレーン原酒をブレンドして、より良い味わいのウイスキーを作り出せることにあります。
ハイランドクイーンが値段と比較してコストパフォーマンスが高いと感じられるのは、公開されていませんがブレンドレシピが優れており、ブレンダーの腕が非常に良いからであると考えられます。
さらに、現在のハイランドクイーンのキーモルトであるタリバーディン蒸留所はピカール社が所有しているため、傘下にないほかの蒸留所から原酒を購入するよりもコストが浮きやすく、顧客に安く提供しやすいという事情も推測可能です。
ブレンデッドウイスキーであり、タリバーディンをはじめとする上質な構成原酒を安価で入手できる手段があることが、安さの理由として考えられます。
ハイランドクイーンの種類と味わいについて紹介します。
画像引用:https://www.highlandqueen.com/blended-scotch-whisky.html
ハイランドクイーンのスタンダードボトルであり、非常に安価で購入できるため、コストパフォーマンスの高い普段飲みのウイスキーとしても最適な銘柄です。
バニラやカカオの香りに、とろみのある液質でハチミツの甘い味わいが感じられますが、少しプラスチックのような人工的な香りもあります。
規模の大きい酒店であれば日本でも販売されている可能性が高いので、お近くに心当たりのある場所があれば探してみるのもおすすめです。
画像引用:https://www.highlandqueen.com/sherry-cask-finish.html
ハイランドクイーンをシェリー樽で後熟させたカスクフィニッシュのボトルも存在します。
ハイランドクイーンは価格と比較したときのクオリティが高いですが、人によっては引っ掛かる風味もあるため、シェリーカスクで熟成させることによって、より円熟した味わいに仕上がり、甘さとスパイシーさ同居する複雑な風味となっています。
価格は少し上がりますが、普段飲みのウイスキーにすることも難しくはない価格であるため、予算に余裕がある方はこちらも積極的に試していきましょう。
画像引用:https://www.highlandqueen.com/blended-8yo-scotch-whisky.html
熟成年数が表記されたハイランドクイーンであり、熟成年数の短い8年物になります。
ダークチョコレートとバタースコッチのような甘い香味にナッツやドライフルーツの味わいが特徴的です。
まさに現行品のスタンダードボトルのワンランク上となっているので、気になる方は8年物のボトルをオンラインショッピングなどで探してみましょう。
画像引用:https://www.highlandqueen.com/blended-12yo-scotch-whisky.html
8年ものよりも熟成年数の長い12年の熟成期間を持つ、一般的なスコッチにおけるシングルモルトの熟成年数と同等のハイランドクイーンです。
リッチで丸みのある香りですが、ブラックペッパーのスパイシーさがあり、ヘーゼルナッツと砂糖のフレーバーのあるナッティで甘い口あたりが良いウイスキーとなっています。
いつもよりも高級なハイランドクイーンを飲みたいときにおすすめの銘柄です。
画像引用:https://www.highlandqueen.com/majesty-classic-scotch-whisky.html
ハイランドクイーンのマジェスティシリーズは、蒸留所を明かさない形でハイランドウイスキーのシングルモルトを販売しています。
フルーティーでフローラルな香りに、すっきりとして華やかな風味です。
フルーティーでフローラルな風味は、シングルモルトとして販売されているタリバーディンの特徴に一致するため、ピカール社が所有するタリバーディン蒸留所の原酒ではないかと推測されます。
画像引用:https://www.highlandqueen.com/majesty-classic-12yo-scotch-whisky.html
マジェスティシリーズの12年物であり、こちらの原酒も蒸留所は明かされていませんが、タリバーディンであることが推測されています。
タリバーディンらしいフローラルな香りが前面に出ており、柔らかく優しい甘い味わいが特徴的です。
12年という熟成期間は、ブレンデッドの12年物と被るため、飲み比べしてみるのも楽しみ方のひとつといえるでしょう。
画像引用:https://www.highlandqueen.com/majesty-classic-14yo-scotch-whisky.html
マジェスティの熟成年数14年の原酒を使用したシングルモルトであり、こちらの銘柄もタリバーディンの中期熟成における特徴が出ています。
シェリーカスク由来の熟した果実の甘い香りに、サルタナやシナモン、コショウによるスパイシーさが感じられます。
ハイランドクイーンのなかでも価格を気にせず品質の高い銘柄を選びたい方は、こちらの銘柄を探してみましょう。
ハイランドクイーンのおすすめの飲み方を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ハイランドクイーンは、スタンダードボトルの場合は、少し人工的な風味が気になるかもしれませんが、価格が安いながらストレートで飲みやすいウイスキーです。
ストレートで飲みやすいウイスキーはシングルモルトなど価格が高い傾向にありますが、安価なウイスキーでストレートに挑戦してみたい方におすすめになります。
マジェスティや、熟成年数を持つハイランドクイーンを飲む場合は、まずストレートで試してみると良いでしょう。
ストレートで美味しいウイスキーの条件はこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
ハイランドクイーンは、加水との相性も良いので、スタンダードボトルの場合は、ハイボールで普段飲みのウイスキーとしても最適です。
ハイランドクイーンが持つフルーティーな味わいをより堪能することができます。
価格も安いので、高級ウイスキーをハイボールで飲むのはもったいないと考えている方も飲みやすいといえるでしょう。
シングルモルトなどの高級な銘柄をハイボールにするのはもったいないかどうかはこちらの記事で紹介しています。
シングルモルトをハイボールで飲むのはもったいない? その理由とは
ハイランドクイーンは、クオリティとコストのバランスがよく、普段飲みのウイスキーにもしやすいおすすめの銘柄となっています。
スタンダードのブレンデッドと、シングルモルトのマジェスティがありますが、普段飲みのコスパの良いウイスキーを探すならブレンデッド、質を求めるならマジェスティのシングルモルトがおすすめです。
1つの銘柄で多くの需要の答えられる本場スコットランドでは、デュワーズや、ホワイトホースと並ぶスコッチの代表的な銘柄となっているので、まだ試していない方は飲んでみましょう。