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ハイランドウイスキーのおすすめ銘柄8選と地域ごとの特徴について

2021.10.24 / 最終更新日:2024.11.11

スコットランド北部にあるハイランド地方はウイスキーの製造地域としては最も範囲が広く、さまざまな銘柄が生産されています。

そのため、同じハイランドウイスキーでも東西南北の地域ごとに特徴が異なります。

また、ウイスキーの銘柄に「グレン」と付く銘柄が多いことに疑問を持った方も多いかもしれませんが、ハイランド特有の自然環境が理由です。

この記事ではハイランドウイスキーの特徴とおすすめの銘柄を8つ紹介します。

この記事のポイント

  • ハイランドウイスキーの特徴を地域ごとに解説
  • おすすめのハイランドウイスキーの銘柄を8つ紹介

ハイランドウイスキーとは?

ハイランドウイスキーはスコットランドの北部にあるハイランド地方で製造されるウイスキーです。

スコットランドではウイスキーの製造地域を大きく分けて6つに分類しており、ハイランドはその中でも最も広大で範囲が広い地域になります

スコッチでも知名度の高い製造地域であるスペイサイドは正確にはハイランド地方の一部ではありますが、ハイランド地方の中でもスペイサイドにほとんどの蒸留所が集中しているのです。

このことからハイランド地方では、スペイサイドとスペイサイド以外の地域で製造されるウイスキーで分類分けされています。

スペイサイドを除くハイランドの地域で製造されるウイスキーがハイランドウイスキーに分類される仕組みです

そのため、地域の線引きがあいまいになりやすいので、正確にはハイランドに分類されるにも関わらずスペイサイドを名乗るウイスキーも存在します。

スペイサイドの次にウイスキー生産量が多い地域であるハイランドでは、知る人ぞ知る魅力的な銘柄が数多く存在しています

ハイランドウイスキーの特徴

それではハイランドウイスキーの特徴を解説します。

  • 東西南北でウイスキーの特徴が異なる
  • グレンを冠する銘柄が多い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

東西南北でウイスキーの特徴が異なる

ハイランド地方の中でも東西南北で地域を4つに分類することが可能であり、それぞれの地域ごとに特徴があります。

地域 特徴
北ハイランド バランスのいい銘柄が多いが、ピート香が強い銘柄も
東ハイランド スペイサイドモルトに近いフルーティーなウイスキー
南ハイランド 口当たりが軽く飲みやすい
西ハイランド 山間部と港町の2か所に蒸留所がある

ハイランド地方は広大であるため、全体に共通した特徴はほとんどありません。

東西南北で分けた4つの地域ごとに共通点が存在するので、それぞれの地域について簡単に解説します。

北ハイランド

北ハイランドはハイランドの首都であるインヴァネスのある地域であり、グレンモーレンジィなどの有名な蒸留所もこちらに存在します。

香りと味わいのバランスがよく完成度の高いウイスキーが多く存在していますが、海に面していることから海岸線に設立された蒸留所ではスモーキーな香りが強く、潮の香りを感じられるウイスキーを生産しているのも特徴です。

ハイランド地方のウイスキーを初めて飲むならバランスがよく初心者向きの北ハイランドウイスキーが大きな候補となるでしょう

東ハイランド

東ハイランドはスペイサイドとの距離が最も近く、境界線にある蒸留所は実際にはハイランドでもスペイサイドに分類されることもあります。

スぺイサイドウイスキーの特徴であるフルーティーな香りと風味は東ハイランドのウイスキーにも当てはまる特徴であるため、地域差が少ない地域であるからです。

スペイサイドウイスキーをよく飲む人であれば、東ハイランドウイスキーの多くの銘柄は飲みやすいといえます

南ハイランド

南ハイランドはローランドの地方に接している地域であるため、こちらもローランド地方で製造されるウイスキーに近い特徴を持っています。

よって、ローランドウイスキー特有の口当たりが軽めで飲みやすいウイスキーが多く見られます。

ローランド以外でクセが弱く飲みやすいウイスキーを探すなら南ハイランドはおすすめです

西ハイランド

西ハイランド地域には蒸留所がほとんどありません。

ベン・ネヴィス山がそびえる山間部と港町にある2つの蒸留所があり、それぞれウイスキーの特徴が異なります。

後ほど西ハイランドの2つの蒸留所で製造されるウイスキーについては詳しく解説しますが、こちらの地域ではウイスキーの製造はあまり盛んではありません

グレンを冠する銘柄が多い

ウイスキーの銘柄を調べていると、多くの銘柄にグレンと付いていることに気づいた人も多いのではないでしょうか。

グレンはスコッチウイスキー全体に多く見られる名前であり、代表的なウイスキーには「ザ・グレンリベット」「グレンフィディック」があります。

ハイランドウイスキーにも「グレンモーレンジィ」「グレンドロナック」「グレン・ギリ―」をはじめとする数多くの銘柄が存在します。

そもそも「グレン」とはゲール語で峡谷を表しており、製造された地域にまつわるものを銘柄名に反映させる蒸留所も多かったのです。

ハイランド地域には多くの峡谷や谷があるため、谷に設立した蒸留所は銘柄名を付ける際に地域の特徴を踏まえて「グレン+〇〇」といった形で銘柄名を決めました。

このような経緯から、谷や峡谷の多いハイランド地方においてグレンを冠する銘柄が増えたのです

ハイランドウイスキーのおすすめ銘柄

それではハイランドウイスキーのおすすめ銘柄を各地域ごとに2つ厳選し、紹介していきます。

地域 銘柄
北ハイランド グレンモーレンジィ
トマーティン
東ハイランド グレンドロナック
グレン・ギリ―
南ハイランド タリバーディン
ディーンストン
西ハイランド ベンネヴィス
オーバン

それぞれ詳しく見ていきましょう。

グレンモーレンジィ


グレンモーレンジィはハイランドウイスキーの中でも人気が高く、「完璧すぎるウイスキー」と呼ばれるほど完成度の高い銘柄です。

グレンモーレンジィはゲール語に訳すと「大いなる静寂の谷」であり、まさに北ハイランドの壮大な自然環境を表した名前といえます。

フローラルな香りに口にふくむとはちみつやバニラの甘みが広がり、白桃のような後味を感じることができます。

その飲みやすさから女性人気も高く、ハイランドウイスキーを象徴する銘柄です

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グレンモーレンジィは稀有なウイスキー!種類や味おすすめの飲み方は?

トマーティン

トマーティンは日本企業の宝酒造が初めてオーナーになったことで有名な蒸留所であり、2004年からシングルモルトウイスキーを販売するようになりました。

トマーティンはゲール語で「ネズの木の茂げる丘」という意味を持ち、蒸留所がある村の名前に由来します。

リンゴやシナモンの香りの加えて、スコッチ特有のピート香も感じられ、シトラスとブラックチョコの複雑な味わいを堪能できるウイスキーです。

北ハイランドの特徴であるバランスがよく完成度の高い味わいを堪能できることでしょう

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グレンドロナック

グレンドロナックはハイランドとスペイサイドの境界線上に蒸留所が位置しますが、基本的に東ハイランドに分類されるウイスキーです。

グレンドロナックはゲール語で「黒いちごの谷」であり、なぜ黒イチゴなのかは不明ですが、ウイスキーの味わいがシェリー樽熟成で甘いことを考えれば似合っている名前といえるでしょう。

オロロソとPX(ペドロ・ヒメネス)の2種類のシェリー樽を組み合わせることで甘みと苦みを両立した味わいを作り出しており、ハチミツの甘みとビターチョコレートのコクや苦みを味わうことができます。

ウイスキー初心者でも味が分かりやすいので、ハイランドウイスキーの入門酒の一つになります

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グレン・ギリ―

グレン・ギリ―は「Glen Garioch」と表記されており、発音が難しい蒸留所です。

ゲール語で「谷間の荒れた土地」という意味を持つこの蒸留所も周りの自然環境を表した名前が付けられています。

グレープフルーツのような柑橘系の香りに、リンゴとはちみつのような甘みのある味わいを感じられます。

200年にわたって続けてきた蒸留所であり、古典的なハイランドウイスキーの味わいを守っていることから評価が高い銘柄です

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【蒸留所情報】グレン・ギリー蒸留所 - Glen Garioch DISTILLERY

タリバーディン

タリバーディンはハイランドを代表するブレンデッドウイスキーである「ハイランドクイーン」のキーモルトとして使用されている銘柄です。

名前の由来はゲール語で「丘の上の荒地」という意味になります。

フランスのピカール社が買収したこともあり、ワイン樽で熟成させたウイスキーが多く、ワインのようなすっきりした味わいのシングルモルトと呼ばれます。

飲みやすいウイスキーを探している方や、ワイン好きでウイスキーにも興味がある方におすすめの銘柄です

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【蒸留所情報】タリバーディン蒸留所 - Tullibardine DISTILLERY

ディーンストン

ディーンストンは紡績工場を改造した蒸留所で製造されている珍しいウイスキーです。

大麦の質にこだわっており、化学肥料や農薬を無使用で栽培した有機栽培大麦のみを使用しています。

ほんのりと心地よいバニラの香りに、スパイシーな麦の味が広がるシンプルな味わいのウイスキーです。

まったくクセがなく飲みやすいウイスキーであるため、ウイスキー初心者にもおすすめしやすい銘柄になります

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【蒸留所情報】ディーンストン蒸留所 - Deanston DISTILLERY

ベンネヴィス

ベンネヴィスはスコットランドの最高峰である山の名前から来ており、西ハイランドの山間部に存在する蒸留所です。

ベンはゲール語で「山」、ネヴィスは英語で「水」を示しており、山頂近くから流れるオルト・ナ・ヴーリン川がベンネヴィスの仕込み水になります。

マスカットや洋ナシのフルーティーな香りにウエハースの香ばしさがあり、シロップのような人工的な甘みと果実の甘みが絡み合う飲みやすいウイスキーです。

西ハイランドの数少ない蒸留所で万人受けするウイスキーを選ぶならベンネヴィスがよいでしょう

【蒸留所情報】ベン ネヴィス蒸留所 - Ben Nevis DISTILLERY

オーバン

オーバンは西ハイランドの港町「オーバン」にある蒸留所であり、海に面した地域で製造されています。

ゲール語で「小さな湾」という意味であるオーバンは、町の名前がそのまま蒸留所や銘柄の名称となりました。

スモーキーな香りが強く、その中でオレンジピールの柑橘系の香りを感じられ、クリームやハチミツの甘みから磯のような塩辛さがする後味です。

同じ西ハイランドのベンネヴィスとはまったく傾向が違うウイスキーであるため、こちらの地域に関しては蒸留所も非常に少ないのでそれぞれ個性的な特徴がある地域といえるでしょう

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まとめ

ハイランドウイスキーの特徴とおすすめの銘柄について解説しました。

ハイランドはスペイサイドのようにフルーティーで甘い香りと風味、アイラのようにスモーキーで個性的といった共通した特徴はありませんが、地域ごとにさまざまなウイスキーを楽しむことができます。

それぞれの地域やウイスキーの特徴を理解して、ハイランド地域から自分に合ったウイスキーを探していきましょう。

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