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ピート香が強いアイラ系ウイスキーとは? おすすめ銘柄5選

2021.10.23 / 最終更新日:2021.10.23

アイラ系ウイスキーとはスコットランドのアイラ島で製造されるアイラウイスキーの特徴を持つウイスキーになります。

アイラウイスキーの最大の特徴はピート香と呼ばれるスモーキーな香りであり、ウイスキー愛好家の間ではこのスモーキーな香りの良さが分かるようになってからウイスキー通を名乗れるという意見も。

しかし、アイラウイスキーには多くの種類があり、どの銘柄がおすすめなのか分からない方や、お試しで飲んでみるにはアイラウイスキーは高いので、同じ特徴を持つ安いウイスキーから飲みたいと考える方もいるでしょう。

この記事ではアイラ系ウイスキーと呼ばれるウイスキーについて解説し、アイラ系ウイスキーの中でもおすすめの銘柄を5つ紹介します。

この記事のポイント

  • アイラ系ウイスキーと呼ばれるウイスキーの特徴
  • アイラウイスキーでおすすめの銘柄を5つ紹介

アイラ系ウイスキーとは

スコットランドのウイスキーはアイラ島をはじめとする6つの地域に分類され、それぞれ特徴を持っています。

その中でもアイラは強烈な個性を持つことで知られており、この地域で製造される特徴を持ったウイスキーのことをアイラ系ウイスキーと呼ぶことがあります。

アイラ島で製造されたウイスキーの最大の特徴は力強いスモーキーな香りであり、海に近い場所で製造されていることから潮気があることも特徴です。

ピート香を重視してウイスキーを製造している地域であることから、力強いスモーキーな香りはアイラ特有の特徴として認知されています

そのため、アイラ島で製造された本場のウイスキーも含めて、アイラの特徴を持ったウイスキーがアイラ系ウイスキーと呼ばれることが多いのです。

スモーキーな香りは通向けの香りとして世界中の愛好家から親しまれており、最初は抵抗があるかもしれませんが、慣れるほどハマるといわれています

ピート香はもともとスコッチウイスキー全体の特徴である

ピート香自体はスコッチウイスキー特有の特徴であり、他の国で製造された銘柄では基本的に味わえない香りです。

スコッチだけがスモーキーな香りを持つ理由は、ウイスキーの製造に使われる燃料のピート(泥炭)が原因であり、ピートを燃料に使用するのはスコットランド固有の環境や地形の影響が大きかったからです

しかし、スコッチの中で最も人気であるスペイサイドのウイスキーはピート香がないものが多く、果実の甘い香りと風味が個性であるため、現在では全体の特徴とはいえなくなってきています。

昔のスコッチウイスキーはほぼすべての銘柄にピート香がありましたが、この香りが万人受けしないと考えてピートを燃料に使用するスコッチが減ったことが原因です

この背景を考えればアイラ島のウイスキーはスコットランドの伝統的な香りを守り続けているウイスキーであるといえるでしょう。

ウイスキーにピート香が付与される理由について

ウイスキーは大麦を発芽させてモルト(麦芽)の状態にする必要がありますが、発芽させたモルトの成長を止めるために乾燥という工程を挟みます。

ウイスキーを乾燥させるための施設をキルン(乾燥塔)と呼び、最下部にある炉に燃料となるピートを焚くことで乾燥をおこないます。

ウイスキーにスモーキーな香りが付与される理由はキルンによる乾燥によって、ピート特有の香りが熟成させたウイスキーにも大きな影響を及ぼすのです。

また、ピート香の強さを測る基準としては、乾燥の過程で計測されたフェノール値(ppm)が挙げられます。

フェノール値が低いほどピート香が弱くなりやすく、高いほどピート香が強くなりやすいです

アイラウイスキーの中でもスモーキーな香りが強く代表的な銘柄と呼ばれるラフロイグのフェノール値が40~45ppmといわれています。

また、このフェノール値は燃料として使用するピートの量が多いほど高くなるため、強いピート香を持つウイスキーは多くのピートによって乾燥された証です

ウイスキーのピートについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーのピートとは? ピート香の強いウイスキーの飲み方も解説!

アイラ系ウイスキーのおすすめ銘柄

それでは、具体的にアイラ系ウイスキーでおすすめの銘柄を見ていきましょう。

アイラ島で製造されるアイラウイスキーの代表的な銘柄に加えて、アイラ特有の特徴を持った他の地域で製造されたウイスキーも含めて5つの銘柄について解説します。

  • ラフロイグ
  • ボウモア
  • タリスカー
  • 余市
  • フィンラガン

ラフロイグ


ラフロイグはアイラウイスキーの中でも代表的な銘柄であり、アイラの個性を味わいたいと考えるならこちらのウイスキーがおすすめです。

アイラウイスキーの中でも力強いピート香を持つこの銘柄は「アイラモルトの王」と呼ばれており、一口飲むだけでアイラの特徴が理解できるでしょう。

スモーキーな香りは薬品を思わせるかのようの強く、口に含めれば鼻腔を突き抜けます。

オイリーで濃厚な味わいの中にバニラのような甘さも感じられ、飲み終わると潮気のあるドライな後味が残る個性の強いウイスキーです。

ウイスキー初心者が挑戦するには刺激が強いので注意が必要であり、値段も多少張りますが、アイラの個性を味わうなら最もおすすめの銘柄です

ラフロイグについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

アイラウイスキーのラフロイグとは? 種類や風味の特徴を解説!

ボウモア

ボウモアはラフロイグと比較して初心者向けのウイスキーであり、ピート香と風味のバランスを重視した完成度の高い銘柄です。

ラフロイグと比較するとピート香が弱く、繊細な味わいを持つことから「アイラの女王」と呼ばれるウイスキーです。

ボウモアはフルーティーな味わいが特徴のウイスキーですが、その中でアイラ特有のスモーキーな香りと潮の香りを確かに感じることができます。

ウイスキー初心者でアイラウイスキーを飲んでみたいと考える方はボウモアがおすすめです

ボウモアについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ボウモアは潮風感じる島のウイスキー!種類とおいしい飲み方は?

タリスカー

タリスカーの製造地域の分類はアイラではなくアイランズスカイ島で製造されたウイスキーではありますが、アイラウイスキーに近い特徴を持った銘柄になります。

スモーキーな香りと海に近い場所で製造されたことから潮気のある味わいを持っていますが、黒コショウを思わせるようなスパイシーであることが特徴です。

ピート香よりもスパイシーなウイスキーとして知られるタリスカーですが、アイラウイスキーに近い性質を持っているウイスキーといえるでしょう

タリスカーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

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余市

スモーキーな香りはスコッチウイスキーの特徴であると解説しましたが、スコッチウイスキーの伝統的な製法を学んだニッカウヰスキーの竹鶴政孝が造った余市は例外です。

日本で製造されたウイスキーでありながら、ピートを燃料に使用しているのでスモーキーな香りが特徴のウイスキーとなっています。

力強いピート香と潮気のある香りはアイラウイスキーを思わせるような力強さを感じられ、原料であるモルトの味が引き立っています。

国内のウイスキーでスモーキーな香りを持つ銘柄を選ぶなら余市が大きな候補になります

余市について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

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フィンラガン

フィンラガンはアイラ島で製造されたウイスキーであるといわれていますが、製造された蒸留所が不詳となっている銘柄です。

蒸留所からボトルを販売することが困難な場合はボトラーズ(独立瓶詰業者)が原酒を買い取ることでウイスキーを販売しており、フィンラガンもザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー・カンパニー社から販売されるウイスキーの1つになります。

薬品を思わせるような強いピート香と潮気のある香りにレモンの酸味があるオイリーな味わいは、蒸留所が不詳であってもアイラ島で製造されたウイスキーであることが分かります。

ラフロイグのようなアイラウイスキーは値が張るため、安く買えるフィンラガンはアイラ系ウイスキーを気軽に試したい方におすすめの銘柄です

ボトラーズが販売するボトラーズウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

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まとめ

ウイスキー愛好家から大きな支持を得ているスモーキーな香りがするアイラ系ウイスキーには、さまざまな入門方法があるため、銘柄の特徴を知った上で自分に合うウイスキーを選びましょう。

また、ラフロイグのようなピート香が強いウイスキーを飲むなら、最初はスモーキーな香りが弱まりやすいハイボールで飲むなど飲み方を工夫するだけでも楽しみやすくなります。

よりウイスキー通になるためにも、アイラ系ウイスキーをぜひ一度試してみましょう。

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