ウイスキー投資の適切な保存方法は? 不安な人に最適な投資法も紹介
- ウイスキー投資
近年は個人投資家の税制優遇制度であるNISAの拡充、日経平均株価が歴史的な高値を更新し続けてることから投資に興味を持つ方が増えていますが、日本からウイスキーに投資する方法があることをご存じでしょうか。
海外ではウイスキーに限らず、フランスでは古くからワインを資産にする習慣もあるため、お酒に投資することが日本よりも一般的に受け入れられています。
そのため、日本からウイスキーなどのお酒に投資しようと考えて、どうすればいいのか、どのような方法があるのかわからない方もいるかもしれません。
この記事では、日本からウイスキー投資をする方法を一通り解説し、その中でも初心者におすすめの投資法を紹介します。
この記事のポイント
ウイスキー投資とは、希少性が認められた価値のあるボトルや、熟成によって価値が上昇することが見込まれるウイスキー樽を資産として保有することで、その価値の上昇を期待して投資する方法です。
ウイスキーは飲料ではありますが、ボトルを開封しなければ長期的な保存が可能であることから、保有できる資産になります。
投資に興味を持っていて、お酒が好きならお酒に投資できる方法があるなら気になる方も多いことでしょう。
しかし、日本ではまだウイスキー投資という投資方法が広まっていない状態にあり、誤解も多くあるため、一般的には正しく理解されていません。
また、ウイスキーへの投資方法は複数あり、それぞれリターンやリスクも異なってきます。
ウイスキーに投資する選択肢があることを理解して、日本におけるウイスキー投資の知識を深めていきましょう。
今話題のウイスキー投資について必要な知識を網羅的に解説した記事はこちらになります。
今話題のウイスキー投資とは?高い成長率の理由と今注目のカスク
日本からウイスキー投資をする方法を3つ紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
日本では、山崎をはじめとする海外でも評価されており、品薄を理由に毎年のように高騰しているウイスキーボトルがあります。
希少性があり今後の値上がりが期待できるウイスキーボトルを保有して投資する、ウイスキーボトルへの投資が最も日本では一般的なウイスキー投資の方法といえるでしょう。
山崎の価格はボトルによっては、当時の定価の10倍から100倍の価格で取引されていることから、話題性の高さから注目されています。
その中でも2020年に330万円で抽選販売された山崎55年が、その年のオークションで約8515万円の価値で落札されたニュースはウイスキー投資への関心を大きく高めた出来事であったといえるでしょう。
日本からでもウイスキーボトルを入手できれば実践しやすい投資方法ではありますが、落とし穴もあります。
ウイスキーはボトルの状態でも開栓していなければ劣化が進みにくいといわれていますが、それは正しい保管方法で保管する前提であり、理解のない状態で保管すれば劣化するため注意が必要です。
また、保有を続けて価値が上昇しても買い手を見つけられなければ売却できないうえに、売却の際に保管の信頼性を問われる可能性は高いことも問題になります。
劣化を防ぐならワインセラーなどで保管することが理想であり、一見コストのかからない投資方法と考えられますが、長期的にリスクなく保有するためには電気代を含めたコストがかかります。
また、5年以上、10年以上と言った長期的な保有を前提にするのではなく、短期的に売買を繰り返して利益を出す場合は投資ではなく転売といえるでしょう。
また、1~2本のボトルであれば問題はありませんが、継続して何本ものウイスキーボトルの転売を繰り返す場合は、日本の酒税法では免許を取得する必要があるため、行政処分の対象になることもあります。(※1)
このような背景から短期的に売買する行為に悪印象を持つ方も多く、ウイスキー投資に対する誤解の温床になっています。
以上のことからウイスキーボトルへの投資はやり方によっては転売になることもあり、長期的な保管によるリスクを理解していなければ難しい投資方法といえるでしょう。
(※1)参考:日本経済新聞
日本からウイスキーに投資する有力な方法にはウイスキー樽(カスク)への投資があります。
ウイスキー樽はウイスキーをボトル詰めする前の状態であり、ウイスキーは樽の中で銘柄によっては何十年の時を過ごします。
ウイスキーの熟成はボトル詰めした後には進みませんが、ウイスキー樽の状態であれば進んでいくことがポイントです。
そして、ウイスキーは同じ銘柄においてマッカラン12年とマッカラン25年の価値は、基本的には25年のほうが高くなります。
そのため、長期的に保有を続けて10年、20年と熟成させたウイスキーは、購入時のタイミングよりも価値が大きく上昇すると考えられます。
この性質は長期の資産運用と相性が良いことから、海外の富裕層を中心にウイスキーカスクへの投資が注目されました。
長らく日本では行われてこなかったウイスキー樽の購入サービスは、近年になった日本でもおこなえるようになりました。
代表的なサービスには「カスク・インベストメント」があります。
投資に利用されるウイスキー樽は、ウイスキーを製造する蒸溜所が資金調達のために売却するものであり、ウイスキー樽の買い手が増えるほど蒸溜所の資金調達が円滑になっていきます。
好きなウイスキー銘柄の樽を購入することは間接的にウイスキーを製造している蒸溜所への応援になり、投資において重要な社会貢献にもつながる仕組みです。
デメリットは、ウイスキー樽の購入金額は安くても数十万円、高い場合は億単位になることもあるため、初期投資費用が低価格のウイスキーボトルを購入する場合と比較すると高くなる点が挙げられます。
カスク投資の基本的な仕組みはこちらの記事で紹介しています。
実際にウイスキーを購入して投資する方法ではなく、間接的に投資する方法にはウイスキー投資信託(ファンド)への投資が挙げられます。
投資信託は投資家から資金を集め、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家に実際の運用を委託し、運用成果を投資家に分配する投資方法のことです。
投資対象は株式や債券、不動産を対象にするREITなどが代表的ですが、近年ではビットコインも対象になるほど幅広く、ウイスキーを対象とする投資信託も存在します。
ただし、日本の証券取引所に上場している投資信託でウイスキーを投資対象にする商品はないため、日本から投資する場合は海外投資信託で日本からの投資を受け付けている投資先を選ぶことになります。
投資先の信頼性を判断する必要があり、ここまでの投資方法と比較して日本から投資する敷居が高いため、投資初心者には難しい方法です。
ウイスキー投資信託(ファンド)について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
ウイスキー投資ファンドとは? 仕組みと考えられるリスクを解説
日本からできるウイスキー投資で初心者におすすめの方法は、ウイスキー樽(カスク)への投資です。
おすすめである理由は、株式のような伝統的な資産と比較しても投資に対する知識を必要とせず、他のウイスキー投資の方法と比較しても日本から投資しやすい方法であるからです。
ウイスキー樽(カスク)は、長期的に保有することで熟成年数の高まりから価値が上昇する性質から、ウイスキー樽を外貨で購入した際の為替差損のリスクはあるものの、10年、20年と保有した場合に利益を上げられる可能性が高いからです。
実際に熟成6年のハイランドパークを購入して、10年以上保有したときの価値の上昇は以下の通りとなりました。
最終的には約4倍の価値を持つウイスキー樽となり、年平均の利回りは40%の計算となったことから、長期的には高いリターンを持つ投資対象であるといえるでしょう。
購入したウイスキーカスクはイギリス歳入庁(日本の国税庁)が登録番号を付与し、厳重に管理しており、万が一の際には保険もあるため、安心して長期的に保有できます。
ウイスキー樽(カスク)への投資は、投資家がやるべきことは少なく、保管や売却先の選定まで委託が可能であり、その価値の上昇を長期的に待ち続けるだけで成果が見込めることから初心者にもおすすめの方法です。
また、ウイスキー樽は「カスク・インベストメント」において、売却するだけでなくオリジナルボトルを作って飲むこともできる「ボトリングサービス」もあるため、飲んで楽しむ選択肢があることもウイスキー好きにとって魅力的なサービスとなっています。
ウイスキー投資に興味を持ち、日本からウイスキーに投資するならウイスキー樽への投資を検討しましょう。
日本からウイスキーに投資する方法を紹介しましたが、近年ではウイスキー樽への投資を中心に整備がなされている状況にあります。
リスクが高く難しい方法に頼らなくても、海外の取引先とやり取りをしなくても、日本からウイスキーに投資できるため、投資に興味を持った初心者こそウイスキー投資を始めることを検討してみましょう。
近年ではインフレのリスクも高まっていることから、実物資産への投資が求められているため、株式や投資信託にすでに投資している方もリスク分散のための実物資産にウイスキーを選ぶのもおすすめです。