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ウイスキーの製造方法と投資対象として選ぶポイントをご紹介

2021.09.04 / 最終更新日:2023.08.09

カスクインベストメントの投資対象であるウイスキーカスク(樽)は、蒸留所ごとに製造方法が異なり、蒸留所ごとに楽しめる、それがウイスキーの魅力の1つでもありウイスキーカスクの価値を左右する大きな要素でもあります。  ウイスキー造りには、非常に高い技術と知識が必要なのはもちろん、製造する国の風土やその地域の水質や気温・湿度なども大きく影響してきます。

ウイスキーが出来上がるまで、数年~数十年もかけて熟成をしていくため、膨大なコストもかかってきます。 簡単に真似ができないからこそ、希少性が高まり価値が上昇する要因にもなります。 この記事では、ウイスキー造りを初心者の方でもわかりやすく、丁寧に解説をしたいと思います。 ぜひ、ウイスキーを別の角度から魅力を感じていただければと思います。

ウイスキーの製造工程

ウイスキーは原料から一般的に目にするウイスキーボトルになるまで、大きく分けて上記画像にある6つの製造過程(製麦→糖化→発酵→蒸留→瓶詰め)を経て最終的に瓶詰めし出荷されます。 

ウイスキーカスク投資では、この熟成期間の樽の状態が若いうちに購入し、熟成期間が経過し価値が上昇したタイミングで樽のまま売却する仕組みをご紹介しております。ウイスキーカスク投資の仕組みや成長性について知りたい方は、下記の記事でご紹介してますのでご覧ください。
市場から見るウイスキー投資の魅力:近年注目されるスコッチウイスキーカスクを資産運用商品に

1.製麦(モルティング)

最初にウイスキーの原料である大麦を発酵させるために大麦を糖化した状態の大麦麦芽(モルト)を作ります。大麦麦芽(モルト)は、穀物が発芽した状態でデンプン質の糖分を含んでいます。

そのためには、大麦を水に浸したり、乾燥させたりを繰り返します。 特に乾燥は、発芽の成長を調整するためや炭や地域によっては泥炭(ピート)等を焚いて乾燥するためにウイスキー特有の独特な香りが付きます。ウイスキーを口にする際に、蒸留所による違いや特徴が現れやすいのがこのモルティングとも言えます。

2.糖化(マッシング)

大麦麦芽(モルト)のデンプン質を糖に変えて、発酵に必要となる甘いウォート(麦汁)を取り出す工程が「糖化」です。完成した大麦麦芽(モルト)をモルトミル(粉砕機)によって細かく粉砕し、おおよそ大きさによってグリストと呼ばれる3つの種類に分類されます。 

それらを一定の割合で配合したものをマッシュタンという糖化槽に投入し約60~70度弱の温水とともに攪拌することで、麦芽が糖分に変化しウォート(麦汁)が出来上がります。

ウォートの中には麦の殻が残っているため、ろ過して取り除かれた後に発酵槽に移されます。 デンプンが糖に分解される過程で、大麦に含まれるタンパク質もアミノ酸に分解され、加水した水やアミノ酸が、ウイスキーの風味に影響を与えています。

3.発酵(ファーメンテーション)

ウォート(麦汁)は、酵母が死んでしまわないように約20度~25度弱に冷却され、ウォッシュバックと呼ばれる発酵槽に移され、そこに酵母が加えられて発酵が行われます。 2~4日ほどかけて発酵させる過程でウォート中にいる乳酸菌等が酵母と合わさることできたものをウォッシュ(モロミ)と言います。この時点では、アルコール度数7~9%程と言われています。

4.蒸留(ディスティレーション)

ウォッシュ(モロミ)を加熱し、アルコール度数を高めていく工程が蒸留で、ウイスキー作りの中でも非常に重要な工程のひとつと言われています。蒸留には、特徴的な形をしたポットスチルと呼ばれる蒸留器が使われ、主に単式蒸留器と連続式蒸留器の2種類があります。 

スコッチウイスキーの多くが、伝統的な単式蒸留器を利用しています。水とアルコールの沸点の違いを利用して約65~70%程のアルコールに高めていくために蒸留は、何度かしていく必要があり、一般的には2回蒸留しますが、1回目を初留、2回目を再留といいます。 スコッチウイスキーは、主に2回蒸留が多いですが、一部のスコッチウイスキーや、アイリッシュウイスキーは3回蒸留が主流のウイスキーもあります。

5.熟成(マチュレーション)

スコッチウイスキーやそのほかの5大ウイスキーのほとんどが、熟成期間3年以上でウイスキーと認められるように「ウィスキーはカスク(樽)を熟成させることで初めてウイスキーと呼べる」といっても過言ではありません。 ウイスキーは、木の樽の中で熟成期間を経ることで、ウイスキーの樽は外気を吸い、エンジェルズシェア(天使と分け前)と呼ばれるアルコールと水分を揮発させて、熟成が進みます。

また、ウイスキー原酒を木製の樽に貯蔵し熟成することで、樽の木材から香り成分であるバニリンやタンニンなどのポリフェノールや色素成分が時間をかけて溶出されるため、熟成期間の長さによってウイスキーらしい琥珀色とまろやかな味わいの違いが生まれます。

そのため、ウイスキーの風味や良しあしのほとんどがこの熟成期間中に決まるため、長い熟成年数が経過したウイスキーは、より価値が上昇し高値で取引されることがあります。

カスク(樽)の違いと特徴

カスク(樽)の木材種類(オーク)

ウイスキーの香味に大きい影響を与えるカスク(樽)にはすべてオークの木が使われています。オークは日本でナラ(楢)の木のことを指します。ナラはカスク(樽)だけでなく、高級家具の材料に用いられたり、燻製用のスモークチップや茶の湯の炭にも使わています。

全世界に300種類以上あるオークの木ですが、その中でもウイスキー産業で使用されている樽の90%が北米産のホワイトオークと言われています。その他の代表的なオークを挙げると、ヨーロッパの2大オークであるコモンオークとセシルオーク、日本固有種ではミズナラがあり、カスク(樽)に使われるオークの種類によって香りや味の変化があります。

種類 特徴 香りや味
アメリカンホワイトオーク バーボンウイスキーやシェリー酒、ワインなどの熟成に広く使われています。ウイスキー産業で使用されている樽の90%がアメリカンオークで、バーボン樽に至ってはほぼ全てこの木材で造られています。 バニラやカラメル、ハチミツなどの甘いフレーバーとアーモンドやヘーゼルナッツなどの香ばしさをウイスキーに与えると言われています。長期熟成するとココナッツミルクのような香味も感じさせます。
コモンオーク(スパニッシュオーク) ヨーロッパ産二大オークのひとつ。コニャックやブランデー、ワインの熟成に使われています。また、シェリー酒を詰めて数年置き、樽空けした後にモルトウイスキーを詰めるという使い方をされます。 タンニン分やポリフェノールを多く含み、熟成感を強調し、甘くて重みのあるフルーティーさを演出します。レーズンなどのドライフルーツ、シナモンのようなフレーバーを与えると言われています。
セシルオーク(フレンチオーク) ヨーロッパ産二大オークのひとつ。フランスの中央部で多く見られるオークです。ワイン樽やコニャック樽として使われていましたが、スコッチ・ジャパニーズウイスキーの熟成用にも使われます。 ややタンニン量が多くスパイシーな香りを与えると言われています。
ミズナラ(ジャパニーズオーク) 日本固有の希少で高価なオークです。水分が多く燃えにくく、伽羅や白檀といわれるオリエンタルな香りをもたらします。いわゆるお香とか、お線香の匂いです。特長を最大限引き出すにはどうしても長期熟成になります。 オリエンタルの香りをまとい、重厚で奥深い味わいで知られています。ややスパイシーな香りが立ち上り、次いでスウィートともフルーティとも形容される甘みのある余韻が感じられます。

カスク(樽)のサイズ

また、樽のサイズを知っておくことは、ウイスキーカスク投資をする際に購入の判断するポイントの一つとなります。樽のサイズが大きいと大量のウイスキーを熟成させることができるため造られるボトル量が増えます。 つまり売却額がその分高く設計できるわけです。しかし樽サイズが大きいと熟成速度が遅いため熟成に時間がかかると言われています。熟成速度は、樽サイズだけではなく、気温や湿度なども大きく影響してくるため、その地域ごとに適切な樽サイズを選択することが必要です。

種類 容量 概要
バレル/Barrel 180~200L フランス語の「樽」barilが起源。北米産ホワイトオークを材料に、バーボン、カナディアン用の樽として作られ、スコッチ、ジャパニーズの再使用樽としても使われます。
ホグスヘッド/Hogshead 250L 語源はおよそ豚一頭の重さであることからと言われています。バーボンバレルを解体、組み直して作られる寸胴な樽です。
パンチョン/Puncheon 500L 300リットル強~500リットル強とサイズはまちまちです。日本ではサントリーがウイスキー熟成用に作っており、主に北米産のホワイトオークで作くられています。
バット/Butt 500L 大きい樽を意味するラテン語が語源。シェリーの熟成に一般に使われます。特殊樽の基準になるサイズでクオーターなら、バットの4分の1のサイズ、つまり125Lほどを指します。

カスク(樽)の利用頻度(フィル)

 

ウイスキー樽は蒸留所の方針にもよりますが、基本的には何度も再利用され平均的に樽は3~4回は使用され、寿命は50年前後と言われています。長く使うためには。傷んだ側板を交換したり、側板を数本継ぎ足して、バーボンバレルからホグスヘッドにサイズ変更などをしながら修理して使っています。

アメリカのバーボンウイスキーを定義する一つとして「内側を焦がしたオーク樽の新樽で熟成させる」となっており、新樽の1回目はバーボンやシェリーを熟成しています。 2回目の使用では「ファーストフィル」と呼ばれていますが、これは以前にバーボンやシェリーなどを熟成させていた空き樽に初めてウイスキーを詰めることをスコッチではこう呼びます。 2度目の場合は「セカンドフィル」、3度目は「サードフィル」と呼び、2度目以降は共通して「リフィル」とも呼ばれます。

樽の香味成分の影響が最も強く出るのが最初の「ファーストフィル」で、「セカンドフィル」は最初と比べ25~30%の影響度(バーボン樽の場合)、「サードフィル」は10%程度の影響度といわれています。

熟成期間による呼び名

また、ウイスキーカスクの熟成期間による分類を知ることは、ウイスキーカスク投資を行う上で非常に重要です。樽の管理会社によって独自の分類もありますが、一般的に共通した分類でとなっている「ニューメイク」と「ブルーチップ」についてご紹介しています。

ニューメイク

ニューメイクとは、蒸留所で蒸留されたばかりの無色のウイスキー原酒で満たされたカスク(樽)の熟成期間が3年未満のものを指します。 実際、新しい樽に入っているアルコールは、最低でも3年の熟成期間を経ないとスコッチウイスキーの表示されませんが、これから時間をかけてゆっくりと木と液体の相互作用によってウイスキーとして知られる豊かな表現がされていきます。ニューメイク・カスクは、長期投資を探している投資家に理想的な選択肢といえます。

ブルーチップ

ブルーチップとは、熟成期間が長く現時点で非常に高い価値を持つウイスキー業界の頂点であり、伝説を生み出すカスクです。世界で最も有名な蒸留所の古くて希少な原酒が詰まっていることも多く、これらはオークションでの販売も可能であり、上位コレクターが欲しがるようなトップレベルのカスクです。 ブルーチップ・カスクは、保有期間にかかわらず大きなリターンを求めるハイエンドポートフォリオを求める投資家にとって、究極のラグジュアリー投資とも言えます。

ウイスキーカスクを選ぶ

ウイスキーカスクの製造工程やウイスキーカスクの特徴や違いなどをご紹介させていただきました。当サイト「カスクインベストメント」では、ご紹介しているような製造工程を経たスコッチウイスキーのニューメイクやブルーチップ、またその他の様々な熟成期間のウイスキーカスクを販売しております。

熟成年数の違いによっては、最適な保有期間がありますので、投資家の皆様の保有したいニーズにもお応えが可能となります。 それでは、実際にスコッチウイスキーのエリア毎によるウイスキーの違いを下記にてご紹介をしたいと思います。
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