【独占インタビュー】ロバート・バーネカー、ソナト・バーネカー夫妻<第2弾> – KOVAL
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2024年7月10日(水)、東京・西新宿にあるダイニングバーBAR FIVE Arrowsにて、株式会社クレア・ライフ・パートナーズ(Dear WHISKY運営企業)は「英国クーパレッジ特別セミナー&熟成用空き樽即売会」を開催いたしました!
国内蒸溜所様向けに開かれた本イベントでは、セミナーの講師として、クレア・ライフ・パートナーズが提携する英国のクーパレッジのCEOを迎え、「良い樽と悪い樽の見分け方」や「ワイン樽の特徴」について詳しく解説していただきました。セミナー後には、クレア・ライフ・パートナーズが販売するウイスキー熟成用の空き樽をご紹介し、即売会も実施されました。
本記事では、セミナーの様子や即売会の詳細についてご紹介します。
日時 | 2024年7月10日(水) 14:00~17:00(開場13:30) |
会場 | BAR FIVE Arrows 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-13-1 今佐ビル6F BAR FIVE Arrows ホームページ |
アクセス | JR 新宿駅 徒歩3分/都営大江戸線 都庁前駅 徒歩5分 |
費用 | お一人様15,000円(税込み) (軽食・ドリンク付き) |
定員 | 10社 |
お申し込み方法 | 本イベントは蒸溜所様向けのイベントです。関心のある方は、media@dearwhisky.comへお問合せください。 |
お問合せ | 株式会社クレア・ライフ・パートナーズ(Dear WHISKY運営企業) ウイスキー事業部 メール:media@dearwhisky.com 電話:03-6279-0812 酒類販売業免許:新法9174(小売・通信・輸出入・卸売) |
14:00 | ご挨拶 |
14:15 | セミナー(講師:クーパレッジCEO) |
15:00 | 質疑応答 |
15:45 | 懇親会・即売会 |
17:30 | 終了 |
今回のセミナーで講師を務めたのは、クレア・ライフ・パートナーズ提携クーパレッジの代表の方です。彼は、スコットランド・フランス・アメリカ・アイルランドに拠点を持つ、樽製造会社のCEOを務めています。
ワインやスピリッツの業界で20年間の経験を持ち、その豊富な専門知識と世界中のネットワークを活かして、最高品質のカスクを世界中へ提供しています。
ボルドー大学でワイン醸造学の修士号を取得後、ボルドー最古のワインメゾン、Barton & Guestierに入社。その後、24年以上にわたり、ワインやスピリッツ業界のさまざまな会社で活躍してきました。
特に最近の10年間では、スピリッツの開発と革新に注力。クーパレッジでは高品質な樽を見分ける技術を習得し、樽材の選定にも携わりました。また、コニャック蒸溜所ではマスターブレンダーとして60以上の商品開発に関与。その豊富な経験を基に、樽製造会社を立ち上げました。
代表の独自のコネクションから仕入れた樽は、その品質の高さで評判を呼び、マッカラン蒸溜所やディアジオ社など、著名なウイスキー関連企業にも多くの樽を提供しています。
今回のセミナーでは、日本の蒸溜所の方々からのリクエストに応じて、「樽の良し悪しを構成する要素」と「ワイン樽の活用方法」を中心に代表自ら解説しました。樽の選び方やその品質を見極めるためのポイント、さらにワイン樽を使った熟成のメリットなど、実践的な知識と経験に基づいた内容が提供されました。
セミナーでは、まず熟成がもたらす3つの科学的効果について解説がありました。これには、抽出的効果、除去的効果、変化的効果が含まれます。
代表は、自社で行った調査結果を基に、樽の木材やサイズ、年齢、そして外的要因(気温の変化、湿度、スピリッツの中身)がどのように熟成に影響を与えるかを、グラフを用いてわかりやすく説明しました。
具体的には、バージンオークやリフィル、異なるサイズの樽を例に挙げ、それぞれがどのように熟成に寄与するかを解説しました。また、造り手の方向けに、蒸溜所で実施できる検品ノウハウも教えていただきました。
次に、代表が自身のスペシャリティであるワイン樽の魅力を、参加者の皆様へお伝えしました。スコッチウイスキーの歴史において、ワイン樽がいかに重要な役割を果たしてきたかに触れ、ワイン樽の持つ独自の効果についても詳しく解説しました。特に、ワインの種類(甘口/辛口、赤/白、酸化的/還元的)がスコッチウイスキーに与える影響について、色、香り、口当たりなど、その繊細なプロセスを科学的な知見からお話ししました。
セミナーの最後には、代表のクーパレッジによる徹底した品質管理の実際の取り組みが、実際の写真を交えながら、紹介されました。この品質管理には、ワインセラーでの樽の選別、出荷前の厳密な検査、倉庫到着後の詳細な検品、そしてトレーサビリティの徹底が含まれています。また、提携先でのワインテイスティングや、パートナークーパレッジとの強力な連携もお話しされました。
特に印象的だったのは、このクーパレッジの誇るシーズニングプログラム。最上級の環境で2年間、木材を自然乾燥させ、ワインの選定も徹底的に行うこのプログラムは、樽の品質をさらに高いものとしています。
セミナーでは、ウイスキー造りに真摯に向き合う造り手の参加者より、多くの質問が寄せられました。普段から気になっているものの、専門的で回答を見つけにくい細かな疑問や、テクニカルで実践的な対策、目指す酒質に合った樽選びのコツなど、多様なディスカッションが行われました。※記事内に記載しているQ&Aは実際に行われたQ&Aを簡略化して記載したものになります。
質問者:
年輪の幅や木の育った環境によって、樽から得られる効果に差は出るのでしょうか?
代表:
樹齢や環境によって差が出る年輪の幅によって、味わいに違いが出てきます。これは、年輪の量と言うより、木目の粗さなどに起因するものですので、木のどの部分からできた木材であるかも重要なファクターになり得ます。
質問者:
シェリー・ワイン樽はバーボン樽などと比べて扱いが難しいと聞きますが、どのように扱うべきなのでしょうか?
代表:
まず最初にやるべきことは、悪臭などの確認でしょう。この匂いにも種類と原因がいくつかあり、それぞれに対策方法が異なります。(中略)
その検品をクリアした樽については、即刻ニューメイクをつめて熟成を開始すべきです。早く使うことこそが一番重要です。
質問者:
白ワイン樽を使用するメリットについて教えてください。
代表:
タンニンなどの味わいや濃ゆい色などをつけずに白ワイン特有の香り・フレーバーをあたえることができる点でしょう。ワイン樽からは、ニューメイクでは得られないフルーツの香りなどを得られます。
原酒の良さを押さえつけず、香りや味わいをプラスできるフィニッシュなどにも有効です。
懇親会では、BAR FIVE Arrowsが提供する食事とドリンクが振る舞われました。さらに、当日販売したワイン樽から直接抽出したワイン原酒も提供されました。このワインは、代表がヨーロッパから空輸で持ってきてくださった特別なもので、参加者の皆様に大変好評でした。
実際に、ウイスキーを詰める樽から出されたワインを味わうことで、その後にウイスキーを入れて熟成させた際の味わいを想像する貴重な機会となりました。
当日ご紹介するすべての空き樽に、来歴証明・仕様書を添付しており、ご希望の場合は1樽から購入することができます。
バーボン | 直接提携のバーボン蒸溜所より仕入れ、厳格な品質検査を通過したバーボン樽のみをお取り扱い。 |
オロロソシェリー | シェリーのトップブランド「ゴンザレス・ビアス」にて、1年以上シーズニング。カラメル、ナッツ、エキゾチックなフルーツ。 |
ルビーポート | ポルトガルの「サンタ・マルタ」で生産される酒精強化ワイン。鮮やかなルビー・レッド、赤い果実、ストロベリー。 |
マデイラ | 「ティント・ネグロ」はじめ提携ワイナリーで生産される酒精強化ワイン。甘味の強いマルヴァジア(葡萄品種)による、濃褐色でリッチな味わい。 |
アマローネ・ディ・ ブッソラ |
「トマーソ・ブッソラ」で生産されるイタリアの高級ワイン。陰干しによって果実のエキスを凝縮。チョコレートのような濃厚さ。 |
シャトー・ムートン・ ロートシルト |
五大シャトーのひとつ。世界トップワインとして知られ、スコットランドの有名蒸溜所からも空き樽の需要が高い。 |
シャトー・ムートン・ ラトゥール |
五大シャトーのひとつ。世界トップワインとして知られ、スコットランドの有名蒸溜所からも空き樽の需要が高い。 |
ラマンドロ | イタリア格付け最上級であるDOCGワイン。蜂蜜のような黄金色と口当たり、柑橘、カラメル、シナモン、バニラの味わい。 |
イベントの前後には、代表とDear WHISKYスタッフが国内の蒸溜所を訪問しました。
訪問先では、実際にウイスキー造りの現場を見学し、テイスティングを行いました。プロの目線から、各蒸溜所の原酒や目指すウイスキーのスタイルに合った樽の提案やアドバイスを行い、現場の方々からの質問にも丁寧に回答しました。
お問合せ | 株式会社クレア・ライフ・パートナーズ(Dear WHISKY運営企業) ウイスキー事業部 メール:media@dearwhisky.com 電話:03-6279-0812 酒類販売業免許:新法9174(小売・通信・輸出入・卸売) |