【イベントレポート】Fèis Ìle 2023＜第１弾＞
ラフロイグ オープン・デー＆ラガヴーリン蒸溜所

2023年5月26日（金）～6月3日（土）にアイラ島の祭典“Fèis Ìle 2023”が開催されました！
日本ではアイラ・フェスティバルとして知られ、世界中からアイラ・ウイスキーのファンが集う一大イベントです。開催中は、アイラ島の9つの蒸溜所が日替わりでホストを務め、アイラ島の北東に位置するジュラ島のジュラ蒸溜所も参加しています。

さらに今年は、Dear WHISKYスタッフが実際に訪れてきました。Fèis Ìle の概要記事やフェスティバル記念ボトルの記事もありますので、ぜひ併せてお読みください！

Fèis Ìleとは

出典：https://feisile.co.uk/about/

1985年にゲール文化の復興を目的に始まったアイラ・フェスティバル。その後、1990年代に入ると世界でも有名なウイスキーイベントとして知られるようになりました。

きっかけとなったのは、1990年に開催されたウイスキーのテイスティングイベントが大変な好評を博したことです。その後、2000年頃には様々な蒸溜所がオープン・デーを実施し、フェスティバルの記念ボトルを販売するなど、アイラ・フェスティバルでの存在感を高めていきました。

今日では、アイラ・フェスティバルとウイスキーは切っても切り離せない存在となっています。世界中からウイスキーファンが集う、一大ウイスキーフェスティバルです！

アイラウイスキーの祭典！Fèis Ìle 2023とは？

Fèis Ìle 2023 概要

日時	5月26日（金）～6月3日（土）全9日間
会場	プログラムによって異なる
料金	入場無料、特別イベントのみ有料
主催	The Fèis Ìle
公式サイト	https://feisile.co.uk/
SNS	Facebook: https://facebook.com/feisile.islay Instagram: https://instagram.com/feis.ile Twitter: https://twitter.com/feisile YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC_oWtzW5yyCkMaeoYUQvF6w

イベントレポート

アイラ島までのアクセス

今回、Dear WHISKYスタッフが参加したのは5月30日（火）と31日（水）の2日間です。
前日にグラスゴー空港に降り立ち、キャンベルタウンへ向かいます。バスで揺られること約3時間半。道中には、オーヘントッシャン蒸溜所の姿も見られました！

出典：http://casktodrams.com/2018/09/distillery-tour-auchentoshan/

前日の夜はキャンベルタウンで1泊。30日（火）の朝、Kennacraig港からアイラ島のポートエレンへ向かいます。

ゴンゴンと音をたて、うっすらとした黒煙を出すフェリーに乗ること約2時間。どの蒸溜所に訪れるか、お目当てのボトルは何か、アイラ島に訪れるのはいつぶりかなど、会話に花を咲かすウイスキーファンの姿も見られました。

アイラ島に到着！
天気の悪いことで知られるスコットランドですが、現地の人も驚くほどの快晴で、強い日差しが降り注いでいました。
耳を澄ませば、風の音と鳥の声が聞こえるほど静かです。爽やかで穏やかな空気が流れています。

ポートエレンから、標識に従って“Three Distilleries Path”―3つの蒸溜所道―に進むと、ラフロイグ蒸溜所、ラガヴーリン蒸溜所、アードベッグ蒸溜所が約1km間隔で並んでいます。

この日は天気が良かったため歩きましたが、ポートエレンでは自転車がレンタルできます（Welcome to Islay Cycles）！便数は少ないですが、バスも利用可能です。

ラフロイグ　オープン・デー

Dear WHISKYスタッフが訪れた5月30日は、ラフロイグ・デーが開催されていました！

ラフロイグ蒸溜所

蒸溜所名	ラフロイグ
設立年	1815年
オーナー	ビームサントリー社
Dear WHISKY 紹介ページ	アイラウイスキーのラフロイグとは？ 種類や風味の特徴を解説！ ラフロイグ蒸留所 － Laphroaig DISTILLERY
公式サイト	https://www.laphroaig.com

イベント概要

イベント名	ラフロイグ
日時	5月30日（火）10:00-17:00
会場	ラフロイグ蒸溜所
チケット	不要　特別チケットあり

イベントレポート

ラフロイグ蒸溜所に到着した後、まず受付でテイスティンググラス、ウォーターボトル、バッジを受け取ります。入場は無料ですが、飲食や限定イベントの申し込みには別途料金がかかります。

そのまま奥へ進むと、蒸溜所の真っ白な建物群に囲まれて、テイスティング・スタンド、仮設Bar、屋台、音楽ステージが建てられていました。

名高いアイラ・ウイスキーの中でも、強烈なピート香と味わいで知られるラフロイグ蒸溜所。ウイスキーを片手に、和気あいあいとした雰囲気が広がっています。

まずは、テイスティング・スタンドへ。バッジは、ウイスキー1杯と無料で交換できます。その場で飲めない方は、持ち帰り用の小瓶に入れてもらえます。

こちらは、カーディス2023（ホワイトポート＆マデイラカスク）です。ずっしりとしたほろ苦いキャラメル、タンニン、煙たさの中に爽やかな果実感が感じられました！

次に、アイラ島名物である牡蠣にウイスキーを垂らしていただきました。まずはウイスキーと牡蠣の汁をすすり、次に牡蠣をいただくという食べ方です。スモーキーなラフロイグと、ミルキーで大ぶりな生牡蠣の組み合わせは抜群でした！

会場で目を引いたのは、職人による樽の解体・組立ショー！

デモンストレーションを担当していたのは、ラフロイグを含む、多くの蒸溜所に樽を卸しているFishers&Cooperage Ltd社のスタッフです。カンカンと力強くハンマーを鳴らしながら、バラバラだった木版をあっという間に樽に組み立てていきました。真っ直ぐであった木板を曲げてリングにはめこむ作業は、通常は専門の機械を使用するそうですが、今回は特別に、伝統的な人力での作業の様子を見せていただきました。

その後は、Innis & Gunnのアイラビールに挑戦！

こちらは、ラフロイグのファーストフィルバーボンの熟成樽を再利用してつくられたもので、ピートの効いたスモーキーさ特徴でした。どこかスタウトビールに近い味わいです。ビールなのに、ウイスキーのようなしっかりとしたフィニッシュがあり、ドライで少し甘さも感じられるバランスの良いビールでした。改めて、樽が与える力の大きさを実感しました。

他にも、蒸溜所の方がおすすめして下さったラフロイグ ロアをいただきました。クリーミーで濃厚なピートの風味と、つんと突き抜けるような磯のようなシャープなアロマ、そしてほのかな甘みが特徴です。ラフロイグらしいインパクトある一杯でした。

ラフロイグの建物の裏には大西洋が広がり、家族連れや、犬がはしゃぐ姿も見られました。また、ラフロイグTシャツを着たファンの姿も。ラフロイグのオリジナルグッズは、併設のビジターセンターで年中販売しています。

他にも、ラフロイグの蒸溜所内を一部見学することもでき、ラフロイグの世界をたっぷりと楽しめる大満足のイベントでした！

特別イベント

残念ながら参加は叶いませんでしたが、以下の特別イベントも行われていました！
チケットは有料で、事前申し込みが必要です。

FÈIS ÌLE 2023 | Laphroaig

ECONSTRUCTION CÀIRDEAS 2023	ディスティラリーマネージャーのバリー・マカファー氏とマスターブレンダーのカルム・フレイザー氏による、新リリースのCÀIRDEAS 2023のテイスティングイベント。初期のアイデアから最終的にボトルになるまでの製造過程について語ります。
TEAM PICKS	アシスタントディスティラリーマネージャーのパメラ・ファーガソン氏によるテイスティングイベント。現地チームのお気に入りのラフロイグウイスキーをピックアップしました。
BARRY & PAMELA’S TASTING	ディスティラリーマネージャーのバリー・マカファー氏と、アシスタントディスティラリーマネージャーのパメラ・ファーガソン氏による新旧のシリーズのテイスティングイベント。彼らが管理職に就いた最初の年を振り返り、ラフロイグの将来の計画について話し合いました。
EXPLORE LORE WITH THE BLENDER	マスターブレンダーのカルム・フレイザー氏によるラフロイグ・ロアシリーズのテイスティングイベント。その誕生から、5つの異なる樽を使用して完成させるまでの過程を探求しました。
ELEMENTS OF LAPHROAIG	ラフロイグの様々な側面について深く掘り下げ、ピート、スモーク、火といった特徴的なフレーバーから、ラフロイグがパワフルで一切の妥協がない味わいで知られている理由を学びます。
CASK COLLABORATION WITH INNIS & GUNN AND LAPHROAIG	ラフロイグとInnis & Gunnのコラボレーションを学ぶテイスティングイベント。今年リリースされたInnis & Gunnのビールに使用されたラフロイグの樽から、完成品と2つのフレーバーの融合までを探求しました。

ラガヴーリン蒸溜所

次に、ラガヴーリン蒸溜所に到着です！

ラガヴーリン蒸溜所

蒸溜所名	ラガヴーリン
設立年	1816年
オーナー	ディアジオ社
Dear WHISKY 紹介ページ	アイラウイスキー「ラガヴーリン」ってどんな味わい？おすすめの飲み方や種類も解説！ ラガヴーリン蒸留所 － Lagavulin DISTILLERY
公式サイト	https://www.malts.com/en-row/brands/lagavulin

訪問レポート

ラガヴーリンのオープン・デーは5月27日（土）に既に行われていたため、今回は蒸溜所内の併設されたBarに立ち寄りました。

ラガヴーリン蒸溜所はその美しい建築でも知られています。
太陽を反射する真っ白な壁と、赤く大きな煙突。アイラ島の緑と大西洋の青によく映えていました。

建物内もセンスが良く、樽をモチーフとした傘立て、テーブル、椅子など、蒸溜所ならではの家具デザインのアイデアなどが訪れる者をわくわくさせます。

Barで注文したのは、前々から飲みたいと思っていたラガヴーリン ディスティラリーエクスクルーシブ 。蒸溜所現地でしか飲めないもので、今年リニューアルされました。

絶妙なバランスと、心地よく香るスモーク感。なめらかな口当たりで、落ち着いたフィニッシュ。ダークチョコレートのような甘味と、何層にも重なった味わいが特徴的で、一度飲んだら忘れられない一杯でした。

さいごに

以上、アイラ・フェスティバル2023イベントレポート第一弾でした！
ウイスキーを片手に、蒸溜所のアイラ島の大自然と文化を体験できる魅力的なフェスティバルでした。蒸溜所スタッフ・イベントスタッフの皆さん、ありがとうございました！
第二弾では、ボウモア蒸溜所、アードナッホー蒸溜所、ブルックラディ蒸溜所を訪問します。お楽しみに！