【イベントレポート】ニッカウヰスキーの新境地を五感で体感できる「NIKKA FRONTIER BAR」とは?
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2024年5月11日(土)、12日(日)の2日間にわたり、「Tokyo International BarShow 2024 / 東京 インターナショナル バーショー 2024」が開催されました!
第3弾では、Dewar’s(デュワーズ)マスターブレンダーを務めるステファニー・マクラウドさん、『東京 インターナショナル バーショー』オフィシャル エグゼクティブを務めるデイブ・ブルームさん、さらにカクテル文化振興会 理事長の岸久さんへのインタビューの模様をお届けします!
ぜひ最後までお読みください!
Dear WHISKYは、ステファニーさんにインタビューを行いました!読者の皆様へのメッセージも頂いたのでぜひお読みください!
ステファニー・マクラウド氏
2006年にデュワーズの7代目マスターブレンダーに就任しました。1846年から続くデュワーズの歴史の中で初めてかつ、業界でも珍しい女性マスターブレンダーとして知られています。ステファニーさんは、華やかでエレガントなテイストのウイスキーを造ることに長けており、International Whisky Competitionでは2019年から6年連続で、最優秀マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤーに選出されました。 |
Dear WHISKY:
初めて日本に来た感想を教えて下さい!
ステファニーさん:
本当に楽しい事が多くて、日本が大好きになりました!
ずっと日本には来たいと思っていたので、ようやく来日することができてとても嬉しいです!
Dear WHISKY:
日本でDewar’sが人気なことは知っていましたか?
ステファニーさん:
日本に来てDewar’sを色々な場所で見かけるまで知らなかったのですが、こんなに色々な場所にDewar’sがあるのはとても嬉しいです。
Dewar’sがここまで幅広く楽しまれている国は日本が初めてです!
Dear WHISKY:
バーショーに参加されてみていかがですか?
ステファニーさん:
会場全体が盛り上がっていて、ウイスキー愛に溢れていてすばらしいですね。Dewar’s ダブルダブルシリーズも好評いただけてとても嬉しいです。
Dear WHISKY:
日本のウイスキー市場についてどう考えていますか?
ステファニーさん:
ジャパニーズウイスキーも世界的に人気ですし、とても大きな市場であることは知っていました。
今回のバーショーでも様々なウイスキーのブースを見たのですが、日本の蒸溜所の皆さんのウイスキーに対する想いが伝わってきて感銘をうけました。
Dear WHISKY:
日本ではDewar’sのハイボールはとても人気がありますが、Dewar’sのハイボールは飲まれましたか?
ステファニーさん:
昨晩初めてDewar’sをハイボールで飲んだのですが、とてもおいしかったです。人気なのも納得ですね。
15年前まではウイスキーはストレートなどで飲むべきというイメージが強く、カクテルなどで飲まれることはあまりありませんでした。このようなイメージは、間違った頼み方をしてしまうかもしれないと、たくさんの人々がウイスキーを怖がる結果に繋がってしまったので、ウイスキー業界にとってマイナスだったと私は感じています。
そのため最近は、ウイスキーをカクテルに使うことを推奨するなど、自由なウイスキーの楽しみ方を提案しています。
Dear WHISKY:
ブレンディングの魅力について教えて下さい。
ステファニーさん:
可能性の広さでしょうか。どの原酒を使い、どのようなブレンドを試してみるかを考えているときが一番楽しいです。
そして、実際に発売されたウイスキーを飲んだ方々の反応を見ることで、全てが報われた気分になります。
Dear WHISKY:
最後に、Dear WHISKY読者へメッセージをお願いします!
ステファニーさん:
日本でバーショーに参加できて、とても光栄に思います。いつもDewar’sのウイスキーに興味や関心を持ってくださり、ありがとうございます!
皆様の声が、ウイスキーを造るためのエネルギーになっています!今後も様々な商品を作っていくので楽しみにしていてください!
さらに今回Dear WHISKYは、『東京 インターナショナル バーショー』オフィシャル エグゼクティブを務めるデイブ・ブルームさんにも、インタビューを行いました!
デイブ・ブルーム氏
スコットランドのグラスゴー出身であるデイブ・ブルームさんは、30年以上にわたりスピリッツ業界で執筆、講演、教育活動を行っています。特にウイスキーへの造詣が深く、ウイスキー・マガジンなどウイスキー情報誌への寄稿や、多くの本や映画の制作を行っています。世界各地のイベントにも参加しており、ウイスキーの造り手向けのイベントであるWorld Whisky Forumではモデレーターも務めています。 |
Dear WHISKY:
デイブさんはこれまで何度か日本にいらしていますが、今回はどちらに行かれたのですか?
デイブさん:
毎回日本に来るのは楽しみです。今回は初日に京都へ行き、いくつか蒸溜所を周りバーショーへ来ました!
Dear WHISKY:
今年のバーショーへの感想を教えてください!
デイブさん:
雰囲気がとてもいいですね。皆さん落ち着いて楽しまれています。男性だけでなく女性の方や様々な国の方が多くみられて嬉しいですね。
それだけジャパニーズウイスキーの人気が高いということでしょう。
Dear WHISKY:
出展者についてはどうですか?
デイブさん:
世界中のウイスキーがみられますね。今年はレイクス蒸溜所を始め、ヨーロッパからも蒸溜所が出展しているのに加えて、アメリカンウイスキーのブースが目立ちますね。世界中のウイスキーがみられ、年々出展者も多様化していますね。
世界的なウイスキーブームに伴い、様々な国で蒸溜所が増えている影響だと思います。
Dear WHISKY:
日本でもクラフト蒸溜所が増えてきていますが、海外へ販路を広げるためには何が重要だとお考えですか?
デイブさん:
世界中でこれほど多くのウイスキーが造られている現状を加味すると、これからのウイスキー業界の競争は一層厳しくなっていきます。
そのような中で、クオリティこそが販路拡大の鍵であり、生き残るためには必須になると思います。
Dear WHISKY:
日本のハイボール文化についてどう思いますか?
デイブさん:
大賛成ですよ。ウイスキーが大人が飲む昔ながらの飲み物だという時代は終わりました。
ハイボールを中心に、あらゆる性別・年齢の方々が自由にウイスキーを飲んでいるというのは嬉しい変化であり、すばらしいと思います。
Dear WHISKY:
五大ウイスキー以外で、これからが楽しみな地域はどこですか?
デイブさん:
北欧やフランスのウイスキーがとても楽しみです。二つの全く異なるスタイルのウイスキーですが、どちらもとても注目しています。まだ新しい蒸溜所が多いので、長熟のウイスキーなどはみられませんが、期待しています。
Dear WHISKY:
今は世界的にシェリー樽熟成のウイスキーが人気ですが、今後変化はあると思いますか?
デイブさん:
私は人々の好みは変化すると考えているので、それに合わせてトレンドも変化していくと思います。数年前にアイラウイスキーが流行りましたが、今では落ち着いているのが証拠です。近年アジア圏でシェリー樽熟成のウイスキーが人気なのは、甘くて飲みやすい味からきていると思うので、好みが変化するにつれてこのトレンドも変わるでしょうね。
Dear WHISKY:
ウイスキーのトレンドにはなにか傾向があるのでしょうか?
デイブさん:
トレンドは振り子のように揺れ動いています。
ウイスキーの難しいところは、これを予想しながら5年・10年・15年先のために製造しなければいけない点です。
Dear WHISKY:
では次に来るトレンドはなんだと思いますか?
デイブさん:
多様化だと思います。様々なウイスキーが登場することによって、スコッチウイスキーの独壇場ではなくなり、スコットランドの蒸溜所も工夫して新しいことにチャレンジすることになるでしょう。その結果、スコッチウイスキーが新たな進化を遂げるかもしれません。アメリカンシングルモルトやライウイスキーにも注目ですね。実際にライウイスキーはヨーロッパでも造られ始めてますし、最近ではスコットランドにも広がりつつあります。
Dear WHISKY:
近年、昔ながらの製造方法や原材料で造られたウイスキーが増えてきましたが、このトレンドはなぜ始まったと思いますか?
デイブさん:
面白いトレンドですよね。
このトレンドが始まった1つ目の理由としては、サスティナビリティや地産地消の考え方あると思います。
二つ目は味わいにこだわる蒸溜所が増えてきたためでしょう。
シングルモルトに限ると、多くの蒸溜所が収穫量や効率を重視した麦芽を使ってきました。その結果、ウイスキーの味が均一になりがちでした。しかし、現在は少量でも質の高い麦芽を使うことが世界的に流行しています。
Dear WHISKY:
本や記事を書くときに一番こだわる部分はどこですか?
デイブさん:
場所ですね。「A Sense of Place」という本を書いたのですが、ウイスキーと蒸溜所がある場所との繋がりにはこだわりました。
Dear WHISKY:
なぜ場所にこだわるのでしょうか?
デイブさん:
ウイスキーとはただの液体ではなく、文化と深くつながる物だと考えているからです。ウイスキーに注目すればするほど、世界との関係性が浮かび上がってきて、その地域との繋がりがみえてきます。ウイスキーの評価などではなく、人々や文化や地域との関係性こそが私が本に書きたいと思っていることなのです。
『東京 インターナショナル バーショー』の主催者であり、一般財団法人 カクテル文化振興会の理事長である岸久さんにもインタビューを行いました!
岸久氏
大学時代のアルバイトをきっかけにバーテンダーの道に進んだ岸さんは、銀座の会員制老舗バーで修業積み、1996年には国際バーテンダー協会(IBA)の「世界カクテルコンクール」で日本人初の世界チャンピオンとなりました。2000年には、銀座で「STAR BAR – 銀座」を開店。このバーは、イギリスの業界誌である『World’s Best Bars』に掲載されるなど日本国内のみならず世界的にも有名なバーです。2012年には日本バーテンダー協会の会長に就任、2018年には東京ミッドタウン日比谷に「STAR BAR – HIBIYA」を開店し、日本のバー文化を牽引しています。 |
Dear WHISKY:
今年のバーショーの感想を教えてください!
岸さん:
2023年のバーショーに引き続き、今年のバーショーも大盛況でした。去年はコロナ開けで久しぶりのバーショーという事もあり注目されていたのですが、反響という面では今年のバーショーの方が大きかったです。
2023年と今年のバーショーのチケット販売数を比較すると、今年の方が速いペースで販売されており、開催前から多くの人の注目を得ていたのだと思います。
Dear WHISKY:
今年のバーショーでは、ウイスキーやジンはもちろん日本酒やビールのブースもありました。このように様々なお酒を扱う企業が出展していることについてどう感じていますか?
岸さん:
大変嬉しく思っています。東京バーショーは日本だけでなく、世界中から注目を集めているイベントということもあり、多くの企業から出展したいと言っていただいています。
バーショーの特徴の1つとして、どこか特定の企業や組織が運営しているイベントではないという点があるので、業界関係無く、様々な企業に出展していただいています。これからもいろいろな企業と協力しながらバーショーを盛り上げていきたいです!
Dear WHISKY:
今回のバーショーでは若い人や海外の方が多く来場していましたが、来場者にはどんな変化がありましたか?
岸さん:
年々、若い方や海外から来場する人が増えており、世代と国を超えてバーショーが広まってることを感じることができて嬉しいです。
Dear WHISKY:
今後のバーショーの展望を教えください!
岸さん:
バーショーが人気になる中で、より多くのブースを出展できるようにするため会場を大きくするという案もあります。しかし、会場を大きくするということは会場内のマナー、ルールの徹底が求められますし、より多くの人員も必要になります。
これまで作り上げてきたバーショーの雰囲気を壊さずに、より多くの人たちにバーショーを楽しんでもらえるように今後も頑張っていきたいです!
第3弾であるインタビュー編では、ステファニーさんとデイブさんへのインタビューを通して、海外から見るジャパニーズウイスキーや日本のウイスキー文化についてお伝えしました!また、岸さんへのインタビューでは、大きな盛り上がりを見せた『東京 インターナショナル バーショー』に対して主催者として感じていることをお伺いしました。インタビューを通して、これからも日本のウイスキー・カクテル文化を盛り上げていこうという岸さんの熱い想いが伝わってきました!
Dear WHISKYは全3弾に渡り、『東京 インターナショナル バーショー 2024』の様子をご紹介しました!
第1弾では盛り上がりを見せたイベント当日のブースの様子を、第2弾ではニッカウヰスキーのチーフブレンダーである尾崎裕美さんが行ったセミナーと、デュワーズの7代目マスターブレンダーのステファニー・マクラウドさんによるセミナーの様子をお届けしました!第1弾、第2弾をまだお読みでない方は、ぜひ併せてお読みください!
今後もDear WHISKYは日本全国のウイスキーイベントを取材していきます!お楽しみに!