山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ベンリネスは、スペイサイド地域で製造されるシングルモルトのスコッチウイスキーです。
標高840メートルのスペイサイドで最も高い山の北の麓に位置する蒸溜所であり、ジョニーウォーカーの原酒でもあります。
ややスモークを伴っていますが、濃厚で甘い味わいがスペイサイドらしいシングルモルトです。
この記事では、ベンリネスの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
ベンリネスは、スコットランドのスペイサイドにあるベンリネス蒸溜所で製造されるシングルモルトウイスキーです。
ジョニーウォーカーとJ&Bの原酒であることが有名であり、シングルモルトとして販売される量は少ないにもかかわらず、ウイスキー愛好家から人気のある銘柄となっています。
焦げるようなスモークと、ハチミツなどの甘い味わいのあとに、スパイシーさが後味として残る味わいです。
ベンリネスの歴史と製造方法を見ていきましょう。
スペイサイドモルトの種類はこちらの記事で紹介しています。
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ベンリネス蒸溜所は、1829年にベンリネス山の北の麓の標高213メートルの位置に設立されました。
1826年にベンリネス蒸溜所の前身となる蒸溜所が設立されましたが、洪水の影響で破壊されました。
その後も大規模な火災が発生するなどして改修を余儀なくされたこともあります。
波乱の歴史を歩んだベンリネスですが、1922年にはDCL社の傘下に入り、1955年に再び改装されています。
その後、1991年に初めて公式によるシングルモルトのボトリングが行われ、初めてリリースされたのは15年物のシングルモルトでした。
かつては2回半蒸溜や3回蒸溜を行ってきましたが、2017年に廃止し、現在では一般的な2回蒸溜が行われています。
生産量の99%がジョニーウォーカーとJ&Bのブレンデッド用の原酒として使用されており、シングルモルトとしてはほとんど流通していません。
しかし、ベンリネスは知名度こそ高くはないものの、愛好家からの評価が高く知る人ぞ知るウイスキーであるといわれています。
ジョニーウォーカーとJ&Bを知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
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ベンリネス蒸溜所では、ベンリネス山のスカーラン川とローワンツリー川の水を仕込み水に利用した、ベンリネス山の自然の恵みを使ってウイスキーを製造しています。
かつては2回半蒸溜を取り入れていましたが、その他にも特徴的な製法を取り入れており、あえて濁った麦汁を抽出し、発酵時間を50時間と短めに設定しています。
このように新しい製法に挑戦し、ほかのディアジオ社の原酒とは大きく異なるウイスキーを製造することからディアジオの異端児と呼ばれました。
すべてはジョニーウォーカーの原酒として必要な厚いボディの濃厚な味わいにするために必要な製造工程です。
シングルモルトとしてはほとんど流通しませんが、シングルモルトとしても個性があるため、多くのウイスキー愛好家から需要がある銘柄です。
そのため、ボトラーズは蒸溜所からウイスキー樽を購入し、独自にボトル詰めしてウイスキー愛好家に販売しています。
ウイスキー樽の購入は蒸溜所の資金調達の助けになるため、愛好家だけでなく蒸留所にもメリットがあります。
現在では、ウイスキー業界にかかわらない人々もウイスキー樽を購入できるようになり、「カスク・インベストメント」ではベンリネスを含むさまざまなスコットランドの蒸溜所のウイスキー樽を購入可能です。
購入したウイスキー樽は、ボトルの形からラベル、キャップシールに至るまでカスタマイズ可能な「ボトリングサービス」を通じて自分だけのオリジナルウイスキーを作れます。
ベンリネス蒸溜所の詳細はこちらのページにまとめています。
ベンリネス蒸留所 - Benrinnes DISTILLERY
ベンリネスの種類と味わいを紹介します。
画像引用:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000002202/
ベンリネス 15年 花と動物シリーズは、ディアジオ社の蒸溜所を中心にシングルモルトをリリースしている花と動物シリーズによるオフィシャルボトルです。
香ばしいフルーツケーキのようなスモークを伴った香りとバニラの甘い味わいが特徴であり、後からスパイシーさも出てきます。
ディアジオの異端児とも呼ばれるベンリネスの特徴的な味わいをオフィシャルボトルで楽しみたい方はこちらのボトルを探してみましょう。
画像引用:http://yoshitokuya.shop-pro.jp/?pid=101007589
ベンリネス 21年 リミテッドエディションは、ディアジオ社のスペシャルリリースで2014年に販売されたベンリネスの21年物のボトルです。
シェリー樽由来の甘い香りにベンリネス特有のスモークとスパイシーさが感じられます。
ディアジオ社から定期的に販売されるスペシャルリリースでは、一般的な熟成年数の花と動物シリーズとは異なり、ベンリネスのようにシングルモルトがほとんど発売されない銘柄の長期熟成を楽しめます。
画像引用:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000004253/
ベンリネス 10年 リフィルホグスヘッド シンプリーウイスキーは、ボトラーズによって発売されたベンリネスの熟成年数の短いボトルです。
ショートエイジングでもベンリネスの風味は味わいは安定しており、アルコールの刺激がなく丸みのある穏やかな口あたりをしています。
オフィシャルボトルを入手できない場合や、オフィシャルボトルよりも安い価格のボトルや短い熟成年数の銘柄を探したい場合はボトラーズを頼るのが良いでしょう。
画像引用:https://www.yousyu-kinko.jp/SHOP/228647.html
ベンリネス 25年 1996 シグナトリーは、老舗ボトラーズのシグナトリーからリリースされたベンリネスの長期熟成ボトルです。
スモークを伴うフルーツケーキとナッツの香味に甘くてクリーミーな味わいがあります。
オフィシャルボトルの長期熟成は特に入手が難しいため、長期熟成のボトルを飲みたい場合は、ボトラーズからボトルを探してみましょう。
ベンリネスのおすすめの飲み方を解説します。
ベンリネスがディアジオ異端児と呼ばれる所以を知るには、そのままの味わいを楽しむストレートがおすすめです。
ストレートで飲むことでベンリネスのスモークを伴う甘みのある複雑な風味がわかるようになります。
ストレートで美味しいウイスキーの条件はこちらの記事で紹介しています。
ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選
ベンリネスでクセがあるスモーキーの部分はロックにすることで、よりその個性を強く感じられます。
スペイサイドらしい甘みのある味わいよりもクセのある味わいが好きな方は、ロックのほうが満足できる可能性があるので、試してみましょう。
ロックの美味しい作り方はこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーのロックのおすすめの飲み方は? おいしく飲むための作り方もご紹介
ベンリネスは、スペイサイドのウイスキーのなかでも特徴的で個性のある風味であるため、シングルモルトの知名度は低いものの愛好家からの評価が高い銘柄です。
そのため、スコッチウイスキーのシングルモルトで一般的に販売されている銘柄以外で完成度の高い銘柄を探している方におすすめです。
最初に飲むなら花と動物シリーズの15年物か、オフィシャルボトルが少ないことから、熟成年数など飲みたいボトルの方向性に応じてボトラーズなどに頼るのが良いでしょう。