山崎 ノンエイジ/NV(ノンヴィンテージ)とは? 味わいとおすすめの飲み方を紹介
- ウイスキー銘柄
ブラックニッカは、ニッカウイスキーから製造・販売されている国産ブレンデッドウイスキーです。
ヒゲのおじさんが描かれたラベルデザインは、ウイスキーをあまり知らなくても見たことがある人が多いことでしょう。
コンビニ・スーパーマーケットの酒売り場で常売されており、気軽に入手できるウイスキーとなっています。
この記事では、ブラックニッカの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。
この記事のポイント
ブラックニッカは、日本のニッカウイスキーが製造し、広く販売している国産ブレンデッドウイスキーです。
広く販売されているだけでなく、ラインナップのほぼすべてがリーズナブルな価格で購入しやすい魅力があり、ウイスキーを初めて飲む方が気軽にウイスキーに挑戦しやすい銘柄となっています。
すっきりとした味わいでクセがないことから飲みやすく、スタンダードボトルであるブラックニッカ クリアはハイボールで飲むのに適したボトルです。
ブラックニッカの概要と製造方法を見ていきましょう。
1956年、ニッカウイスキーの創業者である竹鶴政孝氏は、日本の洋酒界を代表するブランドにしたいと言う願いを込めて、特級ウイスキーとして販売されました。
当時はウイスキーに級別制度があり、ウイスキーに混ぜ物をして販売することが当たり前の時代でした。
よって、原酒混和率やアルコール度数を基準に等級を指定しており、ブラックニッカの特級は等級が最も高い質の良いウイスキーに該当します。
しかし、販売戦略から1965年にはブラックニッカを1級ウイスキーに格落ちさせて販売させることになり、泣く泣くそれを承諾した竹鶴氏は1級ウイスキーの上限までモルト原酒を使用しています。
「よいウイスキーをよりリーズナブルに」という信念のもと、当時としては破格である1,000円で提供したことで、この販売戦略が功をなしブラックニッカは爆発的に売り上げを増加させました。
この時にラベルデザインに描かれて生まれたキャラクターが、ブラックニッカを象徴するヒゲのおじさんであり、以降はヒゲのウイスキーとして親しまれることになります。
このヒゲのおじさんの名前は「キング・オブ・ブレンダーズ」であり、ウイスキーのブレンド名人でブレンドの王様と呼ばれた W・P・ローリーという人物がモデルになっています。
その後は、1970年代のオイルショックによる経済不況を背景に大容量のボトルで経済的なブラックニッカ デラックスが誕生するなど、ウイスキーを楽しむ人に寄り添った商品展開を行ってきました。
1997年、現在のスタンダードボトルであるブラックニッカ クリアが発売され、ウイスキーが苦手な人でも飲みやすい、クセのない味わいのウイスキーをコンセプトに販売を開始しました。
その後もラインナップを増やしながら、ブラックニッカブランドを幅広く展開しており、普段飲みのウイスキーで気軽に飲みやすい銘柄として日本で不動の地位を築いています。
ブラックニッカを語る上で欠かせないウイスキーの級別制度についてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーの特級とは? 廃止となった 級別制度について解説!
ブラックニッカは、余市蒸留所のモルト原酒、宮城峡蒸溜所のモルト原酒とグレーン原酒をメインに使用して製造されています。
ただし、国内で製造した原酒以外にも輸入したモルト原酒を使用していることから、日本洋酒酒造組合の制定するジャパニーズウイスキーには合致しません。
ブレンド比率は公開されておらず、輸入原酒に関しても詳細は不明ではありますが、ニッカウイスキーの工場で製造された原酒を中心に使用したウイスキーです。
また、ブラックニッカはボトルによってアルコール度数が異なることが特徴であり、現在のラインナップでは度数は以下の通りとなっています。
種類 | アルコール度数 |
ブラックニッカ クリア | 37% |
ブラックニッカ リッチブレンド | 40% |
ブラックニッカ ディープブレンド | 45% |
ブラックニッカ スペシャル | 42% |
参考:アサヒビール 公式サイト
アルコール度数が低いほどボトル詰めの際に加水する水の量が多いと考えられ、高いほど濃厚な風味を味わいやすくなっています。
ブラックニッカの原酒を製造する蒸溜所の詳細はこちらのページでまとめています。
ブラックニッカの種類と味わいを紹介します。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/nikkablended/blacknikka/blacknikka.html
ブラックニッカ クリアは、ブラックニッカのフラッグシップボトルであり、日本で広く販売される国産ウイスキートップクラスのシェアを誇る銘柄です。
ノンピート麦芽を使用していることから、クセのあるスモーキーな香りがなく、ライトでやわらかい香りが特徴となっています。
すっきりとした飲み心地で甘みのあるなめらかな味わいとなっており、アルコール度数が37%であることから、熟成年数の若い原酒を使用していてもアルコール感も弱いです。
1965年に現在のブランドの理念が完成して以来、「よいウイスキーをよりリーズナブルに」という信念のもと、コスパの良いウイスキーとして人気を集めています。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/nikkablended/blacknikka/49899.html
ブラックニッカ リッチブレンドは、シェリー樽で熟成されたモルト原酒をブレンドした、その名の通りクリアよりも価格が少し上昇した上質な銘柄となっています。
大麦の甘みを感じる味わいをベースにシェリー樽由来のレーズンの香りや、フルーティーな風味が楽しめる、甘さ際立つ銘柄です。
リッチブレンドはクリアと比較すれば価格は上昇していますが、ウイスキー全体で比較すればコスパの良いリーズナブルな銘柄となっています。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/nikkablended/blacknikka/48613.html
ブラックニッカ ディープブレンドは、リッチブレンドよりもさらに洗練された味わいに仕上がったボトルです。
アルコール度数は45%と高く本格的なウイスキーとなっており、円熟してコクのある風味が楽しめますが、飲みやすい味わいに仕上がっています。
完成度の高さと安さを両立しており、本格的なウイスキーをコスパ良く楽しみたい方におすすめの銘柄です。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/products/whisky_brandy/nikkablended/blacknikka/40407.html
ブラックニッカ スペシャルは、1965年から販売されているブラックニッカのロングセラー商品であり、現在ではクリアがフラッグシップボトルとなっていますが、スペシャルの販売も続いています。
クリアとは異なり、クセのあるスモーキーさがわずかに感じられる味わいとなっていますが、ブラックニッカらしく飲みやすさを重視したブレンドとなっています。
発売当初と比較すれば味わいは異なるものの、ピート香があった頃のブラックニッカを味わえる現在では唯一のラインナップです。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/news/2019/0510.html
ブラックニッカ ディープブレンド ナイトクルーズは、ディープブレンドをベースにヘビーピートモルトの10年以上熟成した原酒を使用した数量限定販売の銘柄です。
甘いだけではない、ビターで複層的な味わいが魅力であり、ウイスキーらしい複雑な風味が楽しめることが魅力となっています。
期間限定販売であることから、現在は通常販売されていませんが、ブラックニッカでも復活を待ち望む声が多いボトルです。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/news/2018/0828.html
ブラックニッカ ディープブレンド エクストラスイートは、2018年にディープブレンドのリニューアルのタイミングで期間限定販売されました。
10年以上熟成された原酒を複数使っており、より洗練されて深い味わいとなったディープブレンドとなっています。
こちらも期間限定販売であることから、現在ではなかなか購入できない希少なボトルです。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/news/2019/1008.html
ブラックニッカ リッチブレンド コンフォートアロマは、ディープブレンドと同様のタイミングで販売された期間限定ボトルであり、2019年はコンフォートアロマがリリースされました。
その名の通り、樽由来の甘く華やかな香りがより楽しめるボトルとなっており、芳醇な味わいが魅力的です。
数量限定販売ではありますが、販売総数は120,000本と多いことから、しばらくは低価格で売買されていましたが、現在では市場で見かけなくなっています。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/news/2018/0424_2.html
ブラックニッカ リッチブレンド エクストラシェリーは、2018年のリッチブレンドの数量限定品であり、その名の通りリッチブレンドの特徴であるシェリー樽の風味を際立たせた銘柄です。
シェリー樽のドライフルーツのような風味が強調されており、甘くてコクのある味わいが楽しめます。
ブラックニッカとシェリー樽の組み合わせが最大限に楽しめる数量限定の希少なボトルです。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/news/2002/0822_2.html
ブラックニッカ 8年は、2002年に販売された熟成年数が表記されているブラックニッカであり、現在は終売しています。
8年以上熟成された原酒を使用しており、熟成年数を経ていることからまろやかな味わいが楽しめるボトルでありながら、当時は1,500円程度の低価格で購入できました。
終売してからはプレミア価格で取引されており、現在では大きく高騰している非常にレアなブラックニッカとなりました。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/news/2017/0302_2.html
ブラックニッカ ブレンダーズスピリットは、過去に数量限定で販売された銘柄であり、ボトルが青いことからブラックニッカのファンからは青ヒゲと呼ばれていました。
ブラックニッカ発売60周年を記念して製造されたボトルであり、スイートとビターが調和した上品な味わいが楽しめる人気の高い銘柄です。
こちらは数量限定販売でありながら再発売の要望も非常に多かったことから、実際に再販もしている銘柄となっています。
画像引用:https://www.asahibeer.co.jp/news/2017/0427.html
ブラックニッカ クロスオーバーは、余市蒸溜所のヘビリーピートモルト、宮城峡蒸溜所のシェリー樽原酒のモルトの個性がクロスオーバー(交錯)するというコンセプトで販売された期間限定ボトルです。
味わいは甘くてスモーキーな風味であり、スタンダードなブラックニッカからは想像がつきにくい個性的な味わいに仕上がっています。
このようにブラックニッカは、2010年代頃に期間限定品のラインナップがいくつか展開されていました。
ブラックニッカのおすすめの飲み方を解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブラックニッカは、クセの少ない味わいはハイボールにすることでより飲みやすくなるため、ウイスキーを飲み慣れていない方におすすめの飲み方です。
ウイスキー1:炭酸水4の割合を目安に自分で作るか、ブラックニッカは「クリア ハイボール」と「ハイボール香る夜」などのハイボール缶も販売されているため、ハイボールで飲むなら缶を購入するのも良いでしょう。
また、オレンジジュースなどを加えて作るフルーツハイボールもブラックニッカを美味しく味わえる魅力的な飲み方となっているので、カクテルを含めて飲み方の自由度は高いです。
ハイボールを含めて、ブラックニッカを好きなように割ることで美味しく飲みやすくなります。
ストレート、ロック、ハイボールなど、基本の飲み方以外でブラックニッカの美味しい飲み方について知りたい方はこちらの記事で紹介しています。
ブラックニッカの美味しい飲み方は? 初心者におすすめの楽しみ方を紹介
ブラックニッカは、ディープブレンドなど銘柄を選ぶと、ハイボール以外の飲み方で完成度の高い味わいをじっくり楽しむこともできます。
特に期間限定で数量限定販売のブラックニッカが手に入った場合は、ロックなどでゆっくり味わいたいところです。
時間が経過し、氷が溶けることでブラックニッカの味わいが変化するところも魅力となっています。
ロックの美味しい作り方とポイントについてはこちらの記事で紹介しています。
ウイスキーのロックのおすすめの飲み方は? おいしく飲むための作り方もご紹介
ブラックニッカは、低価格で購入可能でラインナップの幅も広いことから初心者に向いているだけでなく、ウイスキーを飲み慣れている方にも支持されています。
幅広い層から支持を受け、コンビニ・スーパーなど様々な場所で購入しやすいことから、興味があっても飲んだことがない方は気軽に飲んでみましょう。
ラインナップの中でもクリア、リッチブレンド、ディープブレンドは広く見かける商品であり、その中でも低価格を重視するならクリアが最も購入しやすいです。