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ウイスキーカスクの値上がり予想 市場の成長性を徹底解説!

2021.11.13 / 最終更新日:2024.06.09

山崎をはじめとするウイスキーの値上がり事例などから、ウイスキー投資に興味を持った方も多いかと思います。

ウイスキー投資を検討する上で過去の事例も重視する必要がありますが、今後もウイスキー市場が成長していくかどうかも重要です。

また、ウイスキーへの投資方法がボトル投資だけではなく、カスク(樽)投資が広がったことでウイスキー投資を取りまく環境は急速に変化しています。

この記事ではウイスキー投資の過去の関連データを提示しながら、近年のウイスキー投資に関する変化をまとめ、最後に今後のウイスキー投資の展望について解説します。

この記事のポイント

  • 近年のウイスキー投資に関する変化を参入する投資家に焦点をあてて解説
  • 今後のウイスキー市場の成長予想を紹介し、今後のウイスキー投資の展望について解説

これまでのウイスキー投資の関連データ

まずは、ウイスキー投資にまつわる過去の投資情報の確認をおこないましょう。

  • 蒸留所ごとの年間基本成長率
  • ウイスキー投資の高騰事例

それぞれ詳しく解説します。

蒸留所ごとの年間基本成長率

スコットランドの128の蒸留所を対象にした、蒸留所エリアごとの年間基本成長率を見ていきましょう。

エリア 2020年1月 2020年6月 2020年12月
スペイサイド 11.55% 11.74% 10.05%
ハイランド 10.62% 11.36% 9.69%
ローランド 12.91% 9.82% 7.00%
キャンベルタウン 16.06% 15.36% 13.79%
アイラ 15.57% 16.35% 15.02%
アイランズ 13.41% 14.60% 11.64%

スコットランド全体の平均成長率は年間12.76%となっており、どの地域も高い成長率を持っていることが分かります。

次にスコットランドの蒸留所の中でも成長率が高い蒸留所を2020年12月を対象にしたランキングでトップ10の蒸留所の成長率をまとめました。

順位 蒸留所 2020年1月 2020年6月 2020年12月
1位 ラフロイグ 19.05% 19.88% 17.71%
2位 ストイーシャ 18.91% 18.73% 17.62%
3位 ブナハーブン 16.26% 18.98% 16.67%
4位 ハイランドパーク 16.11% 15.93% 16.30%
5位 カリラ 15.91% 15.57% 15.46%
6位 スプリングバンク 16.07% 15.36% 13.79%
7位 ボウモア 11.15% 13.57% 13.54%
8位 マッカラン 16.83% 16.81% 13.48%
9位 ベンリアック 14.33% 13.90% 12.52%
10位 グレンロセス 12.78% 12.94% 11.64%

2020年全体の成長率をまとめましたが、1月・6月の成長率を比較してもトップ10の蒸留所の順位変動は微々たるものであり、安定性があります。

また、地域別の成長率でもトップクラスであったラフロイグをはじめとするアイラ地域の蒸留所が多くランクインしました

アイラ島のウイスキーはピートのスモーキーなフレーバーが特徴であり、愛好家人気の高い銘柄が多いです。

また、蒸留所の少ない地域であるアイランズのハイランドパーク、キャンベルタウンのスプリングバンクが頭角を現す結果となりました。

スペイサイドウイスキーはマッカランが順位を下げましたが、ベンリアック、グレンロセスは大きく健闘する形となりました。

蒸留所の成長率が高い銘柄はカスク投資においても価値の上昇が期待しやすく、投資を決める上での参考材料になります

トップ10の蒸留所に興味を持った方は、各蒸留所の紹介ページもチェックしてください。

ウイスキー投資の高騰事例

蒸留所の成長率を踏まえた上で具体的なカスク投資の高騰事例を確認していきましょう。

種類 カスクの種類 利益率 平均利回り
マッカラン1988
ブルーチップ 238.4%(2016年~2020年) 59.6%
ハイランドパーク2001
エマージング 491.4%(2007年~2020年) 37.8%
ボウモア1990 ブルーチップ 155.7%(2017年~2020年) 51.9%

カスクの種類によって適切な投資期間が異なり、ブルーチップであれば短期から中期(5年程度)エマージングであれば長期(15年以上)投資向けの商品になります。

ただし、価格はエマージングであれば安く、ブルーチップは非常に高いため、投資金額も変わってくるので気をつけましょう。

マッカラン、ボウモアは投資期間がわずか数年で平均利回りは50%を超え、ハイランドパークも10年以上の投資で500%近い利益率に成長しました。

投資のスタンスは保有資産の状況によっても変わってきますが、高騰事例も参考に自身に合わせた樽選びをしたいところです

ウイスキー投資におけるカスクの選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーの樽買い投資の選び方と購入金額について詳しく解説!

近年のウイスキー投資に関する変化

近年のウイスキー投資はウイスキーカスクが蒸留所の資金調達の手段や、投資商品としてのプラットフォームが整備されたことにより変化しています。

市場に参入する投資家に絞って、その変化を確認していきましょう。

  • 世代や性別に関わらず投資家が増加
  • ミレニアル世代を中心に認知度が高まる
  • 投資家の国籍が多様化するものの日本人投資家は少数

世代や性別に関わらず投資家が増加

ウイスキー投資をおこなう投資家層は下記の通りです。

カスク購入者の年齢は19歳~91歳までとなっており、最も割合が多いのがジェネレーションX(41~56歳)の47.40%です。

2番目に多いのがミレニアル世代(25~40歳)の31.15%ですが、近年ミレニアル世代の購入者が増加しています。

2019年と2020年を比較するとミレニアル世代のウイスキー樽の購入者の割合は55.75%増加しており、若年層のウイスキー投資家が多く誕生しました。

また、女性投資家も2019年と2020年を比較すると36.38%増加しており、世代や性別に関わらず投資家が増えています。

投資家が増加すれば、ウイスキーカスクの需要が高まり、価値や流動性が高まることが期待できるでしょう

ミレニアル世代を中心に認知度が高まる

海外投資家で無作為に抽出された1,931人を対象に「経済的な不確実性の中で資産を守るために検討する投資はなにか」というアンケートを取ったところ、77.4%のミレニアル世代の投資家がウイスキーと回答しました。

また、アンケートの回答者の76%がウイスキー投資を検討したことがあると回答しています。

これは昨年のアンケートと比較すると半年で25.4%増加した結果となりました。

また、全回答者の44.3%がすでにウイスキー投資を始めていると回答しており、今後最も投資したい資産に61.0%がウイスキーを選択しました。

ミレニアル世代へのウイスキー投資の認知度は高まっており、多くの投資家が長期的な資産運用の手段としてのカスク投資を高く評価している結果といえるでしょう

投資家の国籍が多様化するものの日本人投資家は少数

ウイスキー投資家の国籍は、イギリス、香港、シンガポール、オランダ、中国、台湾、ドイツ、アイルランドなど様々です。

しかし、日本人投資家の数はごく少数で、認知度も高くはありません。

理由としてはウイスキー樽の投資環境が日本では2020年以前に整っていなかったことがあげられます。

投資方法が確立し、カスク投資が長期投資向けの資産であることが認知されれば、国籍に関わらずウイスキー投資家が増加することが予測されるでしょう

当サイトの「カスクインベストメント」でもカスクの仕入れ業者である複数の樽の管理会社と契約し、さまざまなカスク投資用のウイスキー樽を販売しています。

多くの投資家がカスク投資に興味を持ったことで、ウイスキー投資を取りまく環境は急速に変化を続けています。

今後のウイスキー投資の展望

最後に、ウイスキー投資にも関係する今後のウイスキー市場の成長性について解説します。

  • 飲料市場の成長性
  • シングルモルト市場の成長性

飲料市場の成長性

調査機関「IWSR Drinks Market Analysis」によると、プレミアム以上のスピリッツは、消費者が量より質を好む傾向が続いているため、2024年までに世界シェアが13%増加すると予測されています。

飲料の量よりも質を重視する傾向は、シングルモルトウイスキーには追い風です。

シェアの増加によりシングルモルトへの関心が高まれば、ウイスキー市場の成長につながります

また、独自にボトル詰めをしてオリジナルブランドのウイスキーを販売する独立系ボトラーはカスク投資におけるウイスキー樽の売却先の一つです。

ウイスキー市場が活性化すれば独立系ボトラーが多くのウイスキー樽を求めるようになり、需要の増加が期待できるでしょう。

シングルモルト市場の成長性

Adroit Market Research Analytics」の調査では、2018年のシングルモルト市場規模の259億ドルから、年間平均成長率4%で、2025年には343億ドルまで成長すると予想しています。

シングルモルト市場はスコッチウイスキーが最も人気が高く、全体の60%を占めています。

また、スコッチウイスキー自体の輸出額も、2017年には43.6億ポンドだったのに対して2020年は50億ポンド以上になりました。

ウイスキーを含むプレミアムスピリッツとシングルモルトは今後も成長していくことが予測されます

ウイスキー市場は今後も成長が期待される

時代の影響もあり、投資家は財産を守るための有形資産を求めるようになったことからカスク投資市場は急速に成熟しています。

株式や債券などの金融商品と価格が連動しない安定資産を求めるならウイスキー樽は大きな候補です。

長期的な資産形成の手段に悩んでいるなら、今後も成長が期待されるウイスキーに対する投資を検討しましょう。

ウイスキー投資についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

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