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【特集】「フロンティアスピリット」を継承するウイスキー「ニッカ フロンティア」に込められた想いとは?

2024.12.09 / 最終更新日:2024.12.11

2024年10月1日(火)、ニッカウヰスキーの通年商品としては、4年ぶりの新商品となる「ニッカ フロンティア」が発売されました。

今回の記事では、ニッカ フロンティアの発売を記念し、特徴・魅力はもちろん、ニッカ フロンティア開発の秘話や込められた想いについても詳しく紹介していきますので、ぜひお楽しみください!

ニッカ フロンティアとは

ニッカ フロンティア

商品概要

商品名 ニッカ フロンティア
発売日 2024年10⽉1⽇(火)
タイプ ブレンデッドウイスキー
容量 500ml
アルコール度数 48%
参考小売価格 2,000円(税別) 
ブランドページ ニッカ フロンティア ブランドページ

ニッカウヰスキー株式会社とは

「日本で本物のウイスキーをつくりたい」という竹鶴政孝氏の想いから建てられた余市蒸溜所

日本のウイスキーの父、竹鶴政孝氏が「日本で本物のウイスキーをつくりたい」という想いを胸に始めたニッカウヰスキー株式会社。1934年に北海道余市町の「大日本果汁株式会社」から歴史は始まり、今年で創業90周年を迎えました。

創業者のマッサンこと竹鶴政孝氏が大切にしていた「パイオニア精神」「品質第一主義」を今日まで受け継ぎ、現在はアサヒグループの中でウイスキーをはじめとした酒類事業を行っています。

“生きるを愉しむウイスキー”を90周年という節目の新たなコミュニケーション・コンセプトとして掲げ、歴史の新たな1ページへと踏み出したニッカウヰスキーに目が離せません!

ニッカ フロンティアの特徴・魅力

ニッカ フロンティア4つの挑戦

ニッカ フロンティアはウイスキーをつくる上でのあたりまえを見直し、一つ上の技術を取り入れています。

ニッカ フロンティアの挑戦①:キーモルトは、世界の余市。

ニッカ フロンティアのキーモルトとして選ばれたのは、世界が賞賛する余市蒸溜所のヘビーピートモルトです。
希少で手間のかかる昔ながらの製法である石炭直火蒸溜とピートによる重厚でスモーキーな風味が、ニッカ フロンティアの力強い骨格を形作っています。

併せてお読みください!

ニッカ フロンティアの挑戦②:高アルコールで、コク深い。

ウイスキーはボトルに詰める前に、割り水をして40%~43%程度のアルコール度数に下げるのが通例ですが、ニッカ フロンティアは割り水少なめのアルコール度数48%にすることで、ハイボールにしても割り負けないコク深い味わいに仕上げています。

ニッカ フロンティアの挑戦③:高モルト比率で、個性華やぐ。

一般的なブレンデッドウイスキーはグレーンウイスキーの使用比率がモルトウイスキーの使用比率より多いですが、ニッカ フロンティアはモルトウイスキーの使用比率が51%以上というモルトベースのブレンデッドウイスキーです。
そのためモルトの複雑で深みのある個性を堪能できます。

ニッカ フロンティアの挑戦④:原酒の風味を活かす、ノンチル。

ウイスキーは瓶詰め前、冷却ろ過をしてにごり成分を取り除くことが多いですが、ニッカ フロンティアはあえて常温でろ過する「ノンチルフィルタード」を採用しており、原酒の香味成分をたっぷり残しています。

これらのように、つくりにおける一つ一つの挑戦が、ニッカ フロンティアの「スモーキー薫る、新境地」と言える味わいを生んでいます。

様々な飲み方で楽しめる

「スモーキー薫る、新境地」ニッカ フロンティアは、割り負けしない力強い味わいのため、若者を中心に大人気のハイボールで美味しく飲めることはもちろん、ストレート、ロック、水割りなど様々な飲み方で楽しめるウイスキーです!

さらに、ニッカウヰスキーでは炭酸水の上にニッカ フロンティアを浮かべる「フロートハイボール」をおすすめの飲み方として提案しています。

作る段階で混ぜてハイボールにしないのは、そのままでも美味しいニッカ フロンティアのスモーキーな薫りとコクを感じながら、ストレートからハイボールへの変化を愉しんでもらいたいから、とのことです。

この飲み方はウイスキーをハイボール以外であまり飲まない方にも、ウイスキーの香りや味をより感じてもらいたいという想いも込めて開発されており、続くインタビュー部分ではさらに掘り下げているのでぜひ最後までご覧ください!

身近な国産ウイスキー

ニッカ フロンティアは、より多くの方に届ける事も重視して開発されており、発売前から話題を集めていたのにも関わらず、コンビニやスーパーなどでお手頃価格で購入することができます!

※一部取り扱いのない店舗があります。

ニッカ フロンティア開発の背景

ニッカウヰスキー株式会社 グローバル事業戦略部 プロダクトブランドリーダーの坂本英一(さかもと えいいち)さんにニッカ フロンティア開発の秘話や込められた想いをお伺いしました!

ニッカ フロンティアとニッカウヰスキー株式会社 グローバル事業戦略部 プロダクトブランドリーダーの坂本英一さん

チャレンジ精神あふれるニッカウヰスキーを目指して

Dear WHISKY:
今回、新定番商品を開発するきっかけや背景はどのようなものですか?

坂本さん:
新しいイメージの獲得です。
ニッカウヰスキーは日本有数のウイスキーメーカーとして国内外で幅広いお客様に知っていただいていますが、国内と海外ではニッカウヰスキーのブランドイメージに大きな違いがあるのです。

Dear WHISKY:
国内と海外のニッカウヰスキーのブランドイメージはどのようなものですか?

坂本さん:
国内では「伝統・本格・信頼」のような評価をしていただいている一方、センスが良い・かっこいい・チャレンジ精神があるといったイメージはあまり持たれていないです。

対して、海外ではイノベーティブなイメージを持っていただいており、英国誌『ドリンクス・インターナショナル 2024』ではTOP TRENDING BRANDS※で1位を獲得しています。
ニッカウヰスキーは創業90周年を迎えるにあたって、国内でも海外のようにイノベーティブなイメージを獲得したいと考えました。

TOP TRENDING BRANDSとは
イギリスの飲料専門誌Drinks Internationalによって毎年発表される年次報告書。世界のトップバー100軒を対象にアンケートを行い、各種スピリッツ、リキュール、ワイン、ビールなどの販売動向やトレンドを調査したものとなっている。
ニッカウヰスキーは、スコッチ・アイリッシュ・アメリカンウイスキー以外を対象にしたWorld Whiskies部門で1位に輝いた。

Dear WHISKY:
創業90周年記念事業に、その目標はどう表れているのですか?

坂本さん:
ニッカウヰスキーは創業90周年を迎えるにあたって、「生きるを愉(たの)しむウイスキー」をコンセプトにニッカウヰスキーに新たなイメージを持っていただきたいという想いも込めて、創業90周年記念ウイスキー「ザ・ニッカ ナインディケイズ」の発売や、ニッカウヰスキーのコンセプトが体験できる「THE NIKKA WHISKY TOKYO」をはじめとしたBARの展開を行っております。

例えば、「THE NIKKA WHISKY TOKYO」には2つのBARエリアがあり、「The Lounge -MEET-」ではニッカウヰスキーの商品をベースに、世界で飲まれているカクテルトップ50から選ばれた11種類のカクテルを更に愉しむための工夫である「one factor」が散りばめられたカクテルを愉しめます。「The Bar -EXPLORE-」では「The Lounge -MEET-」で提供しているクラシックカクテルを、日本国内のトップバー13店が再解釈、再構築し、自由にツイストされた姿で愉しむことができます。

THE NIKKA WHISKY TOKYO

Dear WHISKY:
なぜクラッシックカクテルを中心に提供しているのですか

坂本さん:
まずは、ニッカウヰスキーがこれまで培ってきた「伝統」や「信頼」が感じられるクラッシックなカクテルを通して、ウイスキーやニッカウヰスキーの魅力や多様な愉しみ方に出会って(MEET)欲しかったんです。

さらに、クラッシックカクテルを日本のトップバーテンダーにアレンジしてもらい「イノベーティブ」で「クール」なカクテルとして提供することで、ウイスキーやニッカウヰスキーの新たな魅力を探究(EXPLORE)していただきたいです。

併せてお読みください!

ウイスキーをさらに盛り上げるために

ニッカ フロンティアへの想いを語る坂本さん

Dear WHISKY:
ニッカ フロンティアはどんな人におすすめのウイスキーですか?

坂本さん:
現在、国内ではハイボールブームを中心にウイスキーを飲む消費者が増えていると思っています。
ニッカ フロンティアはウイスキーをどんどんストレートやロックで飲むコアなファンより、ハイボールをきっかけにウイスキーに興味を持ち出し、色々試したいと思っているウイスキー中級者の方々に向けて開発したウイスキーになっています。

Dear WHISKY:
それはなぜでしょうか?

坂本さん:
ハイボールを普段飲む人がウイスキーの多種多様な魅力を体験するためにピッタリなウイスキーだからです。

ニッカ フロンティアは割り負けしないコクがあるハイボールで美味しいウイスキーですが、力強い味わいや香りを持っているため、ロックやストレートでも輝くので、普段ハイボールしか飲まない方がふと他の飲み方を試した際、完璧に答えられます!

そうしてハイボール以外の飲み方を試した方に、ウイスキーの新たな魅力を発見していただき、さらにウイスキーを好きになっていただければと思っています。

ニッカ フロンティアに込められた想い

創業者竹鶴政孝氏が持っていたフロンティアスピリットの継承

Dear WHISKY:
ニッカ フロンティアの背景には、どのようなストーリーがありますか?

坂本さん:
ニッカウヰスキーは竹鶴政孝から続く「フロンティアスピリット」を大切にしてきたという歴史があります。

例えば、ニッカウヰスキーの定番商品であるブラックニッカ クリアは竹鶴政孝がこだわったスモーキーフレーバーをあえて使わないという新たなチャレンジ、言うならば「フロンティアスピリット」から生まれた商品でした。

ニッカ フロンティアは、そういったニッカウヰスキーのDNAを創業90周年を機に見つめ直し日本のウイスキー史を切り拓いた創業者竹鶴政孝のフロンティアスピリットを、後世に継承していくという想いが込められております。

Dear WHISKY:
ボトルデザインにはどのようなこだわりがありますか?

坂本さん:
創業者のフロンティアスピリットを継承し、ニッカウヰスキーの象徴的な商品にしていくべく、企業ロゴの頭文字「N」を真ん中に大きく据えています。
 ウイスキーの液色を前面に見せる斬新なデザインを採用し、キャッチーな印象を持っていただけるようこだわりました。

ただ、斬新さを維持しながらニッカウヰスキーの象徴的なエンブレムや蒸溜所のポットスチルに巻かれたしめ縄のモチーフも盛り込む事で、ニッカウヰスキーがこれまで培ってきたものづくりに対する真摯な姿勢もお伝えできるバランスを意識して開発しました。

Dear WHISKY:
味わいではどのようにフロンティアスピリットを表現したのですか?

坂本さん:
ニッカフロンティアは、51%以上のモルト比率に加え、キーモルトに余市のヘビーピートモルトを使用することで、キャッチコピーにもなっている「スモーキー薫る、新境地。」を体感できる味わいとなっています。
このスモーキーさは強烈なスモーキーさではなく、あえて余韻に穏やかに効いてくるスモーキーさにしています。

もちろん強烈なスモーキーさを表現することは出来たのですが、より多くの人にウイスキーの様々な魅力を感じてもらうために、穏やかなピート感を表現しています。

Dear WHISKY:
理想の味わいを表現する上で難しかったことは何ですか?

坂本さん:
余市のヘビーピートモルトは非常に個性が強いモルトで、少しブレンドに加えるだけで全体の表情が大きく変わってしまうこともよくあり、開発の中ではそのバランスが非常に難しく苦労しました。

ブレンダーの努力のおかげで、強すぎる個性を抑え、どんな方でも美味しく飲んでいただけるような味わいを実現できました。

Dear WHISKY:
なぜ、苦労してまで扱いの難しい余市のヘビーピートモルトをキーモルトに採用したのですか?

坂本さん:
余市という地は、竹鶴政孝とニッカウヰスキーの挑戦の原点でもあることや、日本で初めて世界一に輝いた余市シングルカスクの存在など「フロンティアスピリットの継承」という商品開発のテーマからも外すことができない存在ですので、余市のヘビーピートモルトを採用しました。

余市のヘビーピートモルトを通して、消費者の皆様からニッカウヰスキーのウイスキーづくりに対するこだわりや、竹鶴政孝のストーリーに興味を持っていただけたら幸いです。

あえてジャパニーズウイスキーにこだわらない

Dear WHISKY:
ニッカ フロンティアはジャパニーズウイスキーですか?

坂本さん:
ニッカ フロンティアは、ニッカ傘下のベン・ネヴィスのモルト原酒をはじめ、複数の輸入原酒を使用しています。
そのため、ジャパニーズウイスキーの定義にはあてはまりません。

Dear WHISKY:
なぜ、ジャパニーズウイスキーではないウイスキーをつくることを決めたのですか?

坂本さん:
これは様々な点からジャパニーズウイスキーという枠組みにとらわれずに開発をしたためです。

まず、ニッカウヰスキーは創業当時から海外原酒を使用していましたし、お客様に喜んでいただける商品を開発するためであれば、自社製品だけに捉われない柔軟な思考でウイスキーづくりに取り組んできました。今回も美味しいウイスキーをつくるために、ベン・ネヴィス蒸溜所やそれ以外の蒸溜所の輸入原酒も使用しながらブレンドを行いました。

キーモルトは余市のヘビーピートモルトですが、非常に個性が強いモルト原酒なので割合としてはそこまで大きくなく、ピートも余韻に心地よく香るように調整しています。
トップノートの甘い華やかな香りは宮城峡モルトやベン・ネヴィスモルト由来のものですし、ジャパニーズウイスキーにこだわらなかったことで味の幅が広がったと思います。

併せてお読みください!

Dear WHISKY:
他にはどのような効果が得られましたか?

坂本さん:
供給量という意味でも輸入原酒は貢献してくれています。
ニッカウヰスキーは、竹鶴・余市・宮城峡をはじめとしたジャパニーズウイスキーをつくっていますが、これらのジャパニーズウイスキーを消費者の皆様へ十分お届けできているかと考えると、必ずしもそうではないと思っています。

そのため、ニッカ フロンティアは開発時から、より多くの人が手にすることができる量を出荷することを目指し、輸入原酒も使用することで少しでも安定供給ができるようなブレンドに挑戦をしました。潤沢な量を安定供給できるように今後も努めて参ります。

より多くの人にウイスキーの深み、愉しさを知ってもらうためのフロートハイボール

見た目も美しいフロートハイボール

Dear WHISKY:
なぜ「フロートハイボール」を開発したのですか?

坂本さん:
ニッカ フロンティアはハイボールからウイスキーに触れ、これから自分の好みの飲み方を探していく方の入り口になれるようなウイスキーを目指して開発していました。
そういった方々によりウイスキーを楽しんでもらうために誕生したのが「フロートハイボール」なんです。

Dear WHISKY:
おすすめの飲み方でもある「フロートハイボール」とはどんなものですか?

坂本さん:
フロートハイボールは炭酸水の上にウイスキーを浮かべる(フロート)飲み方で、グラスの上の方はストレートに近い状態で始まるため、ニッカ フロンティアのとても良い香りがはっきり感じられます。
さらに、ウイスキーをストレートで飲むのはハードルが高いという方もフロートハイボールでしたら最初の香りを楽しんでその後ハイボールとして楽しむこともできますし、味の変化も楽しめるのです。

ニッカ フロンティアはスモーキーさやモルトの豊かな香りが特徴なので、フロートハイボールはとてもよく合った飲み方だと思います。

Dear WHISKY:
フロートハイボールはどのようにしてつくるのですか?

坂本さん:
手順はシンプルで簡単です・様々な場面で様々な方に飲んでもらえますよ!

①まず、グラスに大きめの氷を入れます。
②次に、炭酸水をグラスの7~8分目までゆっくり注ぎ、表面が落ち着くのをしばし待ちます。
③最後に炭酸水の液面や氷にスプーンの先端などをつけ、ウイスキーを優しく静かに注いだら完成です。

この様にして作ったフロートハイボールは見た目もきれいで、SNSで投稿してくれる方や投稿を見てフロートハイボールを新しく知ってくださる方が沢山いました。
フロートハイボールを通してニッカ フロンティアの香りやスモーキーさを体験していただけておりとても嬉しいです。


最後に

以上、ニッカウヰスキー新商品「ニッカ フロンティア」開発の背景や込められた想いについてご紹介しました!

ニッカ フロンティアはより多くの人にウイスキーを楽しんでもらうために様々な工夫がされたウイスキーだと感じました。
竹鶴政孝から続く「フロンティアスピリット」を継承するニッカウヰスキーが100周年やその先にどのようなウイスキーをつくっていくのか楽しみが広がるばかりです!

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