資料ダウンロード
HOME > 取材 > 【現地レポート】ニッカウヰスキー創業の地、「余市蒸溜所」に潜入取材!

【現地レポート】ニッカウヰスキー創業の地、「余市蒸溜所」に潜入取材!

2023.08.21 / 最終更新日:2023.11.25

小樽の西、積丹半島の付根に位置する余市。
スコットランドによく似た冷涼な気候であり、水源に恵まれたこの北の地に、 “日本のウイスキーの父” 、竹鶴政孝氏が建てたニッカウヰスキー初の蒸溜所があります。
今回は余市蒸溜所に直接お伺いさせていただきましたので、その様子をお送りします!
現地レポートとなる今回の記事では、2022年2月に重要文化財に登録された歴史ある余市蒸溜所の様子をお伝えします!

またインタビュー編では、余市蒸溜所の工場長岩武さんに取材させていただき、ウイスキー造りへの想いや日本のウイスキーへの想いについてお伺いしました!
こちらも是非ご覧ください!
【独占インタビュー】ニッカウヰスキーの伝統を守り続ける余市蒸溜所工場長岩武公明さんにインタビュー!

ニッカウヰスキー余市蒸溜所概要

蒸溜所名 ニッカウヰスキー株式会社余市蒸溜所
創業(生産開始) 1934年(1936年)
本社所在地 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6
電話番号 0135-23-3131
蒸溜所見学 蒸溜所見学について

「一人でも多くの日本人に、本物のウイスキーを飲んでもらいたい」。そのような想いを胸に、スコットランドでウイスキー造りを学んだニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝氏。彼が初めて立ち上げた蒸溜所が、この余市蒸溜所です。
創業当時の社名は「大日本果汁株式会社」。ウイスキー造りの資金を集めるため、初めはリンゴジュースを販売していたことに由来しています。この「日」と「果」をとって、現在の「ニッカ」になりました。

さらに、伝統的な石炭直火蒸溜方式を守り続ける、余市蒸溜所のウイスキーは、世界にも認められています。
2001年には、「シングルカスク余市10年」が、日本のウイスキーとして初めてWhisky Magazineの「Best of the Best」総合第1位を獲得しました。

ニッカウヰスキー最初の蒸溜所である余市蒸溜所

 

実際にニッカウヰスキー余市蒸溜所に行ってきました!

余市蒸溜所の正門

JR函館本線余市駅に降り立ち少し歩くと、すぐに重厚な石造り鮮やかな赤の三角の屋根の建物が見えてきます。
美しいアーチが印象的で、城砦のようにも見える正門をくぐると、まるで異国の地のような景色が広がります。
建物だけでなく広々とした芝生と茂る木々は、竹鶴政孝氏がウイスキーを学んだ本場スコットランドを想起させます。

ニッカウヰスキー余市蒸溜所入口

ビジターセンター(重要文化財)

余市蒸溜所ガイドツアーはここ、ビジターセンターからスタートします。
余市蒸溜所紹介ムービーやウイスキーの製造工程の展示など、余市蒸溜所とウイスキーを知ることができる情報が盛り沢山でした!

重要文化財にも登録されたビジターセンター

ここからは早速、製造過程に入っていきます!!

麦芽造り –乾燥塔(キルン塔)

乾燥塔(キルン塔)

正門をくぐるとまず見えてくるのがこの乾燥塔(キルン棟)。
発芽した大麦をピートでいぶしながら乾燥させ、ウイスキーの元となる麦芽をつくる施設です。現在は使われていませんが、突き出した2棟の赤い塔は、余市蒸溜所のシンボルになっています。

麦汁造り –粉砕・糖化棟(一般見学不可)

麦芽を粉砕し、温水を加えて撹拌させ、マッシュタンと呼ばれる糖化槽で麦汁をつくる施設です。酵素のはたらきによりでんぷんが糖分に変わり、甘い麦汁ができます。

醗酵 –醗酵棟(一般見学不可)

出来上がった麦汁に酵母を加え、醗酵工程に入ります。酵母が麦汁の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解し、もろみができます。もろみは地下のパイプを通って蒸溜棟の蒸溜器(ポットスチル)に送られます。

蒸溜 –蒸溜棟

余市蒸溜所のポットスチル

次に、ここ蒸溜棟で、もろみを2回蒸溜します。蒸溜する装置である、ポットスチルを見せていただきました!余市蒸溜所では世界で唯一、伝統的な石炭直火蒸溜によってウイスキーを造ります。職人が石炭を火にくべ続け、800〜1,200度の間で温度調節を行います。この蒸溜方法を取ることにより、力強く重厚なウイスキーが造られます。
重い石炭をシャベルですくい、火に入れる様子を間近で見せていただきました!

余市蒸溜所の特徴である石炭直火蒸溜の様子

樽詰め・混和 –混和棟

蒸溜されたウイスキーの原酒はここで樽に詰められます!
また、熟成を終えたウイスキーを樽から取り出し、混ぜ合わせる作業もここで行われます。

ウイスキー樽に詰める混和棟の外観

熟成 – 一号貯蔵庫

この貯蔵庫でウイスキーを熟成し、貯蔵します。広々とした建物の中に、ずっしりとした大きな樽が並んでいます。
適度な湿度が保てるように床は土のままで、外壁は夏でも冷気が保てるよう、石づくりになっています。

一号貯蔵庫内に並ぶウイスキー樽

また蒸溜所内には、ウイスキー造りのためだけではない、様々な建物がありました!

旧事務所

旧事務所の様子

蒸溜所内をさらに進むと、竹鶴政孝氏の執務室として建てられた旧事務所も発見しました!
重要文化財の一つでもあるこの旧事務所は、余市蒸溜所の発展を示す文化的資産として今も大切に保存されています。

リタハウス

竹鶴政孝氏の妻の名前が由来のリタハウス

次に辿り着いたのが、緑の屋根が可愛らしいリタハウス
創業前の1931年に建てられ、1984年までの約50年間、ウイスキー製造工程の研究・ブレンド・成分解析など、研究室として使用されていたそうです。
この「リタハウス」という名前は、竹鶴政孝氏の妻、リタ夫人の名前を取ってつけられました。

旧竹鶴邸

和洋折衷である旧竹鶴邸

この旧竹鶴邸は、竹鶴政孝氏とリタ夫人の住居として工場内に建設されました。その後、郊外に移設されましたが、2002年に工場内に再び移築されたそうです!
和洋折衷である建築が特徴的です。

ニッカミュージアム

2021年に新しく生まれ変わったニッカミュージアム

最後に、ニッカミュージアムを見学しました!こちらはウイスキーの貯蔵庫を改装した博物館です。
ブレンダーに注目した「ブレンダーズ・ラボ」 、ニッカの歴史を知ることができる「ストーリー・オブ・ニッカウヰスキー」 、「ディスティラーズ・トーク」 など、様々な角度からニッカのウイスキーづくりに焦点が当てられています。また、竹鶴氏の人生を紹介する「竹鶴イズム」では、スコットランドでの実習の記録、日本初の本格ウイスキー誕生への道、リタ夫人との思い出など、パネルや愛用品といった貴重な資料を展示しながら紹介しています。
有料で試飲できる 「テイスティング・バー」もあり、たくさんの貴重なウイスキーを楽しむことができます。

 

次回は余市蒸溜所工場長岩武さんへのインタビュー

以上、余市蒸溜所の現地レポートでした!
竹鶴政孝氏が情熱を注いだウイスキー造りの歴史について深く知れる大変貴重な機会でした!
また、重要文化財にも登録された建物は、その歴史を感じさせるほど重厚な作りになっていて、見どころたっぷりです。
皆様もぜひお立ち寄りください!

さて、次回の余市工場長岩武さんへのインタビュー編では、余市のウイスキーの特徴や伝統、重要文化財登録の裏話、そして工場長としての岩武さんの想いについて伺いました!
貴重なお話ばかりでしたので、こちらも合わせてご覧ください!
【独占インタビュー】ニッカウヰスキーの伝統を守り続ける余市蒸溜所工場長岩武公明さんにインタビュー!

ウイスキーを樽で買う!無料特典付きウェビナーのご紹介

SNSで最新情報をお知らせ
Contact

ウイスキーカスクの購入、Barでの取り扱い、取材・インタビュー、事業提携のご相談など
お気軽にご連絡ください