【独占インタビュー】ロバート・バーネカー、ソナト・バーネカー夫妻<第2弾> – KOVAL
- 造り手
- 蒸溜所(海外)
ウィンターリゾート地として国内だけでなく海外からも有名な北海道ニセコ町。
ニセコアンヌプリ(ヌプリはアイヌ語で山という意味)と羊蹄山に囲まれた場所に、ニセコ蒸溜所は位置しています。
第1弾ではニセコ蒸溜所の設立背景や価値観などを伺いました。
第2弾ではウイスキーの製造背景やニセコ蒸溜所のこれからなどに焦点をあてていきます。
これから誕生するウイスキーの魅力やニセコ蒸溜所の将来像まで知ることのできる記事になっていますので、皆さんもニセコ蒸溜所の味を知る前にぜひご覧ください!
北海道のニセコ町に位置する、ニセコ蒸溜所。
自然との共生を大切にするニセコ町の精神に共感し、美しい森の中で地域に根付いたウイスキー造りを行っている蒸溜所です。
ニセコアンヌプリと羊蹄山に囲まれ、豪雪地帯ならではの上質な水に恵まれていることを生かし、ジンやウイスキーの製造を行っています。
会社名 | 株式会社ニセコ蒸溜所 |
会社設立 | 2019年(店舗部分のオープンは2021年10月) |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 無休 |
住所 | 北海道蛇田郡ニセコ町ニセコ478-15 |
その他 | SHOP&BAR⇒事前予約不要 見学ツアー⇒要事前予約(ご予約はこちらからhttps://niseko-distillery.com/reservation/) |
Dear WHISKY:
ウイスキーを製造するにあたって苦労したところについて教えてください。
角本様:
ほぼ手探り状態でウイスキー製造を始めることになったのが苦労した部分だと思います。
ウイスキー製造を行おうとしていた時期というのがちょうどコロナ禍だったため、他の蒸溜所への視察や技術研修等など知見を深める機会が持てず、実務についての情報が限られてしまいました。また、設備についても学びながらでしたので、慣れていくのに苦労した部分もありました。
Dear WHISKY:
スコットランド製のポットスチルを利用しているとお聞きしましたが、なぜそのポットスチルを選んだのですが?
浜崎様:
私たちは、まず、どんな味わいの商品を造りたいのか考え、それにふさわしい原料、機材をと考えています。
目指す味わいの商品を造るために最適だったのが、今使用しているスコットランド製のポットスチルでした。
Dear WHISKY:
現在製造しているウイスキーでは、どのような樽を使用していますか?
角本様:
6種類のものを使用しています。バーボン樽、バーボン樽の組み換え(サイズをアップさせたもの)、アメリカンホワイトオークの新樽、シェリー樽、ワイン樽、麦焼酎を貯蔵させていた樽の6つです。
これからブレンドして使っていくと思いますが、複雑さを目指すには多種類の樽を持っていないとブレンドができないため、このような形になりました。
Dear WHISKY:
今使っている樽の他に今後使ってみたい樽などはありますか?
角本様:
北海道産のミズナラの樽を使ってみたいです。やはり地元に根付いたものを使っていきたいので、樽も北海道産のものを使いたいなと思っています。
麦芽も輸入麦芽を使っているので、いつかは北海道産の麦芽を使ってみたいです。
Dear WHISKY:
ジャパニーズフェスやウイスキーラバーズ名古屋などのイベントで感じたことや思ったことはありますか?
角本様:
多くのお客様に私たちのブースにお立ち寄りいただけたのがまず嬉しい経験でした。また私たちにとっても面識のある他の蒸溜所の方や、初めてご挨拶した蒸溜所さんともお話をさせていただけることができたのも、大いに刺激になりました。
イベントでは他の蒸溜所さんも頑張っているのを感じたので、私たちも負けていられないと思いました。
Dear WHISKY:
蒸溜所とお客様だけでなく、蒸溜所同士でも交流をすることがすることができるのですね。
ちなみに昨年のジャパニーズフェスにニューメイクを出品なさっていましたが、出品したニューメイクがノンピーテッドだった理由を教えてください。
角本様:
私たちは多くの方に楽しんでいただける製品づくりを心がけています。
将来はピートでも造ってみたいと思っていますが、まずは普通のノンピートの麦芽で理想のきれいな麦汁やウイスキーを造るべきなのではと考えました。
Dear WHISKY:
蒸溜所見学もされていますが、蒸溜所見学はどのような内容ですか?
角本様:
Barで楽しみながら蒸溜所見学ができるので、コアなウイスキーファンの方にも魅力的に感じていただけると思います。
Dear WHISKY:
見学に訪れる方はどのような方が多いですか?
角本様:
コロナの状況が落ち着いてきた今は外国人の方にも多くお越しいただいています。
ニセコはもともとオーストラリアの方が多くいらっしゃっていましたが、今はアジアやヨーロッパの方も増えました。付近のウィンターリゾートでスキーをした帰りに蒸溜所見学に来る方が多いです。
Dear WHISKY:
これからどのようなウイスキーを造っていきたいと思っていますか?
角本様:
きれいで澄んだ麦汁造りとそれに最適な環境を整えることに注力し続けたいと思っています。
ウイスキー造りというのは長い期間を経て完成までたどり着きます。まだ1年しかたっていないニセコ蒸溜所はウイスキーの世界に1歩足を踏み入れたくらいですから、ようやくスタートラインに立てたところだと思っています。
自分たちが満足いくウイスキーを完成させるにはまだ時間がかかると考えているので、完成させる過程も楽しんでいきたいと思っています。
多くのお客様に気に入っていただける商品を提供できるまで貪欲に進んでいきます!
浜崎様:
今はまだ蒸留して1年ちょっとしかたってないので、自分たちが納得いくまで丁寧にウイスキー製造をしていきたいです。
ウイスキーは10年20年先まで熟成させることができるので、早い段階から方向性を決めるのはもったいないと感じています。
ロマンを持って製造していくのがジャパニーズウイスキーの醍醐味ですね!
2部にわたりニセコ蒸溜所についてご紹介してきました。
第1弾ではニセコ蒸溜所の価値観などを詳しくお伺いしました。ニセコ町に根付いた活動をしたいという想いのもとお酒を製造しているのを知ることができ、特に実際にお酒を飲む際、感慨深いのではないでしょうか?
また第2弾ではウイスキーの製造背景や将来像まで伺いました。
一足先にウイスキーに対する想いを知ることができ今からウイスキーの発売がとても楽しみになったのではないでしょうか?
これからのニセコ蒸溜所がより一層、楽しみです!